Bugbyteは新作スペースシップコロニーシム『Space Haven』のKickstarterプロジェクトを開始した。31日の期間中に4万ドルの開発資金を集めるのが目標だ。2020年2月発売予定。20ドル以上の支援からゲームキーが配布され、支援金額によって様々な特典が得られる。
キックスターター支援者向けアルファテストが2019年4月、Steam早期アクセスが2019年第4四半期に予定されている。
プレイヤーは死に瀕した地球を捨て、新たな故郷となる星を探すために宇宙の旅へと挑む。ストーリーにも力が入れられており、自動生成された広大な宇宙でプレイヤーが創発的な物語を作る傍ら、他のキャラクターたちの歩んだ軌跡を示す様々な録音データも用意されている。
ライターに現在もウェブ上で連載が続くSF小説「The Deathworlders」の著者であるPhilip R. Johnson氏が参加している。
『Space Haven』には、宇宙船の設計建設からクルーのマネジメント、宇宙船内での白兵戦、宇宙船同士での砲撃戦、さらに海賊から正義の味方まで幅広いロールプレイまで許容する、宇宙船を主軸にしたゲームに期待する要素がこれでもかと詰め込まれている。
その中でも、特筆すべきは『RimWorld』や『Dwarf Fortress』といった基地運営ゲームに影響を受けた宇宙船の設計製造要素だ。
プレイヤーは宇宙船を自由に設計できるが、船内の酸素や電力、クルーの人間関係をも視野に入れた設計が求められる。クルーの生命維持は宇宙船運営の大きな要素だが、例えば宇宙船のエンジンのすぐ近くに居住区を建設すれば、エンジンの振動によって快適さは失われる。
また、クルーにはそれぞれ異なる嗜好が設定されており、クルー同士の人間関係までもシミュレートされる。ゲームプレイの大部分は彼らクルーのマネジメントに悩まされることになるだろう。
・ロールプレイ
海賊として船を襲ったり、奴隷商人として捕虜となった人間を売り払う悪党からエイリアンハンター、海賊や奴隷商人と戦う正義の味方まで。宇宙では様々な勢力がしのぎを削っており、プレイヤーは様々な勢力と接触し関係を構築できる。
・宇宙船の設計製造
左右対称の合理化された宇宙船でも、欲望のまま欲しいものを継ぎ足していくいびつなものでも、2Dタイルベースの宇宙船を自由に構築出来る。船内だけでなく船外作業BOTなどで外部も拡張できる。
・ガスシミュレーションシステム
好きなように船をデザインできるが、酸素濃度やガスを発生する危険な施設には注意を払わなければならない。温度と電力にも気をつけ、クルーが任務に集中出来るよう船内を快適に保つ。
・クルーマネジメント
キャラクターは異なる特性・スキルが設定されており、快適な環境だけでなく友人といった人間関係まで管理が必要となる。気分が落ち込んでくると、ある者は手当たり次第攻撃を始めたり、あるものはエアロックから飛び出して自殺するような事件も起きる。
・ミッション
他の宇宙船に武装したクルーを送り込み、船内の安全を確保し役立つ物資を探す。エイリアンによって繭にされたり、コールドスリープ中の船員を助けることもある。
・宇宙船同士の戦闘
宇宙船に搭載された武装を使って敵宇宙船と戦う。被弾すればセクションの機能が低下したり、機能停止することも。ひとつの機能停止が雪だるま式に問題を大きくし、致命的なダメージとなる可能性もある。戦闘からクルーの治療、船の修理まで船員は協力して戦いに臨まなければならない。
『Space Haven』を開発するBugbyteはフィンランドのゲームデベロッパーだ。プログラマーのAllan Junkkila氏、グラフィックデザインのMatti Vanhala氏の他、小規模開発チームでは少し珍しい、マーケティング担当のAksel Junkkila氏の合計3名が所属している。『Space Haven』は開発がスタートしてすでに2年半が経過しているという。
2012年に設立されてから、すでに5本のゲームをリリースしている。特に宇宙を舞台にしたSFゲーム開発で知られており、Steamでは『Battlevoid: Harbinger』と『Battlevoid: Sector Siege』を販売中。
かなりてんこ盛りの内容になりそうな『Space Haven』。すでに2年以上開発が続いており、4月にはアルファテストも行われる予定だ。すぐにプレイしたいと思う方はKickstarterで30ドル以上支援して、キャンペーン終了後2週間でスタートするアルファテスト開始を待ってほしい。
ライター/古嶋誉幸