「『Warframe』(ウォーフレーム)の魅力を語れ。でなければ帰れ」
そう、碇ゲンドウボイスで編集部に問われたときに、私は「できるわけないよほぉ‼‼」と咽び泣いた。
なぜなら、このゲームは2013年頃に配信されてから約10年以上の時を経て多数のアップデートを重ね、もはやひとつのジャンルでくくることすら難しい闇鍋カオス状態に。まさにひとつの「宇宙」を形成しているからだ。
それでも、確かに筆者は『Warframe』を遊び続けていた、なぜか。
その理由は、「そこに俺の宇宙があるからだ」と答えるしかない。
宇宙の魅力を語るのは難しい。何はともあれ、まずは『Warframe』がいったいなんなのかを説明せねばなるまい。
最初に私が『Warframe』に出会ったのは、衝撃的なキャッチコピーからであった

「ニンジャなら無料!」
筆者はそのクールなセリフに惹かれて、基本無料のオンラインアクションゲーム『Warframe』の世界へと足を踏み入れた。
ニンジャもびっくりなパルクールアクション、強化外骨格「Warframe」のバリエーションの豊かさ、複数用意されたオープンワールドでの探索…。本作に込められたコンテンツはとてもじゃないが三行では紹介しきれない。
気づけば数百、数千時間を溶かされて、すっかりとこの宇宙の虜となった。
そのプレイヤー数は、記事執筆時点で“8500万人”を超えており、いまだに大型アップデートが重ねられている。
なぜ『Warframe』はこれほどまでに私を惹きつけてやまないのか?
その理由を改めて考えてみる。
それは、このゲームが「自分の考えた最強の宇宙ニンジャになれるタイトルだから」だと思う。
本作は、プレイヤーが宇宙の平和を守る戦士「テンノ」として、強化外骨格「Warframe」を身にまとい銀河を駆け巡る協力プレイ主体のオンラインアクションゲームだ。「Warframe」は装着するだけで超人的な身体能力を獲得でき、ニンジャ的な高速立体機動が可能となる。
使用できる「Warframe」の種類は非常に豊富で、それぞれ固有のアビリティを持っている。通常時に入手できるものだけでも60種以上。限定のものもふくめると100体を超えており、どんどんアップデートで増えている。
その能力も実に多彩なのだが、一例として発光するレーザーブレードで戦うニンジャもいれば、透明化して戦うアンブッシュ系ニンジャもいるし、プレイヤーが作曲したBGMを戦闘中に流せる初音ミク系ニンジャや、死体を肉盾にし全ての攻撃を無効にするコワイニンジャ、怒れるブディストとしてダッシュで殴りに行くニンジャなどが登場する。強い、実際強い!
そしてキメ手は、プレイヤーが「Warframe」を自分好みの見た目にカスタマイズして、能力まで増強できてしまう点だ。
いざ宇宙ニンジャたちと戦場へ繰り出した時、そこは宇宙版のパリコレと化す。
「お、今日のWarframe良いねぇ」「かっこいいじゃん」「スキルは何使えるの?へぇ……無敵になれるんだ」と、ニンジャであれば言葉を交わさずとも戦う様を視ているだけでお互いを称えあえる。これが本当に楽しい。
まぁ、そこに至るまでに100日くらいかかったんだけどね。
……あっ、待って、逃げないで!
最近は、そんなこともないから!(多分)
初心者向けのチュートリアルミッションも実装されたから!わかりやすいから!(多分)
ということで、本稿では『Warframe』の楽しさをほんの少しだけ紹介したいと思う。
少しでも宇宙ニンジャの世界に興味を持ってもらえれば幸いだ。
なお、本作はPC(Steam、Epic Games、Windowsなど)、PS4、PS5、Nintendo Switch、iOS(モバイルも)、Xbox One、Xbox Series X/Sでクロスプレイが可能となっている。また、Android版も開発中だ。
文/TsushimaHiro
編集/うきゅう
※この記事は『Warframe』の魅力をもっと知ってもらいたいDigital Extremesさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
脳の処理が追いつかないほど速い「ニンジャ・パルクール」
まず、このゲームの根幹を成すアクション性について語らねばなるまい。
『Warframe』はTPS(三人称視点シューティング)の皮を被っているが、その実態は「超高速・立体機動・殲滅アクション」だ。
二段ジャンプ、壁走り、スライディングから放たれる高速移動「バレットジャンプ」を駆使して、テンノはマップを文字通り“飛ぶ”。「Warframe」の中には自身と周囲の味方のスピードを上昇させるタイプのものもおり、そいつがいるともはや移動速度が速すぎて脳の処理が追いつかないことすらある。しかも、ニンジャだからスタミナの概念は無い。
銃器を乱射しながら敵集団に突撃し、近接武器(刀、大剣、ハンマー、ムチ、トンファー、ガンブレードなど)を抜き放ち、敵を粉砕する。操作に慣れてくるとこの一連の動作があまりにも流麗で、あまりにも暴力的で、そして、あまりにも気持ちいい。
ザンッと敵の前に登場し、それぞれのWarframeが持つ固有のアビリティ(必殺技)で敵を一網打尽にする。この圧倒的な「俺TUEEE」感とスピード感がクセになる。
