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シリーズ最新作『ダイイングライト:ザ・ビースト』は伝家の宝刀ドロップキックが健在!ゾンビ世界で一番キマるもの、それはもちろん“ドロップキック”だ。己の全霊を込めた一撃で、今こそゾンビどもを薙ぎ払え!【先行プレイレビュー】

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「ファストトラベル」なんてヌルいものはない。男ならパルクールだ。作り込みがハンパないぜ

ここまでお読みいただいたみなさんには、まるで私があらゆるものをドロップキックで片付けようとするネアンデルタール人に見えたかもしれないが、それは誤解だ。

ぶっちゃけて言うと、ゾンビの脅威から逃れたい場合は「戦わずに壁を登って移動する」といった方法が一番手っ取り早い。なぜなら、雑魚ゾンビの群れは高低差に弱いからだ。そしてそれこそが本作の最大の特徴である「パルクール」だ。

筆者はそのための繋ぎとして、ドロップキックを使うことも多い。いったんゾンビどもを蹴散らし、しかる後に逃走に入るのだ。

本作のパルクールアクションはシリーズで積み重ねられた開発者たちのノウハウと経験値がしっかりと積み重ねられており、自由度が非常に高い。

「これ掴めるかな?」と思えるでっぱりは大体掴んで登ることができるし、壁走りやよじ登り、壁をキックしての移動など、行こうと思えば大抵の場所に登っていけるのが特徴のひとつ。

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作中のメインクエストや安全地帯を解放するためのサイドミッションでは、時計塔や建物の頂上を目指すものも多数用意されている。

もちろんそうした目立つ場所もクライミングやパルクールを駆使して目指すことになるのだが、他の場所に比べると「次にどこに行けばよいのか、視覚的にわかりやすくなっている」という点が特徴的だ。

次にジャンプして向かう場所は布が風にはためいていたり、鳥のフンなどがついて白くなっている場合が多い。目印が明確なので、「どこに行けばいい」と悩むことが少ないのであまりストレスがなかった。

ただ、これは本作のパルクールの自由度が高すぎる弊害なのだろうか。ジャンプして次の「掴みポイント」に向かう方向を間違えると容易に転落、すみやかな死が待っている
これに関しては、向かうべき方向にカイルが手を伸ばすのでそれを目安にすることと、「一気に駆け抜ける!」という勢いが大事だ。

また、スキルポイントを用いれば落下時のダメージを軽減できる受け身的なスキルも解放できる。

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なお、本作は自在にパルクールできるゲームではあるが、筆者が確認した限りでは「ファストトラベル機能」は存在しなかった。「今時、なんて硬派なんだ……」と最初は思ったが、不思議と苦ではない。

森や洞窟、町や時計塔など、さまざまなロケーションでゾンビやクリーチャーどもが手ぐすね引いて待ち構えており、「次はどうやって進もうか」とパルクールのルートをどのように設定するかアドリブで考えながら進んでいると、意外と飽きないものなのだ。

しかしながら、本作は「パルクールし続けるのきっちぃな~」と思う人に向けてか、車両が各地に配置されている。車は燃料を補給することで走行可能で、ゾンビを轢き倒すのにも最適。目的地までの矢印まで丁寧に表示されるので楽々と現場付近まで行くことができる。

全てを薙ぎ倒すビーストモードが超爽快

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冒頭にて、本作の主人公カイルは「半分獣・半分人間」という特殊な状態であることを説明したが、これはゲームシステムにも影響を及ぼしている。

本作のもうひとつの特徴として、ゾンビを倒していると、とあるゲージが溜まるようになっている。
ゲージがマックスまで溜まるとカイルは自動的に「ビーストモード」へと移行し、敵の攻撃をほとんど受けない状態となり、移動速度も飛躍的に上昇。一時的にではあるが、ほぼ無敵の状態で敵を一網打尽にすることができるようになるのだ。

そしてこれがまぁなんとも爽快。チマチマとスタミナを管理する必要も一切なくなり、ゲージが尽きるまで素手で敵をぶん殴り続けることができるのだ。群がるゾンビどもを思う存分タコ殴りにしてしまえる。

