【注意】
※本稿には、新クトゥルフ神話TRPGシナリオ『チャイルド・リプレイ』のネタバレが含まれます。プレイヤーとして遊びたい方はご注意下さい!
最近忙しすぎて友達との飲み会もすっかりご無沙汰。かといって休日も何かをするでもなく、ずっと寝てる……そんなしんどさを抱えている大人の皆様!
「せめて仲のいい友人たちと、飲み会ロールプレイで気晴らしをしたい」とか思ったそこのあなた!
「子どものころって何であんなに時間が有り余ってたんだろうな~」などと、久々に出会った友人たちと語り合いたいそこのあなた!
できます。TRPGなら。
できます、『チャイルド・リプレイ』なら!

そのうえ童心にかえって深夜のお屋敷を探索しつつ、ついでにちょっとしたエモさも味わえちゃう、2~3時間の短編シナリオ。
それが、2025年2月21日にリリースされた新クトゥルフ神話TRPG“七伏市奇譚”シリーズからの新作、『チャイルド・リプレイ』です。
『殺戮の天使』で知られる真田まこと氏が原案を務めている『チャイルド・リプレイ』。本稿では、『チャイルド・リプレイ』の概要や序盤の流れ、特徴的なギミックなどを紹介しつつ、実際に遊んだプレイヤーおよびキーパーの感想も交えて、本シナリオの魅力を紹介していきます。イラストも適宜交えて紹介していくので、ぜひ最後までご覧ください!
なお、冒頭でも注意書きをさせていただきましたが、「シナリオを紹介する」という内容となっているため、シナリオのネタバレが頻出します。キーパーとして購入を検討されている方はともかく、プレイヤーとして参加を予定されている方はご注意ください。ご自身の参加しているプレイグループ(卓)へのご配慮もお願いしますね。
※この記事は『チャイルド・リプレイ』をもっと知ってもらいたいKADOKAWAさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
そもそも「新クトゥルフ神話TRPGって何?」という人向けに、さらっとおさらい
具体的にゲームの話をする前に、まずはTRPGがどういうものなのか、そしてクトゥルフ神話TRPGとはどのような遊びが楽しめるのかの説明をしておきましょう。
そもそもTRPGとは、テーブルトーク・ロールプレイング・ゲームを略した言葉であり、おもに複数人で遊ぶ対話型ゲームジャンルを指します。
ゲーム進行役が状況の説明や管理をしつつ、プレイヤー数人が進行役の発言内容をもとにキャラクターを操作して遊ぶ形式が一般的です。昨今では動画や生配信でTRPGを観る方も多いのではないでしょうか。
新クトゥルフ神話TRPGとは、探索者が恐るべきクトゥルフ神話の脅威に立ち向かう、神秘と恐怖のTRPG。ホラーゲームの主人公になったように楽しめる、一度きりの物語体験が魅力といえます。
アメリカの作家H・P・ラヴクラフトをはじめとする複数の作家たちが作り上げた、架空の神々やいくつもの恐怖譚を下敷きとした「クトゥルフ神話」という世界観でゲームを遊ぶことができます。

