「『マジック:ザ・ギャザリング』(以下、『マジック』)の公式イベントのお誘いが来てるんですが――。」
編集部からそんな話があがったとき、筆者はメッセージを二度見せざるを得ませんでした。
2023年の11月に『マジック』の世界に飛び込んだばかりなのに、翌24年8月にはモフモフセット「ブルームバロウ」の魅力を語り、つい先日には(筆者は直接関わっていないものの)新カードの先行公開までしてしまった。その矢先のイベント招待……。
いや、筆者プレイ歴ギリギリ1年だし、そもそも多人数戦メインなんですけど……!?
個人としてもメディアとしても、話の展開が早すぎる。一体全体どういう風の吹き回しだろうと思っていると、どうやら今度リリースされる新セット「ファウンデーションズ」は初心者プレイヤーをメインターゲットに据えた製品なのだそう。
今回のイベント「Magic Creator Summit 2024(マジック クリエイター・サミット 2024)」も『ファウンデーションズ』をきっかけに『マジック』を知ってほしいという思いを持って開催されているようで、既存プレイヤーだけでなく、復帰プレイヤーや普段別のカードゲームを遊ぶプレイヤー、全くの初心者ユーザーなど様々な人たちが集結していたのが印象的。
なお、筆者は多人数戦をメインにプレイしているため、(遊び方がわかるとはいえ)今回の1対1フォーマットはめちゃくちゃに初心者。「デッキ構築なんもわかんねー!」そんな状態で参戦したのですが、対戦に設けられた6時間がマジの一瞬で終わってしまい……。“出来ることならお家に帰りたくない!”と思うほどに名残惜しい、最高に楽しいイベントでした。
本記事はそんなイベントの体験レポート! この記事で、初心者でものめり込めるくらい面白い『マジック』の世界に少しでも触れていただければ幸いです。
適当に買ったパックを剥くだけで遊べるルールがあるって本当ですか!? そのルールの名は「リミテッド」!
本イベントで我々が遊んだのは「ジャンプスタート」と「プレリリース・パック」を利用したリミテッド・フォーマット。『マジック』をプレイしたことがなければ、知らないワードだらけだとは思うのですが、要するに「パックをその場で開封して戦う」ことが特徴的なフォーマット(ルール)です。
リミテッド・フォーマットの中にもいくつか遊び方があり、今回はその中でも自分で開封したパックだけで戦うシールド戦。まず使用したのは「ジャンプスタート」と呼ばれるもので、こちらはふたつのパックを剥くだけでデッキが完成してしまうという超お手軽な製品となっています。
パックを開封すると全46種類のテーマが設定されたデッキ(の半分)がランダムで出現します。このランダム性によって、『マジック』プレイ経験の有無を問わずに毎回違ったプレイ体験を得られるという、超画期的で面白味のあるセットなのです。
今回筆者のパックから出現したのは、白の「エンチャントの力」テーマと緑の「上陸」テーマ。
残念ながら完璧に嚙み合うシナジーを持ったデッキにはなりませんでしたが、デッキさえ組めてしまえば、カード運とプレイング次第で経験者とも渡り合えるのがリミテッド戦の面白さ。経験者と同じ土俵に立つことができるだけでなく、コミュニケーションツールとして教えを乞うことまで出来るのもまた魅力的ですよね。
軽くジャンプスタートを楽しんだ後は、「プレリリース・パック」と呼ばれる、発売前のイベントで使う商品を用いた遊び「シールド戦」に挑戦しました。このシールド戦では、お互いのプレイヤーが6つのパックを開封してデッキを作ります。
2パックをそのまま混ぜ合わせるジャンプスタートよりもデッキ構築の自由度は高くなり、当然ですが複雑性も増します。1パックにつき15枚のカードが6パックあるので、カードの選択肢は実に90枚。
わかるかー!!!!
明らかに枚数が足りなさそうな色を抜いてもこの分量になってしまうので、初心者の自分からすると正直なんのこっちゃわかりません。
今回は、最高レアリティのカードを4枚も手に入れることが出来たので、これを使っていきたいところ。でも、どれが強いかとか、どれが使いやすいかとか、全然わからない。
でもご安心を。『マジック』の既存プレイヤーは常に新規層に飢えて……いや、新規層を歓迎してくれるので、話しかける勇気さえあれば大抵のことは教えてくれます。あったけー。
同卓した別メディアの方や、ウィザーズの方に教えてもらいながら唸ること数十分、ついに自分だけのデッキが完成!!! 成績は6戦3勝と筆者的には悪くない結果になりました。「土地以外のカードは23枚にしよう」とか「マナコストの配分のしかた」とか、経験者のみなさんがマジでなんでも教えてくれるので頭が上がりませんでした。
教えていただいた方々には、この場を借りてお礼申し上げます。なお、プレリリースにおけるデッキ構築のやりかたについては『マジック』公式の記事でも紹介されています。事前にリサーチしておきたい方や、より専門的な内容に踏み込みたい方は参照してみるといいでしょう。
なお今回のシールドで筆者が使用したデッキは、《群れの統率者アジャニ》と《ビビアン・リード》をメインに据えたダブル・プレインズウォーカーな白緑デッキ。デッキが完成した瞬間はやはりうれしい。
「これが俺のデッキかぁ!」みたいな高揚感に包まれました。
日本人アーティストが描く、“癖(へき)”の詰まった『マジック』のカードも必見!
