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『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』がいよいよ11月21日に発売。オープンワールドでは様々なサイドミッションが発生、繰り返しプレイすることで明らかになる物語の全貌とは

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チョルノービリ原子力発電所で発生した爆発事故の影響で、立ち入り禁止となったゾーンを舞台にしたシリーズの『S.T.A.L.K.E.R.』。その最新作である『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』が、いよいよ11月21日に発売されることとなった。

最初に本作が発表されたのは2010年。発売までの約14年間でゲーム開発や遊ぶための環境も大きく進化を遂げ、もちろん本作も最新の作品としても全く見劣りしない出来映えに仕上げられている。

『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』先行プレイ感想:繰り返しプレイすることで明らかになる_001

リリースに先駆けて、今年の7月に本作の開発陣を招いたメディア向けの体験会が行われた。そのときの試遊とインタビューについては、すでに別の記事でご紹介している通りだ。試遊については主にチュートリアルの範囲についてご紹介してきたが、その後のオープンワールド部分についてはあまり触れていなかった。

 

また、体験会ではディープダイブビデオの映像を見ながら開発陣が本作を解説するシーンも。本映像は8月にYouTubeで公開されたものだ。

試遊で遊べたオープンワールドの範囲はわずかとなってしまったものの、ディープダイブビデオの解説内容とあわせて、本作のオープンワールド部分にフォーカスしてご紹介していく。

取材・文/高島おしゃむ
編集/anymo


人々の会話から新たなサイドミッションが発生

チュートリアルは、指定された3つのポイントでスキャンを行うというもの。しかしラストの場面では捕まってしまい、それまで所有した銃やスキャナー、アーティファクトなどを手にしたものをほとんど奪われ、オープンワールドに放り出されるところからスタートするのだ。この時点で手元に残っていたのは、必要最低限のハンドガンのみだ。

オープンワールドに出たあとは、自分で探索する場所も決めていかなくてはならない。何はともあれ探索を進めていかなくてはいけないと思い歩き出し、真っ先に目に入ってきたのが小さめの建物であった。その中に入ると、男性の姿を発見。彼と会話を進めていくと、このゲームで初めてサブミッションが発生した。

本作ではメインのストーリーとは別に、このように会話をすることでサブミッションがどんどん発生していくようだ。最初に受けることになったサブミッションは、近場で済ますことができるライトなものだった。

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サブミッションを受けた場所から少しだけ進んだところに、何やら軍隊の施設のようなものがあることを発見。武器を隠してその中に入ってみると、なんと大勢の人々がいた。ここにいる多くの人々彼と会話を交わしていくことで、新たなミッションが発生するようだ。

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ちなみに、本作では1回のプレイではストーリーの全容を理解することはできない。用意されているタイムラインもひとつだけではないため、何度も繰り返してプレイする必要があるのだ。毎回新たな場所を探索するなど、異なる行動をとっていくことで全く新しい体験が待っているようだ。

開発陣がビデオとともに作品世界を解説。音声ログを辿ってこの世界に起きたことを解き明かす

今回ディープダイブビデオの解説をしてくれたのは、別記事のインタビューでも登場した『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』のマーケティング・プロデューサーであるVlad Novikov氏とテクニカル・プロデューサーのEugen Kulik氏だ。映像には、プレイ開始から20時間ほど経ったあたりの世界が登場する。

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写真左からテクニカル・プロデューサーのEugen Kulikと、マーケティング・プロデューサーのVlad Novikov氏。

最初に紹介されたのは、シリーズ2作目の『S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky』のロケーションとしても登場した農地だ。

この世界には「アノマリー」と呼ばれる不思議な空間が存在している。触れてしまうと炎や竜巻が発生するなど危険なポイントなのだが、普段は見えづらくなっている。そこで、怪しいポイントにボルトを投げ込むことで場所を特定して避けることができるようになっているのだ。

ちなみに、こうしたアノマリーがある場所には様々な効果を発揮する不思議な物質アーティファクトを見つけることができる。アーティファクトがある場所は、探知機で簡単に探すことが可能だ。アノマリー自体はやっかいな存在だが、アーティファクトは貴重なため危険を冒してでも手に入れたいアイテムである。

