動画配信サービス「ニコニコ」を運営するドワンゴは2月16日(木)、同社が出願した文字商標「ゆっくり実況」および「ゆっくり解説」、「ゆっくり劇場」に関して、特許庁から「拒絶理由通知書」を受領したことを明らかにした。
【「ゆっくり○○」商標についてのお知らせ】
— ニコニコ公式 (@nico_nico_info) February 16, 2023
2月13日、「ゆっくり実況」「ゆっくり解説」「ゆっくり劇場」の商標出願について、特許庁より拒絶理由通知を受領いたしました。
拒絶理由通知で示されている内容は弊社の見解と概ね一致しており、このような判断を示していただいたことを歓迎いたします。 pic.twitter.com/NEePr48cBq
今回の発表は2022年2月、YouTubeクリエイターの柚葉氏がイラストレーターのまそ氏による『東方Project』のイラスト「ゆっくり」を利用した三次創作コンテンツ“ゆっくり茶番劇”の商標を取得し、異議申し立ての期間を過ぎた同年5月15日に取得を公表。第三者でありながら同様のジャンルでコンテンツを制作するクリエイターへ使用許可の申請と年間10万円(税別)の使用料を求めたことに端を発する。
Twitterをはじめとする当時のSNS上では発表を受けて大きな反発の声が上がり、柚葉氏の加入していたライバー互助会「Coyu.Live」や商標の取得を代行した特許事務所など、関係各所も対応に追われた。
騒動の発生を受けて、ドワンゴはタイトルに“ゆっくり茶番劇”をつけた動画をニコニコへ投稿しても問題なく、該当の文字列が「広く一般に使用されており、特定の企業や個人が独占すべき文字列ではない」とする見解を2022年5月20日に発表。
さらに、ドワンゴは『東方Project』の原作者であるZUN氏とも協議のうえ、対応方針に関する記者会見を同年5月23日に実施していた。なお、同社は“ゆっくり茶番劇”の商標登録が同年6月8日付けで抹消されたことを確認し伝えている。
今回「拒絶理由通知書」が発行された3つの商標は記者会見の場で伝えられていたとおり「独占の防止」を目的にドワンゴから出願されたもので、同社は対応を検討中。拒絶理由通知書の発行については、過去の見解をふまえて「このような判断を示していただいたことを歓迎いたします」とのコメントを発表している。
動画配信サービス「ニコニコ」のインフォメーションページでは“ゆっくり茶番劇”に関する経緯や見解・対応の詳細を詳しく説明しているほか、2022年5月23日に実施された記者会見のアーカイブ映像も「ニコニコ生放送」から視聴可能だ。本件に関心のある方は今一度チェックしておくとよいだろう。