とはいえ、最初のうちは先輩テンノたちに置いてけぼりにされることもあると思う。(というか、ほとんどの場合はそうだ)その場合は、あせらず操作に慣れながらミッションを攻略していこう。
深すぎる“カスタマイズ沼”。武器を魔改造して120発の弾丸を1秒で撃ちきるバカマシンガンを作れる
『Warframe』は多彩なミッションをクリアして素材を獲得し、新たなWarframeや武器などを制作できるハクスラ的なゲームなのだが、その本質は「MOD(モッド)」と呼ばれる強化システムにある。
本作における「Warframe」や武器などの装備品は、入手した時点ではまだ“原石”に過ぎない。ミッションで手に入れた「MOD」を装備に装着することで、この性能を“魔改造”していける。
「MOD」の種類は「攻撃力を上昇させる」という単純なものから、「クリティカル率を上げる」「毒の状態異常を付与する」「命中したら爆発する」といった、さまざまなな種類のものがあるが、それらを組み合わせることによって「命中したら大爆発を起こして毒状態を付与するシュリケン」という複雑怪奇なシナジーを構築可能となっている。
正直にいうと、MODを組み合わせてビルドを考えるだけで一日が終わる。
初見で「これ弱いなぁ」と思うような武器でも、「MOD」の構成を突き詰めれば最高難度級の敵すら瞬時に溶かす魔物と化す。この無限の可能性こそが、『Warframe』の恐るべき“沼”の正体だ。
たとえば、ここに二丁のマシンガンがある。通常のMODを装着していない状態でも120発の弾を約3秒で撃ちきるという恐ろしい性能なのだが、これの“連射力”に手を加えると、いったいどうなってしまうのか?さっそくMODを装着して、連射力を強化してみよう。
これが
こうなる。
「ダダダダダ…」というマシンガンらしい発射音が、魔改造すると「ボラッ」で終わる。
おそらく、ナランチャが「エアロスミス」を使う時はこんな感覚だったのだろう。
上記の画像のように、自分が使い込みたい武器であればそれがしょぼしょぼの威力しかなかったとしても、カスタムの仕方によってはとんでもないバケモン火力をだしたりすることができてしまう。
さらに、MODの中には武器ごとに装備可能なレアもの「Riven MOD(通称リベン)」と呼ばれるものがある。これは特定のポイントを用いると性能をシャッフルできてしまうという超強力なもの。強いていうなら本作のガチャ要素というか、運要素はこれだ。
これからWarframeの世界に入る人は、ぜひともマイフェイバリットウェポンを見つけてほしいものだ。
10年分のカオス全部乗せはもはや闇鍋。だが、それがいい
約10年だ……10年間、休むことなくコンテンツを“継ぎ足し”し続けた結果、「Warframe」は良い意味で「カオスな闇鍋」と化した。
宇宙を股にかけるヒーロー「テンノ」がたどる壮大な叙事詩で送るメインストーリー、巨大な宇宙戦艦を仲間と操縦して戦う「レールジャック」、複数用意されたオープンワールドでの探索や釣り、採掘、ホバーボードでのレースバトル、バイクで爆走、ペットの育成、クランでハウジング、おまけ程度の対戦コンテンツ、そして登場人物とのチャットや恋愛要素……ッ!
もはやなんでもありだ。新たに宇宙へ降り立ったテンノは、その膨大なコンテンツ量に「何から遊べばいいんだ!?」と叫ぶことになるだろう。
だが、それこそが『Warframe』で展開される宇宙であり、結論としては「何から遊べばいいのか」への回答は「何から遊んでもいい」となる。
また、多くのコンテンツがあるとはいえ基本は最大4人での協力プレイなので、誰かと競いあう必要もない。自分のペースで、この広大すぎる宇宙の好きなコンテンツをしゃぶり尽くせばいい。
一例として、本作で歩き回れるオープンワールド風のマップを一部紹介したい。
まず、ゲーム開始直後から行くことのできる地球だ。
テンノたちが目覚めた時の地球は毒素に侵され、かつての人類は存在しない…が、一応人間らしき人たちは原始的ながらちゃんと生きている。また、地球のフィールドにはクローン技術で拡大した軍事国家「グリニア」の兵が蔓延っている。
地球にわずかながら生存している人間的な方々は「オストロンの民」と呼ばれており、古代文明オロキン帝国がのこした塔の壁を切り取って食べている。
何を言っているかわからないと思うが、どうやら古代文明の塔は生体組織で作られていたようで、建物であるにも関わらず食えてしまうのだ。
ここでは銛を使った釣り、採掘、フィールドの探索&グリニア兵の殲滅をこなすことができる。ちなみに、地球でオストロンの民のために戦い続けると、ガラスの女騎士をテーマとしたWarframe「Gara」の設計図を入手可能だ。
次は金星のオープンワールドだ。厳しい雪山地帯「オーブ峡谷」が広がっており、拝金主義の巨大企業コーパスが支配している。
実質的に金星を支配しているコーパスの幹部「Nef Anyo」は金星の住民を労働力として扱い、徹底的に搾取するような悪党だ。
住民は地下都市フォーチュナーで暮らしているが、法外な借金を押し付けられ担保として自身の手足や臓器を機械部品と無理やり交換させられるというディストピアが形成されている。