襲い来るキメラを倒して新たなスキルを解放

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リーパー
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不具合
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ミスト

本作には、いわゆるボス敵となる特殊な個体「キメラ」も複数登場する。
今回のテストプレイで戦えたボス(キメラ)は、上記の合計3体だ。

ガスマスクを装着し、単純な突進攻撃を得意とする「リーパー」
弱点が露出しており、動きは遅いが凄まじいパワーを持つ「不具合」
一時的に姿を消し、遠くから液体を噴射してくる「ミスト」など。
それぞれが異なる特徴を有しており、一筋縄ではいかない。

これらのキメラを倒すと、ビーストモードに変化している時に使用する専用技「ビーストスキル」を習得するためのポイントが獲得できる。

ビーストスキルは、一例として地面をすさまじい勢いで叩きつけた衝撃波でゾンビを一掃するスキルや、巨大なオブジェクトを掴み、敵に向かってぶん投げるスキルなどが存在する。ハルクなのかな?

素材を集めて武器を強化・修理・クラフトしよう

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本作にはハクスラ的な要素もあり、レア度付きの武器や防具、消耗品などが存在する。こうした装備は、ゾンビを倒した際に手に入る素材や、各地に点在する素材をからクラフトすることも可能だ。

武器は片手に持つナタや鉄パイプ、ナイフ、斧のほか、両手に持って広範囲を薙ぐ大斧、鉄砲、弓矢など。クラフトできる装備には手りゅう弾や傷を治療する包帯などもあり、スキルを解放すれば火炎放射器までも作ることができるようだった。

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ゲームを進行させると、拠点での取引も解放される。ここでは頭、胴体、手、ズボン、足などの箇所に装備する防具や武器、消耗品、クラフト素材などが購入可能。ただし、銃弾などの貴重品はとても高価で、おそらく序盤では購入してもすぐに使い切ってしまう価格設定だ。

先述したとおり、銃弾は救助対象を助け出すことで手に入ることが多いので、率先して助けてあげたいところ。間違っても、ドロップキックの餌食にはしないであげてほしい。

ちなみに、このカイルが装備できる防具はすべて見た目が変更される。本作は4人までのマルチプレイにも対応しているので、見た目で個性を出すのも一興だ。

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また、テストプレイ版の最後には「グラップリングフックが必要」と書かれたクエストが登場した。これは前作にも登場していた便利ツールだが、筆者がディレクターにインタビューしてみたところ「これまでとは異なる、ほかの使い道がある」とのこと。

内容が気になった方は、ぜひ実際に製品版で確かめてみてほしい。


待望の『ダイイングライト』の新作は、たった数時間触っただけでも筆者の期待を裏切らない内容となっていた。

相変わらずぶちかませるドロップキック、最高に自由度の高いパルクールアクション。
そして、終末世界に生きる人々の重厚なストーリー。ゾンビの脅威に晒される人間たち。
その中でも、一時的に「ビースト」として最強の存在になれるカイルが良いアクセントになっている。

製品版ではさらに多くのキメラとの戦いが待ち受けており、幅広いスキルを習得し「カストールウッズ」で暴れまわれることを期待したい。

なお、弊誌では『ダイイングライト』シリーズのフランチャイズディレクターであるティモン・スメクタワ氏に直接新作のこだわりポイントについて聞いてみた記事も公開されているので、気になった方はぜひこちらも読んでみて欲しい。

『ダイイングライト:ザ・ビースト』は2025年8月22日に発売される予定だ。

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ライター
MOTHER2でひらがなを覚えてゲームと共に育つ。 国内外問わず、キャラメイクしたりシナリオが分岐するTRPGのようなゲームが好き。 Divinity: Original Sin 2の有志翻訳に参加。 ゴーストオブツシマの舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23
ライター
ル・グィンの小説とホラー映画を愛する半人前ライター。「ジルオール」に性癖を破壊され、「CivilizationⅥ」に生活を破壊されて育つ。熱いパッションの創作物を吸って生きながらえています。正気です。

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