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「敵の攻撃が当たってから避ける」……って、なにそれ!?戦闘システムの個性が強すぎるアクションRPG『REYNATIS/レナティス』は、2000年代のゲームのようにイマドキ珍しい“ギラギラ”した意欲作だった

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『REYNATIS/レナティス』(以下、レナティス)は、さまざまな意味で“ギラギラ”としたアクションRPGだ。具体的には、2000年代前半に誕生した3Dのアクションゲームたち(※アクションRPG、アクションアドベンチャーも含む)が持っていた“ギラギラ”である。

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あくまでも筆者の主観だが……前述の時期に誕生した3Dのアクションゲームというのは、ひときわ“ギラギラ”した個性を持っていたように思う。

2000年代前半と言えば、PlayStation 2(PS2)の台頭による3Dゲームの全盛期。その影響からか、実に様々な3Dタイプのアクションゲームが発売された。

そして数が多かった分、どの作品も他の同ジャンル作品にはない個性を前面に出す傾向があったように思う。タイトル名は伏せるが、バレーボール風の攻撃技、素材回収メインで戦闘皆無の本編構成、そしてどんな時でも武器は素手のみなど、プレイヤーの基本アクションから戦闘スタイル、システムといった部分においてだ。

個性が強すぎるあまり、人を選ぶ側面が出ていたりもしたが、おかげでそれらの作品には“ギラギラ”とした輝きがあり、遊ぶ側に強い印象を残すものに仕上がっていた。

その頃を思わせる“ギラギラ”が『レナティス』にあり、筆者はどことなくあの時代のアクションゲームを遊んでいる気持ちになった。とはいえ、実際は目的地を示すマーカー、特定ポイントへと即座に移動するファストトラベルなど、現代のアクションゲームらしい部分もある。そのため、完全に当時の手触りを持った作品という訳ではない。

ただ、2つのモードを切り替えながら立ち回る戦闘システムを始め、いたる所が“ギラギラ”している。“ギラギラ”しているなりに人を選ぶ側面もあるのだが、逆に言えば、個性の強さが前面に出た3Dアクションゲームというものを本作では味わえる。

もし、前述した時代の3Dアクションゲームを楽しんだ直撃世代やその思い出が色濃く残っている人なら、本作『レナティス』はさまざまな意味で強い印象を残す1本になるだろう。ほんの少し“トガり”のあるアクションゲームを探している人にも必見である。

文/シェループ
編集/りつこ

※この記事は『REYNATIS/レナティス』の魅力をもっと知ってもらいたいフリューさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。

※本稿執筆に当たってプレイしたのはPlayStation 5(PS5)版で、2024年8月1日配信のアップデートパッチ「ver.1.0.3」が適用された内容を元にしています。

東京・渋谷の街を舞台に、魔法を使う者たちが力を制御しながら戦う3DアクションRPG

魔法を使える者と使えない者、それぞれが存在し、魔法使い側が使えない者(一般人)から危険視されている架空の2024年。

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立場と境遇の異なる2人の魔法使い「霧積真凛(きりづみまりん)」「西島佐理(にしじまさり)」が、東京・渋谷の街を舞台にそれぞれの信念を持って戦う。

それが本作、『レナティス』の大まかなストーリーとなる。ゲームジャンル込みで本作を言い表せば、渋谷が舞台の3DアクションRPGである。プレイヤーは前述した2人の魔法使い、霧積真凛(以下、真凛)と西島佐理(以下、佐理)の2人をストーリーの展開に応じて操作。渋谷の街中で起きるイベント(クエスト)をこなしていくというのが主な内容だ。

本編は「Chapter」と称されたエピソードを順に追っていく形で進む。操作するキャラクターはChapterごとに切り替わり、序盤を例に出すとChapter 1は佐理、Chapter 2は真凛を操作することになる。そして、ある程度Chapterが進行すると……これ以上は見てのお楽しみとする。ひとまず「大体、想像する通りの展開が待っている」とだけ。

2人を操作すると前述したが、厳密にはそれぞれをリーダーとする3人1組のチーム(パーティ)を操作するというものになる。

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▲真凛と行動を共にする「目黒仁香(めぐろにか)」

佐理と真凛にはそれぞれ、行動を共にする仲間がストーリーの展開に応じて加入。以降、切り替える形で直接操作できるようになるのだ。もちろん、フィールドの移動に限らず、敵との戦闘においても、である。それぞれが佐理と真凛が持たない個性と特技を用いて活躍してくれる。

