それは、遡ること2024年1月のことである。
私は編集部から、「乙女ゲーム『恋と深空』をレビューしてみませんか?」と言われた。
正直に言うと、困惑した。そして、担当編集の意図がよくわからなかった。
なぜなら私は男性で、主要なターゲットが女性である乙女ゲームを掘り下げるのに向いていないのではないか、と思ったからだ。
シミュレーション要素のある『アンジェリーク』をはじめ、乙女ゲームそのものが嫌いなわけではないが……だからって、私よりもっと適切な人いますよね……?
「どのように遊んだものか」と悩んでいたところ、天啓が舞い降りた。
まず脳裏に浮かんだのは『プリンセスメーカー』という子育てシミュレーションゲームだ。

これは、手塩にかけて育てた“愛娘の成長を見守る”といった内容のゲームで、時に反抗してくる様子すら見ていてほっこりするものであった。
そこで、私は「乙女ゲームを、父親目線で娘の成長を見守る」という視点でプレイしてみようと考えた。すると、男性でも『プリンセスメーカー』みたいに乙女ゲームを楽しめるのではないか?と思い立ったのだ。
すると、どうだろう。自らの手でキャラメイクして完成した愛娘に言い寄ってくるメンズたちは、“SNSに必ずと言っていいほどポエム付きの空写真を投稿する癖強イケメン”だった。
彼らを見て最初に抱いた印象は、「エリート心臓外科医に富豪のアーティスト、フィジカル最強王子様……とってつけたようなスペックしやがって、男が大事なのは中身だ、中身ィ!」と、決して褒められたものではなかったが……
実際に接してみると、負けん気が強い娘のことを常に気遣ってくれる。
娘が危機に陥りそうになったら何かと気にかけてくれるし、支えようとしてくれるのだ。
こいつら、もしかして娘のことを大事にしてくれる良いやつらなのかも……?
そんな『恋と深空』だが、ついにメンズたちと主人公が結婚できるイベントが実装されたらしい。
これまで『恋と深空』をプレイしてきて、君たちが悪い男じゃないというのは私もよく知っている。
だが、娘をやるかどうかは話が別だッ!
本当にお前が娘にふさわしいと言うなら、証明して見せろ……!
乗り越えて見せろッ!この父親(おれ)を……!
2024年1月当時とは変わり、新たなキャラクターも実装された『恋と深空』……
今一度、わしの娘にふさわしい男はいるのかどうか、見定めてやろうではないか!
先行プレイ・文/TsushimaHiro
編集/恵那
恋をするにもガチバトルが必須、それが『恋と深空』
「『恋と深空』!?えっそれってどんなゲームなの?」
と、本作について全く知らないお嬢様やお坊ちゃま方もいらっしゃるかもしれない。
なので、本題に入る前にかんたんに説明しておこう。
端的に言うと、乙女ゲームなのに『デビルメイクライ』級のスタイリッシュ戦闘アクションがガッツリと実装されている謎の恋愛シミュレーションゲームだ。「乙女ゲームでここまで戦うことある?」と思うほど激しい。なんなら、ドラゴンとも戦うぞ。
なぜ、乙女ゲームなのに戦う必要があるのか、気になった方もいると思う。
それは、主人公の職業が人々に害をなす怪物「ワンダラー」と戦う「深空ハンター」だからだ。いわゆる、街の治安や市民の安全を守るおまわりさん。といったところか。
戦闘面においての最大の特徴は、主人公とパートナーが隣に並び、ともに前線で戦うという部分だ。登場するメンズたちはそれぞれ異なる戦闘能力を有しており、戦場においても頼もしいパートナーとなってくれる。
筆者は今まで『恋と深空』の記事を何度か書いてきたのだが、どうも本作を知らない人からは「あ~、あの半裸の男の広告のやつね」という反応を多く受けてきたように思う。
まあ確かに、私も最初は「センシティブ広告……!」と思いながら見ていた記憶がある。
そこで、実際に触ってみて感じた本作の内容を簡単にまとめてみる。
・210種以上の項目から主人公の見た目を設定できるキャラクターメイキング機能
・乙女ゲームにしてはガチすぎるスタイリッシュアクションバトル
・メンズたちとの豊富な交流要素(ゲーム内SNS、撮影、デートなど)
・陰謀渦巻くサスペンスドラマ風の重厚なストーリー
・当然ながら全員イケメンのハイスペ男子。しかも全員を手玉にとれる
こんなところだ。登場するメンズたちはお互いに顔を合わせることがないので、誰とデートしようが、全部が純愛、すべてが美しい思い出となる。個人的には「5人のメンズを手玉に取っている状態」に見えなくもないので、我が娘ながら末恐ろしい。
これらの要素だけでも、本作が一般的な乙女ゲーではないことは間違いない。
さまざまな要素が組み合わさってひとつの高級鍋のように仕上げられており、男性だけでなく主人公も戦いまくる新世代の乙女ゲー。戦乙女(ヴァルキリー)ゲームなのだ。
さて、こちらが我が娘「電ファミニコちゃん」だ。私の書く『恋と深空』の記事では2024年以来の登場で、今回は夏の装いで復活。特徴である“あざといスマイル”は健在ッ!