新クトゥルフ神話TRPGのおもしろさは、なんといっても「恐怖を感じられる」こと 。
クトゥルフ神話はホラー大好きな人にはたまらない世界観です。とはいえ、小説だと「しょせん他人事ですわ」と一歩引いた見方になってしまう人でも、TRPGなら「クトゥルフ神話が実際に存在する世界の住人」としてプレイをしていくことになります。
そのため、おぞましくも魅力的なクトゥルフ・ワールドに没入しつつ、ゲームを楽しむことができます。小さな事件を追ううち、闇に蠢く邪神の存在を感じ取り、やがて真相を知る。果たして自分の分身である探索者は、無事に生還できるのか ?!
……こういった物語を臨場感たっぷりに遊べます。
TRPGではダイスによる“不確実さ”も楽しさの一因を担っています。ダイスの結果に一喜一憂し、幸運を味方につけ、不運をひっくり返そうとあがくのがTRPGの楽しさ。
クトゥルフ神話TRPGですと、「SAN値」(正気度)なるステータスもありますからね! ダイスの出目でゴリッと正気が削れてハラハラするのも楽しい!
最近では思い入れを込めたキャラを作り「エモみ」を味わうシナリオも増えています。
今回ご紹介する『チャイルド・リプレイ』も、エモさが堪能できる作品のひとつでしょう。
『殺戮の天使』作者によるシナリオ『チャイルド・リプレイ』を実際に遊んでわかったこと。「思い出ダイス」、これ発明では?
いよいよ、本題である『チャイルド・リプレイ』について紹介していきましょう。
『チャイルド・リプレイ』は探索型ホラーゲーム『殺戮の天使』の作者・真田まこと氏が原案を手掛け、クトゥルフ神話TRPG公式ライター「アーカム・メンバーズ」の皐月野鷽(さつきの うそ)氏がシナリオ化を担当。探索者3~4人向け、想定プレイ時間2時間程度の短編シナリオです。
あの『殺戮の天使』の作者が原案ですってよ! ダークな設定の中に、個性豊かな主人公ふたりが危うい協力関係を育みつつ窮地を切り抜け、いつしか唯一無二の関係性になるという『殺戮の天使』。
マンガやアニメを知る世代の人は「うおお!?」と声が出るかもしれません。同タイトルのゲームを遊んだ世代の人にも直撃するでしょう(ネタバレ配慮しつつの説明ですみません)。

そんな作者の特色に加え、しっかりクトゥルフ神話要素も取り入れた『チャイルド・リプレイ』。「短時間で遊べる=薄い内容」と思う人がいるかもしれませんが、それは大間違い。NPCのキャラづけや背景もきちんと作られており、情緒的な部分もギュッと詰まっています。
シナリオデータにはオンラインセッション支援ツール「ココフォリア」用の部屋素材が付随していますので、雰囲気のあるオンラインセッションを手軽に始められます。キーパーにも優しい! 人形モチーフのお洒落な素材デザインが、シナリオのダークな雰囲気を伝えてくれます。

ちなみに、本シナリオは「新クトゥルフ神話TRPG ショート×ショート “七伏市奇譚”」と名付けられたシナリオブランドの一作でもあり、ブランド内では架空の町・七伏市を舞台として、さまざまな短編シナリオが展開されています。

そんな『チャイルド・リプレイ』の物語はある年の夏、探索者たちが同窓会を楽しんでいる場面から始まります。この同窓会のなかで、探索者たちはかつて通っていた小学校時代の思い出をアレコレと振り返っていくことになります。
とは言え、いきなりキャラクターの「子どものころの思い出」を語れ、と言われてスルスルと口から出まかせができる人もそう多くはないでしょう。本シナリオには、そういった方でも安心してお話を繰り広げるためのギミックが存在しています。その名も「思い出ダイス」。
1D6(いわゆる六面体のサイコロ)を振り、出た目に応じたテーマをお題として語っていきます。出目の内容は、
1 :「今の昼食事情」と「給食・おやつの思い出」
2 :「今欲しいもの」と「子供のころ欲しかったおもちゃ」
などなど、現在と過去を対比するような内容となっていますので、プレイヤーとしても思い付きやすいところからしゃべり始めるうちに自分のキャラをつかみ、自然とロールプレイをできるようになっています。
ちなみに、ここでの思い出話は単なるフレーバーや余興ではなく、のちにシナリオ内で登場し探索者たちに影響を与えるものです。ですので、キーパーはしっかりと耳を澄ませ、暇を見つけてメモを取っておきましょう。
キャラクターたちは同窓会参加という設定上、同年代となるので、昔話も世代の色が出るでしょう。即興で過去バナを盛るのが楽しすぎる……!
そんな愉快な冒頭シーンが終わると、友人NPCの誘いにより舞台は「黄昏の人形館」へと移ります。美しく怪しげな人形館を訪問する時の、お化け屋敷に侵入するかのような不穏な雰囲気。
か~ら~の! 急転直下。人形館で気を失った探索者たちは、思いがけない窮地に陥るのでした……。