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▲街中を歩く一般人の中に敵が紛れ込んでいる(上記は「ルブルム」と呼ばれる魔法薬に毒された中毒者)

戦闘はクエストの進行、あるいはフィールド移動中に敵と遭遇(エンカウント)した際に発生する。作りは正統派の近接攻撃型3Dアクションで、キャラクターそれぞれの基本攻撃、装備された2種類の「スキル」を駆使して敵を倒すことに挑む形だ。

ただ、本作ならではの特徴として「抑圧」と「解放」という、2つのモードを切り替えられる「フーディシステム」なるものがある。魔法使いである真凛と佐理、その仲間たちは、自らの力(魔力)を解き放った上で攻撃行動を取る。

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つまり、攻撃をするに当たっては「解放」のモードに切り替える必要があるのだ。逆に「抑圧」のモードだと、攻撃行動は一切できなくなってしまう。

しかしその代わり、「抑圧」のモードでは敵の攻撃が当たる直前にスロータイムが発生するように。その状態で回避ボタン(※R1ボタン)を押せばジャスト回避の判定となって、魔力(MP)を獲得できる。

そのため、「抑圧」のモードでMPを稼ぎつつ、ある程度貯まったら「解放」のモードへと切り替え、MPを消費しながら攻撃行動へと転じるというのが基本戦術となる。

なお、MPが最大にまで達した時、「解放」への切り替えを実施すると「バースト解放」が発生。一定時間、スロータイムになって敵に連続攻撃を叩き込むチャンスが到来する。

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また「抑圧」の時、敵から近接攻撃を受けた際には魔法陣が発生。そのまま回避ボタンを長押しし、魔法陣を点灯させると「回避吸収」となり、より多くのMPの獲得のほか、一部の敵が展開するバリアを打ち破ることができる。

このように、状況に応じてモードを切り替え、それぞれに応じた適切な行動を取って立ち回るという個性的なシステムが備えられている。

詳細は後述するが、この個性的な戦闘システムこそ、本作が“ギラギラ”としている所以だと感じた。

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さらにこの「フーディシステム」、フィールドの探索においても様々な変化を及ぼす。

「抑圧」なら市民との会話が可能な一方、「解放」だと会話ができなくなり、彼らがSNS上でその存在を広め始めてしまうのだ。もし、必要以上に広まってしまうと、魔法使いを取り締まる強力な取締官が出現し、そのまま強制的に戦闘が始まってしまう。

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▲脅威的な火力で襲いくるエリート取締官たちにやられる図

当然、強力なだけあって彼らに勝つことは非常に困難。そもそも、攻撃を1回でも受ければ、ほとんどゲームオーバー確定である。(パーティメンバーが居れば、そのキャラクターへと切り替わって耐えられるが、それで勝てるかと言うと……)

ただ、「解放」だと素早く移動できたり、「抑圧」だと可視化されないアイテムを発見できるなどのメリットもある。その特徴を踏まえ、探索をこなすというのも本作の個性のひとつ。戦闘以外の面でも「抑圧」と「解放」をテーマにした要素を採り入れているのだ。

他にストーリーの概略説明で言及したように、本作のフィールドは東京・渋谷の街。それも現実の渋谷の駅前を忠実に再現していて、スクランブル交差点にスペイン坂といったスポットがほぼそのままの形で登場する。

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店舗も実在するものが登場するに加え、看板にも見慣れたロゴが多数登場。現実の渋谷を知る人なら、思わずニヤリとしてしまう作りになっている。

また、渋谷に限らず、本編には「アナザー」と呼ばれる異界も舞台のひとつとして登場。「アナザー」は渋谷の街中にある「フォグ」と呼ばれる空間の歪みから行ける場所で、森、荒野といった土地を探索できる。自然ばかりという訳ではなく、ある程度、本編が進むと美術館、工場といった建造物も登場。それぞれ構造も特徴付けされており、変化を付ける工夫も成されている。

“攻撃に当たってから”避ける……?完全に矛盾した行為が回避として成立する、ユニークすぎる戦闘

この『レナティス』で、最もギラギラした個性となっているのが、「フーディシステム」による戦闘だ。同システムはフィールド探索でも存在感を示しているのだが、一番その特徴が現れているのは戦闘である。