次に、当時から新たに追加されたキャラクターも含め、娘のお婿さん候補を紹介していく。
お婿さん候補は、5人のおもしろメンズたち
先述したとおり、本作に登場するメンズたちはどいつもコイツも癖が強い。
この項目では、娘の婿候補のデータを並べていく。
そして、恋愛シミュレーションゲームの男性としてではなく「娘のお婿さん」を見定めるシミュレーションゲームとしての診断結果もあわせて併記していく。
ただし、あくまでお婿さんとしての評価なので時に辛辣になってしまっても気にしないでほしい。
最初は、オープニングシーンで出会うこととなる青年セイヤから紹介しよう。
天然な王子さま系男子。しかしフィジカルは最強な戦場のパートナー
小動物みたいなかわいさと、凄まじいフィジカルを内包した星の王子さま
本作の主人公は、街に出現する怪物「ワンダラー」を討伐する“ハンター”として働く女性隊員のひとり。そのオープニングにて、初任務に挑む主人公と遭遇するのがこのセイヤ(声:小林裕介さん)だ。
ハンターに就任したての主人公は、緊張した面持ちで現場に訪れる。そこで手助けをしてくれたのがセイヤ。「光」を操る能力を持っている。
最初は彼の年齢もわからず、正規のハンターであるかどうかもよくわからない状態。いわゆる、“ミステリアスな雰囲気”を身にまとった容姿端麗な美青年……といった印象を受けた。以降は、ハンターのパートナーとして共に任務につくことになる。
容姿端麗、戦闘能力もピカイチと、いかにもパーフェクトヒューマンに見えるセイヤだが、実は朝にめちゃくちゃ弱いという一面も。また、社会での生活に慣れていないのか、バイト先で挨拶の仕方を指摘された際に、主人公にSNSで「どうしたらいいか」と相談してきてしまうほどの天然っぷりも発揮している。ちなみに、幼い顔だちながら脱ぐと筋肉が凄い。
「めちゃくちゃカッコイイのに、どこか放っておけない」
それがセイヤのファーストインプレッションと言えるだろう。
そんなセイヤは、SNSにて青空の写真を投稿し、「青空の中に隠れた月」という謎めいた空ポエムを見せてくれる。「どうして月だけで星はないの?」という主人公の質問に対しては、「もうすぐマンションに着くぞ」と取り付く島もない。
時折、つかみどころのないのがセイヤらしさのひとつだ。
【パパのお婿さん診断結果】
・容姿
「美麗な顔立ちとスタイルで全く問題なし。
綺麗でかわいい孫が生まれそう。小動物みたい。うさぎみたいな。」
・性格
「優しくて頼もしい部分もあるが、マイペースすぎる点が婿として少し気になる
どちらかと言うと、私生活では娘に色々と引っ張ってもらわないといけないシーンもありそうな印象を受ける。ただ、結構負けず嫌いでUFOキャッチャーゲームに夢中になるシーンなどを見るとほっこりする。」
・安心感
「危険な仕事に従事しているのは主人公と同じだが、いつの間にか数カ月くらい失踪しそう。そんでひょっこり何ごともなかったかのように帰ってきそう。」
【総評】
セイヤは職場(戦闘)おいては、非常に頼もしいパートナーであることは間違いない。
しかし、娘の結婚相手として考えてみたらどうだろうか?少し浮世離れしている節があるが、安定した情緒と紳士的な態度が、驚くほどの安心感を与えてくれるだろう。彼と一緒にいれば、どんなことでもきっと穏やかに乗り越えていける気がする。
主人公の幼馴染兼、心臓外科医。クールな態度だが実は小動物好き
幼馴染、エリート外科医、かわいいもの好き…色々とお得な属性が盛りだくさん
次は、主人公の幼馴染であるレイ(声:佐藤拓也さん)を紹介する。
彼の職業は心臓外科医であり、主人公の心臓にある破片を診察している主治医という関係性。仕事やメディアに引っ張りだこなレイは、なかなか主人公に対して時間を割くことができないほど忙しく、メンズの中でも社会的な地位が高いというか、とびぬけてスペックが高い。
クールな風貌どおりで、レイが冷静沈着な態度を崩すことはほとんどない。