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手に持っているボルトを空気が揺らいでいる場所に投げつけることで、炎のアノマリーの場所を特定することができる。

チュートリアルでも3ヵ所でスキャンを行うというものがあったが、オープンワールドになった後のミッションでも、これがスケールアップした「3ヵ所にあるジェネレーターを止める」といったものが用意されている。ただし、スケール自体は大幅にアップしている印象だ。

ひとつ目のジェネレーターはすぐに見つけ出すことができるのだが、残りのふたつに関してはしっかりと探索をしなければならない。道中にはかなり危険な場所も含まれおり、なかでもやっかいなのが複数で現れる敵だ。自分自身の幻影を見せながら襲い掛かってくるため、その中から本体を見つけて倒さなければならないようだ。

様々な場所を探索しているときに、すでに絶滅したはずの派閥であるClear skyの音声ログを見つけることができる。こうして記録された音声ログを聞くことにより、物語の最初からこれまでの間に、一体何が起きたのか解明することに役立たせることができるのだ。

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こうした音声ログ自体は、1ヵ所のみならず他の場所でも見つけることができるようなので、いろいろと探してみることでこの世界のことをより深く知ることができるだろう。

『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』では、単純にマップが広くなったというだけではなく、オリジナルの3部作では閉鎖されていたロケーションや入れなかった建物などにもアクセスができるようになった。そのなかのひとつが、教会の地下だ。

こうした場所はトラップなどが仕掛けられていることもあり、すこしの油断が命取りになってしまうこともある。また、人が居ないはずの場所で、なぜか不気味な叫び声が聞こえてくるなんてこともあるのだ。声の主は一体誰なのかと思ったら、実は人の声をまねてストーカーたちをおびき寄せ、罠に誘導しようとしているなんともミュータントがいるのである。

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先述の「幻影」のような技を使う敵のほかに、自身が戦闘に加わるというよりも、ゾンビたちを操って戦闘を仕掛けてくるといった知能的な戦い方をするものも存在する。すべてのゾンビを倒すのはかなり大変なので、できるだけ早く戦闘を終わらせたいときはそれを操っているミュータント(コントローラー)を見つけて倒すのが手っ取り早い。

この後ディープダイブビデオでは、嵐が吹き荒れシェルターに逃げ遅れたオープンワールド内にいる全員が死亡してしまうというシーンが流される。そして、神秘的な声が聞こえてくるのだが、その声の主が判明するのは、さらに数ヵ月後の話である──という、このあとの物語が気になるところで終わりとなった。

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これは余談だが、今回のイベントでは参加者たちにゲーム内に登場するエナジードリンクの『NON STOP』を再現したものが配られた。こちらは、ゲーム内のチュートリアルでも見つけることができるアイテムだが、広いマップ内を移動していると体力を消耗してしまうため、こうした「NON STOP」などのアイテムを飲んでおくことは重要だ。

また、さまざまな場所を探索するには、出かける前の準備も重要である。必要十分な量の医薬品を持たずに出かけてしまうと、そのまま死に繋がる可能性も。この世界の生き方も、ゲームを進めていくうちにひとつひとつ学んでいくことができるだろう。

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こちらはリアルでもらったエナジードリンクの『NON STOP』だが、ゲーム内にも同じものが登場する。

 


ということで、これまで2回に分けて『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』についてご紹介してきた。一部のみの紹介となったが、実際にゲームプレイすることで、新たな発見や体験ができるだろう。

ストーリー自体も何度も繰り返し遊べるような作りになっているとのことで、徐々に明らかになる物語にも期待が高まる。ゲーム序盤をプレイしただけでも、作品世界の丁寧な作り込みが感じられた。発売はいよいよ11月21日。待ち侘びていたファンの方はもちろん、本作に興味のある方もぜひチェックしてほしい。

ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。
編集者
3D酔いに全敗の神奈川生まれ99’s。好きなゲームは『ベヨネッタ』『ロリポップチェーンソー』『RUINER』。好きな酔い止めはアネロンニスキャップとNAVAMET。
Twitter:@d0ntcry4nym0re

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