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とりわけ回避の仕組みが新しい。3Dにせよ2Dにせよ、アクションゲームにおける回避というのは、敵の攻撃が当たる前にジャンプなどの行動を取って避けるのが定番だ。敵の攻撃が当たってから避けるというのは、そもそも回避として成立していない。むしろ失敗だ。というか、完全に矛盾している。

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そんな露骨におかしい回避(いや、失敗か?)が、本作では回避として成立してしまう。当たったとしても、「抑圧」のモードなら即、命中判定とならずにスロータイムが発生し、回避行動を取るボタンを押せば、回避と判定されてダメージを受けずに済むのだ。しかも、攻撃に必要なMPまで手に入る。近距離攻撃を回避した時に発生する「回避吸収」なら、MPの量も増えるボーナスも得られてしまう。

この仕組みが他のアクションゲームにはない新しい感覚を提供すると同時に、本作で最も輝く個性になっている。

さすがに回避ボタンの入力が遅れると、失敗(命中判定)になってしまうが、それでも当たったことを無かったことにできる仕組みがある時点で割とぶっ飛んでいる。ある意味、ありそうでなかった回避の形と言えるかもしれない。

「抑圧」による回避、「解放」による攻撃を使い分けた立ち回りにも独特な戦術性と爽快感がある。特に「抑圧」による回避を重ね続け、MPを最大にまでため込んでから「解放」に切り換えると発生する強力な攻撃「バースト解放」は格別。

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まさに長いこと我慢し続けた欲求を吐き出すのに近い気持ちよさがある。演出的にも派手なエフェクトが発生するのはもちろん、最大の力が発揮されたことを強く意識させる独特な効果音が鳴り響くのもあって、より一層、力を一気に叩き込みたい思いが刺激させられる。

その「バースト解放」で敵を一気に仕留められれば、気持ちよさもマシマシ。ボスに至っては、トドメを刺した際にスローモーションの演出が挿入されることも相まって、なおのこと痛快だ。

また、慣れてくると2つのモードを瞬時に切り替え、被害を抑え込みながら華麗に敵を討つという立ち回りがこなせるようになるのも面白い。

モードの切り替えはL1ボタンを押して実施するのだが、実は「解放」は通常武器による攻撃、スキルを発動するボタンを押した時にも切り替わるようになっている。この仕組みを踏まえ、抑圧と解放をスピーディに切り替えるコツがつかめれば、まさに華麗な立ち回りで敵を翻弄させるようなこともできてしまう。

モード切り替えの際に2種類のボタンを使う都合上、困惑しやすい一面もある。使いこなすには結構な集中力が必要だが、そうした上達によって相応の結果が返ってくる過程はまさにアクションゲームの醍醐味。極めたいと思う人にきちんと応える余地を設けている辺りは「分かっている」と感じた次第だ。

ちなみに前述した街中に現れる強力な取締官も極めたい人を踏まえ、ちゃんと倒せるようになっている……らしい。「らしい」の通り、筆者は倒せていないのだが、実際、その余地が残されていることは戦っていて見えたので、腕に自信のあるプレイヤーは挑んでみるといいかもしれない。

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▲回避アクションを連発しながら移動する様子

戦闘とは別に、フィールド探索も「解放」と回避のアクションを瞬時に使い分ける行動を心がけると、非常に速く動ける。この点も、ある意味、極めたい人に応えている部分だと言えるかもしれない。

“ギラギラ”な個性が、2000年代前半に誕生した3Dアクションゲームたちの記憶を呼び覚ます?

フーディシステムに関しては、どこか2000年代前半に誕生した3Dタイプのアクションゲームを思い起こさせる手触りになっているのも見所だ。かと言って、本作の作りが昔っぽい訳ではない。

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次に向かう目的地は常時、マーカーを表示して教えてくれるほか、一度、訪れたエリアはメニュー画面の「渋谷マップ」から「ファストトラベル」を選択することで、即座にその場へと移れる。探索中におけるカメラワークにしても、操作しているキャラクターの背後を追従する仕組みで、過度にグルグル回ったりすることもなければ、右スティックでアングルを自在に調節可能である。