フォーチュナの住民はソラリス連合という反乱組織を水面下に結成。仲間とともに自由を取り戻すために日々戦い続けている。そんな彼らの鼻歌は、妙に耳に残る。ここでWarframeを身にまとったテンノは、ソラリスの人々に力を貸してともにコーパスと戦うことができる。
金星のテーマ曲「We All Lift Together」は労働者たちの希望をうたう名曲なので、ぜひ視聴してみてほしい。
最後に紹介するのは、星そのものが感染体と呼ばれるウィルスに飲み込まれたダイモスだ。めちゃグロいぞ。
ここでは古代文明オロキンの貴族「エントラティ家」がウィルスに感染した状態で暮らしている。通常であれば自我すら失ってしまうところ、彼らはオロキン文明の超技術によって半分感染した状態で生き残っている状態だ。
ここのテーマは「家族」となっており、登場する古代人たちも母親、父親、娘などの家族っぽい名称の人たち。しかし、人だったころの記憶はどんどん失われていっている模様。
プレイヤー(テンノ)はここでエントラティ家の依頼をこなすことで家族の絆を取り戻すために感染体と戦うことができる。また、このフィールドではネクロメカと呼ばれる古代兵器も使用可能になる。シンプルに強いため、ここで入手しておくのはアリだ。
ほかにもさまざまなワールドが用意されているのだが、わりと重大なネタバレになってしまうためにここでは割愛する。ただひとつ言えることがあるとするなら、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の小ネタが仕込まれている、ということくらいだ。
ニンジャなら無料=代償はお前の時間
そして、長年『Warframe』を遊んでいて筆者が痛感していることがあるのだが、本作は「Pay to Win(課金者が有利)」という概念の対極にあるタイトルだと感じている。
課金することで入手できるゲーム内通貨「プラチナ」で可能なのは装備やアイテム制作の時間短縮と外見のカスタマイズなど。プラチナで即時購入できるWarframeや武器なども、期間限定のものを除けばすべてゲーム内のミッションを周回して素材を集めて無料で製作できる。
あえて有名タイトルの『FGO』で例えると、「やりこんだらオベロンとキャストリアと光コヤンが配布されます」と言われているようなものだ。ガチャ無し! スタミナ無し! などの要素を発表して話題になる基本無料タイトルはここ最近でもいくつかあるが、『Warframe』は約10年前からそんな感じだ。
そういった意味では、本作は基本無料タイトルの中でもガチャとスタミナがないまま長期間運営されている稀なゲームとも言える。
まぁ、その代わり俺たちの時間が犠牲になるんだけどね。
そう、逆に言うと課金を用いないのであれば武器の設計図や素材はミッションなどで手に入れるか、無課金通貨で設計図を購入するといった手法がメインになる。
「そんなに大変なのか……」と不安になる人もいるかもしれないが、『Warframe』はなぜか大抵のミッションで誰かしら野良でもマッチングする。ぼっちプレイを長々と強要されるということもない。
また、先輩テンノたちは大抵のミッションの勝手を理解しているので、わからないことがあったらミッションが終わった後に聞いてみるのもありだ。ぶっちゃけ最初は歩いているだけでいつの間にかミッションが完了していることがほとんどだと思うので、安心して挑んでほしい。
真のエンドコンテンツはファッション。宇宙のパリコレを楽しもう
敵を瞬殺する最強のビルドを組み上げ、太陽系のすべてを駆け巡ったテンノが最後に行き着く場所。 それがファッションだ。
Warframeや武器、果てにはペットや自身の操る宇宙船に至るまで、そのカラーリングや装飾品はもはや病的なレベルで細かく設定できる。 それをまわりのテンノにお披露目し、いいね的なアクションをしてもらってモチベーションを上げることも重要だ。
そうだ……最強のWarframeとは、最も火力が出るWarframeとは限らない。
最もスタイリッシュなWarframeもまた、最強なのだ。
ファッションに目覚めたテンノたちは、日々「うちの子(My Warframe)」の完璧なスクリーンショットを撮るために「Captura(撮影モード)」へと向かうのだ。公式サイトでは、この行為を「ファッションフレーム」と呼んでいる。
ただ、ここは包み隠さず正直に申し上げると、ほとんどのWarframeのビジュアルは万人に受けるものではないと思っている。どちらかというと、“ぶっ刺さる人には最高に刺さる”もので、SF、変身ヒーロー、特撮、怪人などが好きな人にはとくにおすすめできる。
君も『Warframe』で強化外骨格を身にまとって、宇宙最高のヒーローにならないか?
そしてこう言おう。「My Warframe is Strong!(俺のWarframeは最強なんだ!)」と。
ここまでWarframeの基本的な内容の紹介をしてきた。
次は、本作に実装されたチュートリアルクエストを紹介したいと思う。
そう、あれはまだ筆者が下忍時代だったころだ……。

























