7月25日、ゲーム内の表現・事象をさまざまな分野の専門家に語ってもらう「ゲームさんぽ/よそ見」チャンネルにて、「2億円トイレとか休憩所とか、実際どうなのさ?|万博建築#03」が公開された。
本動画は「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の建築物を解説する動画シリーズの第3回となり、建築史家・倉方俊輔氏が前回から引き続き出演。万博内のトイレや休憩所について、建築目線で紹介する内容となっている。「ゲームさんぽ /よそ見」公式YouTubeチャンネルおよびニコニコ動画にて視聴することが可能だ。
「ゲームさんぽ」は、さまざまな分野に精通する専門家の目線でゲームを分析する動画シリーズだ。専門家とゲームを遊ぶ中で、専門家独自の視点や世界の見え方、知識などが楽しめる人気企画となっている。
本動画では、「⼤阪・関⻄万博」の「休憩所」や「トイレ」に焦点を当てた内容となっている。万博会場内には計20個の休憩所やトイレ、ポップアップステージといった施設が設置されているが、これらはすべて40歳以下の若手建築家・クリエイターにアイデアを公募し、実際に制作されたものであると倉方氏は紹介。
そして倉方氏は、このプロジェクトの実現は、会場デザインプロデューサーである藤本壮介氏が相当に努力したものではないかと考察する。理由として、リスクを避け無難さを求める傾向にある日本の現状において、若手にチャンスを与えクリエイティブな活動を後押しする判断は自然には起こりえないからであると語っている。

続けて動画では、万博内に設置されている施設をいくつかピックアップして紹介。大西麻貴氏と百田有希氏が手がけた「休憩所1」では、播州織の生地を透明な膜の外側に手作業で取り付けた施設となっている。倉方氏はこの休憩所を、アウトドア感がありふわっと入っていきたくなるような気持のいい建築とコメント。子供たちが中で遊ぶ様子もあり、愛されている施設であると評価している。
また、「2億円トイレ」としても話題となった、米澤隆氏が手がけた「トイレ5」についても触れられている。倉方氏は、米澤氏を昔から知っているからこそ、真面目な応対の裏に何かありそうな「尻尾のつかめなさ」が建築家には必要なのではないかと考えているという。
本施設については、工業製品でありながらも色をカラフルに塗ることにより、いかにもユーザーが想像する万博のパビリオン風の外見に仕上げている。さらに積み木のように見えるという点でも親しみやすさがあるほか、外側に手洗い場があることで利用すること自体にも楽しさがあり、つい写真を撮りたくなってしまう新しい体験を生み出していると倉方は語っている。


関西万博の「トイレ」や「休憩所」を建築史家・倉方氏が語る動画は現在「ゲームさんぽ /よそ見」公式YouTubeチャンネルおよびニコニコ動画にて公開中だ。動画内では上記のほかにも数々の施設を紹介するほか、“万博の存在意義”についても触れている。