ちなみに本作では、ジャンプのアクションも用意されているが、これを駆使して危険に満ちたアスレチックを乗り越えていくような場面はない。どうにも件の時代の3Dアクションゲームというと、“平均台”というのが人によってはトラウマとして記憶に刻み込まれているかもしれないが、安心していただきたい。そういうのはない。(力説)

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ただ、戦闘では前述したように、独特過ぎる戦術を試されるのに加え、フィールド探索でも、切り替えによって異なる反応が返ってくる。

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また、紹介が遅れたが、本作には「ストレス」なるステータスが存在。市民との会話で愚痴を聞かされたり、戦闘から逃亡すると数値が上昇。100%に達すると強制的に「解放」状態になってしまうのだ。こうなると、強力な取締官が駆けつける危険も高まる。

しかし、戦闘時の攻撃力が上昇するメリットもあることから、ストレスを上げること自体が完全な悪という訳ではない。ただし、一度でも戦闘を仕掛けてしまうと、ストレスは0%にリセットされる。常に維持し続けることはできないので、簡単に得られる恩恵とも言えない。

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▲ストレスは自販機で飲み物を買っても下げられる(ちなみに飲み物は、すべて実在する商品)

これらの存在と付加効果もフーディシステムの個性を際立たせると同時に、“ギラギラ”としていた2000年代前半の3Dアクションゲームを思い起こさせる。他とは違う個性を目指すという、強い意志の現れとも言える。

正直、この辺は直撃世代でなければピンとこない部分で、分かる人も限られてくるだろう。しかしながら、時代の移り変わりと成熟により、遊びやすさが研ぎ澄まされた現代の3Dアクションゲームにはない味が出ているのは特筆すべきポイントである。

遊んでみれば、よくも悪くも他のアクションゲームとの体験と手触りの違い、そして本作特有のものとしての印象を焼き付けられる。

本作特有のものと言えば、渋谷の街中を歩き回れるのもそのひとつ。とは言え、渋谷を舞台にしたゲームは既にいくつか存在することから、厳密には本作特有のものとは言い難い。

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しかし、スクランブル交差点などの著名なスポットに限らず、ビルなどの建物につけられた看板にロゴが一部、本物として描かれているなど、現実を忠実に再現した渋谷に仕上げられているのは本作特有のものと言えるだろう。

「TSUTAYA」、「モスバーガー」、「サロンパス」「大黒屋」といった見慣れた看板がそのまま、デカデカと出てくるのだ。おかげで現実感も高く、現実の渋谷を歩き回っているかのような気持ちに浸れる。

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▲新型コロナウイルスの感染拡大が騒がれた時期が脳裏をよぎる……

夜の渋谷が舞台で、昼間がないというのも本作だけの個性だ。

夜だからこそ、一連の看板やロゴも目につきやすいし、色鮮やかな街としての印象も際立つ。「魔法緊急事態宣言」で外出自粛が呼びかけられている状況ゆえ、人通りもまばらなのも街中を行動しやすい設定の妙になっており、抑圧と解放をテーマに掲げた本作ならではの個性になっている。

いっぽう、全エリアが地続きで繋がっておらず、エリアごとに区分けられた構造は正直、惜しい。だが、そのような形でも看板やロゴ込みで渋谷を忠実に再現したのは素晴らしく、気合を感じさせられる仕上がりだ。そうした舞台で魔法を使う者、時にはモンスターが戦う設定も異彩を放っていて、どことなくカオスな世界を作り出している。

このような見所を持つがゆえ、本作はトガりのあるゲームを求めている思いが強いほど刺さりやすい。また、システム周りが個性を強調しているがゆえ、2000年代前半の3Dアクションゲームを楽しんだ世代にも懐かしい気持ちを思い起こさせる。

一連の特徴と見所に、どことなく懐かしいものを感じたり、他とは違った体験が楽しめそうと思えたのなら、ぜひプレイしてみていただきたいところである。きっといい感じに刺さるはずだ。

“ギラギラ”なりの粗っぽさもあるが、紛れもなく唯一無二と言い切れる意欲作
しかし、個性を出し過ぎた反動も散見される。筆者が特に引っ掛かりを覚えたのは、戦闘時におけるロックオンとカメラ。敵に狙いをつけても、カメラがその対象を捉えて追従してくれないため、複数体を相手にする戦闘ほど見失いやすくなる。