しかし、プライベートでは小動物好きな一面や、主人公と食事に行くのを楽しみにしてるシーンや、食事の際にニンジンだけ残したりと少年のようなかわいげのある一面も見られる。
実際に接してみると、医者としてなのか、それとも幼馴染としてなのか。
主人公の体調や精神面を気にかけつつも、時には戦闘にも参戦してくれる頼りになる男という印象を受けた。そう、彼は「氷」の能力で、戦場でも傍で支えてくれる。
また、個人的には主人公のおばあちゃんの体調まで気にかけてくれる所はポイントが高い。お前は良いヤツだ。
そんなレイがSNSに投稿する空ポエムは、夕焼けの写真と共に「時々、夕方なのか早朝なのかわからなくなる。」というコメントが添えられたもの。
主人公が「外にいるランドセルを背負った子供達の表情を見てみて」とコメントすると、「ランドセルを背負っていない子供しかいない」と返事をしてくる。
これは、レイが朝帰りすら珍しくないほど多忙であるから出た言葉であるようだ。
ランドセルを背負っていないということは、おそらく一般的には休日とされている日にも出勤しているのだろう。
【パパのお婿さん診断結果】
・容姿
「クールな顔立ちに高身長。男の子が生まれたら『NARUTO』でいうサスケタイプの影のあるイケメン孫になりそう。そういうの、大好きなんだ」
・性格
「娘に対して全体的に面倒見がよく、医者である以上に幼馴染としても丁重に扱ってくれている点は好印象。ただ、ストーリー冒頭では、たまに言葉不足になってしまう時もある」
・安心感
「本人が非常に多忙なので、“なかなか会う時間がとれなさそう”という不安は拭えない。
しかしながら、多忙をおしても娘のことを優先する点があり高得点。職業が安定しており、主人公の診察医であると言う面においても、傍にいてほしいと思える人物だ」
【総評】
レイは医者と幼馴染の目線で娘の身体面と心のケアを重んじてくれるナイスガイ。
一見、完璧に見えても実はかわいいもの好きであったり、好き嫌いもちゃんとあって、人間らしさという面も持ち合わせている人物。もし、娘がレイと結婚したら、幸せそうな家庭が待っていそう。
海洋生物に詳しい富豪のアーティスト、ホムラ
甘えたがりで気ままな芸術家と海デートしよう
ホムラ(声:立花慎之介さん)は、主人公が街中で金魚すくいのような遊びをしている時に、偶然出会ったアーティストだ。のちに任務で出会ったことをきっかけに、ホムラは主人公に対して一方的に送金してきて、護衛を依頼してきてはデートしたがる。
その行為はだんだんとエスカレートし、かすり傷で入院して主人公を呼び出してリンゴを食べさせてもらいたがるというバブみが垣間見えるようになる。
ホムラは自前のアトリエを持つほどの人気アーティストで資産家だが、さまざまな海洋生物に詳しいというアカデミックな一面もある。また、護衛を依頼してきている割には、いざ戦闘になると主人公と共に戦う男らしさも併せ持っている。海に詳しいホムラだが、その名の通り「炎」の力を持っている。
しかしながら、なぜそんなに主人公に執着するのか? その理由が知りたい方は、筆者の調査したホムラを掘り下げた記事を読むと解像度が高まるかもしれない。
そんなホムラがSNSに投稿する空ポエムは、「今日の夕暮れは海の色だ」というものや、「雲の中には何が隠されているでしょう?正解したら商品をあげるよ」とクイズめいたコメントを添えたもの。
なぜか海に想いを馳せる男、ホムラ。
そこには、ディープな物語が秘められているかもしれない。
【パパのお婿さん診断結果】
・容姿
「多分、本作の登場人物の中でも最も“ほがらかな笑顔”を見せてくれる人物
表情も豊かで、喜怒哀楽もはっきりしているホムラとの子供は、きっと周囲を和ませてくれる笑顔をふりまくことだろう」
・性格
「メンズの中では、一番ノリが良いかもしれない。ただ、すっごい寂しがり屋。
好きな人と一緒に居たいという気持ちが非常に強く、たまにつまらんことで呼びつけたりもする。結婚したらちょっと苦労しそう。」
