『龍が如く』シリーズで有名な名越稔洋氏が、7月28日に公開されたセガの情報番組「セガなま」にて、視聴者から送られたSucker Punch Productionsの『Ghost of Tsushima』について語った。
ゲームについて聞かれた名越氏は、開口一番「負けた」と発言。本来であれば日本で作るべきゲームだったと思いを口にした。
ただモノクロにするだけでなく、フィルムグレインの追加などの各種調整でモノクロ時代劇映画を再現した「クロサワモード」などを「日本人以上に日本人の心をくすぐる」と絶賛。和の作品が欧米人には分かるまいという前提自体が間違いだったとしている。
ほかにも目の動きに注力した演技とモーションキャプチャ、演出、日本文化への造詣、境井仁のキャラクター造形などにも言及し絶賛。
それだけでなく風向きによる誘導のように、新しいことにもチャレンジしており、押しつけがましくもなく、それでいて誘導を一切しないわけでもないさじ加減にも感心している。それらを振り返り一言、「すげぇなぁ」と感慨深げにまとめた。
発売から3日で240万本、オリジナルIPとしてはPlayStation 4史上最速の売上となった『Ghost of Tsushima』だが、大規模なゲームだけに多くの人々が開発に携わっている。その中には日本人の活躍も含まれる。
海外メディアEurogamerのインタビューでは、Sucker Punchの共同設立者であるブライアン・フレミング氏が、日本のローカライズチームとの連携を開発初期段階から密に取ったことにより、本作の素晴らしい日本描写を可能にしたことを語っている。
フレミング氏は、日本のローカライズチームはゲームを翻訳するだけでなく、ゲームのレビューや指導、コンサルタントの紹介、さらには日本への取材旅行の提案など、ローカライズというには広大な範囲でゲームの開発に関わっていることを明かした。
文化も異なり800年近く昔の日本文化を描くにあたり、日本のローカライズチームがいなければ「非常に大変だった」と、彼らの活躍をまとめている。
地元対馬との良好な関係は取材旅行後も続いているようで、公式にコラボレーションした観光企画も立ち上がっている。海外から見た日本を一方的に描くのではなく、綿密な取材や日本文化を知る日本人の協力があっての作品だといえるだろう。
綿密な取材と情熱から作られた『Ghost of Tsushima』は、日本のゲームクリエイターすら唸らせるゲームとなって我々の前に登場したようだ。ゲーム的、あるいは時代劇的な噓を交えながらも、押さえるべきところはしっかりと押さえたオープンワールド時代劇アクションゲームは、今後日本を舞台にしたゲームに強い影響を与えそうだ。
ライター/古嶋誉幸