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▲こういう場所で戦闘になると凄く厄介なことに。

また、狭いフィールドが舞台の戦闘だと、カメラが端の壁や天井に当たってプレイヤーキャラクターに急接近し、周囲が見えにくくなってしまう。逆に広いフィールドだとそうなりにくいことから、あえて狭いフィールド限定で戦闘が発生しない配慮があってもよかったように思う。

この種のカメラが急接近するケースは、3Dアクションゲームだとよく見られるものだが、本作の場合は狭いフィールドでも戦闘が発生する仕組みにしたことが課題を生んでしまっている印象だ。

また、難易度も回復アイテムが高頻度で手に入るため、ボスなどの強敵を相手にする場面では力で押し切るのが最適解になってしまっている一面がある。よりシビアな戦いを求めている方は、回復アイテムの使用を制限して楽しむこともおススメだ。

いくつか気になる点を挙げたが、カメラワークに中盤以降のボス戦など、一部はアップデートで調整が入った箇所もある。また、ストーリーに関しても本作は今後、追加エピソードの配信が数回に渡り、無料で実施されることになっている。

そのことから、前述した課題の数々も時間が経つ頃には過去の話題になっている可能性はある。今後の調整にも心から期待したい。

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▲回復アイテムは、かなり多く手に入る。アクションゲームが苦手だが、世界観や作風に関心がある方にとって遊び易くなっているだろう。

ただ、渋谷を舞台に多数の勢力が異なる思惑をもって行動してぶつかり合い、混沌とした展開を見せていく過程はつい、行く末が気になって進めたくなる面白さがある。

そして、キャラクターたちは敵も味方もそれぞれ、特徴的な性格付けがされているのもあって印象に残りやすい。中でも主人公のひとり、真凛は清々しいほど中二病全開に加え、知らないことでも意地を張って「知ってた」と返す態度が可愛らしい。

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▲何度も聞くたび、「本当かよ?」とツッコみたくなってくる真凛のセリフ「知ってた」

佐理も真凛より年上の“お姉さん”であるゆえのやり取りがストーリー後半に存在。特定の人なら思わずニヤリとしてしまうはずである。

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▲念のためだが、回避吸収を成功させた図である。

2人の脇を固めるキャラクターも個性的。中でも「回避吸収」を決めるたび、スマホを取り出して自撮りを決める深町最愛(ふかまちもあ)は、メイン武器がハンマーで、解放時に性格(声)まで変わるという点でインパクト十分。

だが、色んな意味で本作、強烈なインパクトを残すであろうキャラクターは、佐理が所属する組織「M.E.A(メア)」の隊長、海藤無限(かいどうむげん)だろう。

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▲若本節全開(いや、フルスロットル?)な喋りで強烈な印象を残す海藤

なぜかって、彼を演じるのが若本規夫さんですから。インパクトを残す意味、お分かりいただけるかと思います、はい。(だいぶクセが凄いことから、好みが分かれやすくもある)

言うなれば、本作はいくつかの「人を選ぶ要素」がある。しかしながら、フーディシステムを筆頭とする“ギラギラ”とした個性は変わることなく、本作の象徴としてあり続けるだろう。

小さな見所になるが、アクション周りの操作感もよく、快適なテンポで攻撃からモードの切り替えが実践できる。ボリュームもエンディングまで大体25時間ほどだが、サブクエストなどの攻略を含めると倍増する。

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▲新たなスキルなどが手に入るストリートアート「ウィザート」を探し出す要素も

それでいて、ひとつのChapterに要する時間が短く(その分、用意されたChapterの数が多い)、止め時が作りやすいという強みもある。今回、プレイしたPS5版ではフレームレートは60fpsを維持。エリア間の切り替えで発生するロードも高速ゆえに快適だ。

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粗削りで人を選ぶ要素もあるが、システム周りの個性の強さも相まって、唯一無二の味が出ている本作。少しトガった感じのアクションゲームを楽しみたい、2000年代前半に誕生した3Dアクションゲームの思い出が色濃く残っている人ほど、遊んでみていただきたい意欲作だ。現実味のある渋谷で非現実的な戦いを繰り広げ、ギラギラな己の力を解き放て。

ライター
新旧構わず、色々ゲームに手を伸ばしては積み上げるひよっこライター。アクションゲーム(特に『メトロイド』、『ロックマン』)とストラテジーが大好物。フリーゲーム、VRゲームの動向もひっそり追いかけ続けている。
Twitter:@shelloop
編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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