Activision Blizzardは現地時間の2月12日、2018年度第4四半期の収支報告にて、従業員の8パーセントを解雇する意向を明らかにした。レイオフの対象はActivision、Blizzard、King、High Moonを含む複数のスタジオで、主にゲーム開発に直接携わっていない部署の人員が大幅に削減される。同社の従業員数は昨年の段階でおよそ9600人であることから、今回のレイオフで約800人が職を失うことが予想される。
第4四半期決算短信によると、2018年におけるActivision Blizzardの純利益は75億ドルと好調な一方で、営業活動によるキャッシュフローは2017年の22億1000万ドルから17億9000万ドルへと大幅に減少している。つまり、本業であるゲーム開発事業では必ずしも順調でないことを示している。これについて同社CEOのBobby Kotick氏は、「財務成績こそ過去最高の結果だったが、本来のポテンシャルを生かせているとは言い難い」とコメントした。
これに伴い、Activision Blizzardは主要フランチャイズの開発規模を拡大する方針だ。『Call of Duty』、『Warcraft』、『Diablo』、『Hearthstone』、『Overwatch』といった看板タイトルを手がける人員を、今後1年間でおよそ2割拡大していくことを明らかにした。この事業計画の実現には、非ゲーム開発部門における大幅なコスト削減が必要不可欠とのことで、今回のレイオフはまさにその煽りを受けた結果ということになる。
Blizzard Entertainmentに関しては、昨年末に自社MOBAタイトル『Heroes of the Storm』におけるe-Sports事業からの撤退を表明したことや、近年影響力を増すActivisionの影響を受けてコスト削減を余儀なくされるなど、以前から多方面での方針転換が報じられていた。業界メディアKotakuによると、同社代表のJ. Allen Brack氏は今回のレイオフにあたり、いくつかの部署における従業員数の増加が採算を度外視しているために苦渋の決断にいたったと、従業員へ宛てたメールの中で内情を説明している。
ライター/Ritsuko Kawai