・安心感
「富豪のアーティストなので、結婚した後もぶっちゃけ遊んで暮らせるとは思う。しかし、おそらく父(オレ)の娘はそういう生ぬるい人生を望んでいない。あと、ホムラが色んな意味で安心できない理由は色々とある。詳細は、本作におけるホムラの“伝説”エピソードを参照してほしい。
ただし、おそらく彼はいざという時は何よりも娘のことを優先するだろう。
そこは信じられる。」
【総評】
ひょうひょうとした態度の中には、深海のようなディープな愛情が込められている。
少し子供ぽっいところはあるが、娘のことを絶対しあわせにさせる勢いが半端ない。かなりのロマンチストだから、毎日の暮らしの中に、心を躍らせるサプライズが溢れているはず。
ステゴロスタイルで荒々しく戦う裏社会のドン、シンのアニキ
危険な香りのする男は、好きか?
シン(声:小西克幸さん)は、これまで登場してきたキャラクターとは毛色が全く異なる、“危険なオトコ”だ。
メインストーリーを進めている途中で遭遇し、暗黒街の裏組織を牛耳るボスorドン的な存在。平然と人を消し炭にする暴虐性と、主人公を利用するために閉じ込めてしまう倫理のなさ、主人公の身体を躊躇なく人体改造しようとする冷酷さを併せ持っている。
欲しいモノや目的のためなら手段を選ばない。それがシンだ。
そんなシンだが、主人公と共に過ごしている内にデートすることも可能に。
じつは、黒猫を保護したり、ひん死のハトのお世話をしたりと動物に優しい一面をもっており、たまにらくがきして絵心も発揮してくれる。
戦闘においては、ほかのキャラクターと異なり、なんとステゴロ(ほぼ素手)で戦う。主人公と共に戦場に立ち、ステゴロなのに圧倒的な火力で怪物「ワンダラー」と渡り合うストロングスタイルが特徴で、その一撃は爆発を巻き起こすほど強力なもの。
身内だったら頼りになるタイプ。そう、身内ならね……。
そんなシンの投稿する空ポエムは陽が落ちた後の写真に、「太陽が沈むのが遅すぎる」といった、夜を欲していることがよくわかるものに、「目が覚めた」というシンプルなもの。
これは、シンの生活習慣の昼夜が完全に逆転している様子が描かれている。シンによっては、夜こそがメインの活動時間だ。
【パパのお婿さん診断結果】
・容姿
「鋭い眼光、抜群のフィジカル、ハジけるような暴虐性。
こいつと赤ちゃんを作ったら“伝説”が生まれちまうだろうぜ……」
・性格
「欲しいものは必ず手に入れる。たとえ暴力を駆使しても……
それは彼が裏社会で生きてきた故の処世術であり、裏には裏の“ルール”があるからだろう。いわゆる、他社の追随を許さない敏腕起業家(もしくはマフィア)みたいなものだろうか。結婚したらもう、別の意味でファミリーが結成されてしまいそうである。姉御と呼ばれたいなら、良いのか」
・安心感
「親戚にシンを紹介する度に「どうも、うちの娘の夫です。ふだんは、裏社会のボスやってます。」と言わなくてはならないため、父(オレ)の胃がもたない可能性が高い。」
【総評】
ありとあらゆる危険から娘を守るだけの甲斐性はあり、その力も持っている。さらに、家事もできるし、包容力もあり、娘のことを大事にしてくれるはず。
ただ、シンについていくというのは極道の妻になるのも同然なので、父としては、それが正解か、否か……
激重感情で主人公を守護りたい。復活のお兄ちゃん「マヒル」
爽やか笑顔と手料理で家庭を明るくしてくれるお兄ちゃん
5人目のキャラクターとして正式に実装されたマヒル(声:野島健児さん)は、主人公のお兄さんとしてストーリーに登場。主人公の実家にはおばあちゃんのスエさんが住んでおり、たまにマヒルと主人公は一緒に食事をとることがある。
さわやかスマイルで料理上手、さらには戦闘機のパイロットというエリート中のエリートな経歴を持つお兄ちゃん。多少、妹の主人公に対して過保護な一面もあるが、何かあったらすぐに駆けつけてくれそうなキャラクターランキングのトップだ。