『マジック』といえば注目したいのが、やっぱりカードを彩る美麗なイラストの数々。なかでも日本人アーティストが描く「癖(へき)」の詰まったカードたちにも注目です。
日本人アーティストが手掛けたイラストの施されたカードは世界的にも人気が高いようで、近年のセットでは沢山の日本人アーティストが起用されています。新規ユーザーが始める意欲になればうれしいし、既存プレイヤーもうれしい。いいことづくめじゃないですか!
大人向けパックである「コレクター・ブースター」向けに収録されるジャパン・ショーケース版の《熟慮》や《倍増の季節》といったカードたちを見れば、その“ガチ度”が伺えます……よね?
う、美しい……。
ちなみに「コレクター・ブースター」に限らず、記事序盤で筆者が遊んでいた「ジャンプスタート・ブースター」でも《略奪総督、エヴェレス》や、《幻術士、ポル・ジャマール》といった“アニメ”なカードが出現します。『マジック』はじめて学びながらコレクションできちゃうってこと!?
筆者だけでなく、同卓の人もそれなりに日本人アーティストによるカードを引けていたことを考えると、本当に出会いやすい。こういうの! こういうのでいいの! ありがとうウィザーズさん!
入門用にも布教用にもうってつけ! これを選んどけば間違いない(かもしれない)製品「ビギナー・ボックス」と「Starter Collection」
リミテッドが楽しくて、我々にもなじみやすいアートワーク……だけで終わらないのが『マジック:ザ・ギャザリング』というゲームであり、このセットの魅力です。
もちろん、スタンダードとよばれるメインのフォーマットで通常3年のところ5年も使える! とか、わかりやすい文章で普通に強いカードが新録・再録されている! とかあるわけですが、なによりもお伝えしたいのがサポートが手厚すぎるというところ。基本セット的な位置づけのためか、初心者に向けた熱い製品がいくつも存在しているんですよね。
まずは『マジック』の遊び方が簡単に学べちゃう製品「ビギナー・ボックス」。たしかに、こういうのがあるとわかりやすいよね。うんうん。
そして、汎用カードが350枚以上“固定”収録されて、基本土地95枚とおまけで「プレイ・ブースター」3パックとライフカウンターまでついてきちゃうバケモノみたいな『Starter Collection』が登場します。
汎用カード350枚と基本土地95枚!?!?
公式からのエールが分厚すぎる。何をどう企画したら汎用カードをそんなに収録できるんだ、マジで。
さらに、この記事が公開されているであろうころには、発売前のカードで遊ぶ「プレリリース」イベントが開催されているはず! パックから出てきたカードはそのまま持ち帰れるので、プレイもカードコレクションも発売前にできちゃうという“行き得”すぎるイベントなんですよね。なので、新規カードを求めてプレリリースに何回も参加する猛者や、キットだけ買い集める人たちもいるとかいないとか。
しかも、今回は正式リリース前のプレリリース期間中に、全製品が購入可能。
全製品が購入可能!?
なにかのバグ……?
発売日と何が違うんだい! 教えてくれよ! となったかたも多いはず。わかる。
実は、プレリリースイベントはWPN加盟店と呼ばれる“ウィザーズ公認”のカードショップで開催されています。発売前に全品購入可能なのもこのWPN加盟店のみということなんですね。
発売前に最新セットを遊びたい人は、WPN加盟店に急げ!!!
WPN加盟店は日本各地に存在しています。お近くの店舗をお探しの方は、公式サイトで検索してみてください。
『マジック:ザ・ギャザリング』の新セット『ファウンデーションズ』は、2024年11月15日リリース予定。『MTGアリーナ』では、11月13日のリリースが予定されています。
あ、ちなみに。おみやげで頂いた大人向けパック「コレクター・ブースター」からは、『ファウンデーションズ』のなかでも屈指の注目カード「七つの死の種父」をゲットすることが出来ました。日頃から得を積んでいた恩恵ですね、間違いない。