甘えたいだけ甘えさせてくれる。それがマヒル。
詳しく話すとネタバレになってしまうので多くは語れないが、マヒルは物語を進めると「とある出来事」をきっかけに姿を消してしまう。
その後、再び主人公の前に姿を現した時、彼は艦隊執艦官という偉い地位についていた。
以降は主人公を度々監禁してくるようになり、妹に今までとは異なる歪んだ愛情を見せてくるようになる。さわやかスマイルの裏側には、想像を絶するほどの激重感情が隠されているのだ。
そして、マヒルの能力は「引力制御」。その気になれば、相手をその場に拘束して動けなくするという『金色のガッシュ』のブラゴが使う攻撃「グラビレイ」みたいなことが可能。
ただ、その一見過激に見える行為や感情には第一にまず主人公のことを想って、という前提があるのがまた厄介。ヤンデレ属性大好きな人には刺さる、そう感じる。
そんなマヒルがSNSに投稿しているのは、「大雨の後、下の植え込みが元気になった」という生活感あふれるコメント。主人公が黄色い花の様子を見て欲しいと連絡すると「端材で雨よけを作っておいた」と報告。すごく身内感のあるやり取りだ。
【パパのお婿さん診断結果】
・容姿
「高身長でモデルさんみたいな爽やかスマイルを持ち、肉体もハチャメチャに鍛えているため、遺伝子が優秀そう。」
・性格
「幼少期は大将気質で、妹の身を案じて外敵になりそうな人物と渡り合う男気を見せる。しかし、結果的にそいつらとは仲間になって、守るためとはいえ部屋に閉じ込めてた妹をしばらく放置してた。そういう男。
ストーリー本編では彼は大人になっているが、妹に対しての過保護にもほどがある激重な感情はさらに加速。こいつをまっとうに生きさせるためにはどうしたらいいか、一考する必要がある」
・安心感
「手料理上手で、常に妹のことを気にかけているという点では安心感がある。
何があっても味方ではいてくれるが、その気になればこの世界で妹に危険を及ぼすものがいようものなら全て排除するつもりで動いてしまいそうな、そういう危うさがある。」
【総評】
もともと兄さんだから、娘のことをよく知っていて、願いもなんでも叶えてくれるだろう。今は出世して、立派な大人にもなった。娘への愛が重すぎるのが心配ではあるが、それ故にちゃんと我が娘を守って行けるはず。
さて、ここまでザッと本作の恋愛対象となるメンズたちを紹介してきたが、我が娘の結婚相手は、どいつにするべきか……
娘の結婚相手は…お前だ!!!
やはりレイ先生。
確固たる職業、大人の余裕、家族の身をも案じる家庭的な一面。
ありとあらゆる意味で、安心感が段違いである。
2024年に最初に『恋と深空』の記事を書いた時、レイに5000兆点をつけていたことを覚えている読者の方はなんとなく想像がついていたとは思うが……
俺が娘の婿にするなら、娘の結婚相手となるのであれば、やはりレイを選ぶ。
ということで……今回は新たに実装されたレイ先生の思念(ガチャ)を手に入れることで見られるエピソード「雪を渡る境界」の一部を見届けよう。
【イベント情報】
— 【公式】恋と深空-Love and Deepspace- (@LoveDeepspaceJP) June 27, 2025
限定/願う「深空の見届けの下に」にて
星5思念
セイヤ・星の泊まる場所
レイ・雪を渡る境界
ホムラ・朝と潮に浮かぶ孤島
シン・光と闇の領域
マヒル・永遠の楽園
が大幅にUPして登場致します💍
🔽期間
7/3メンテ後-7/22 5:59
🔽DLhttps://t.co/qAarG9pJYA pic.twitter.com/CUk0cjNi1T
ふたりでキャンプを楽しむ。仲良し!
場面はキャンプ場。レイと主人公は休暇中に、ふたりでテントを設営しキャンプを楽しむことにした模様。「ここ数年は機会がなく…」と、キャンプの知識を忘れてしまったことを正直に告白するレイだが、懸命にテントを組み上げてくれる。誠実じゃん……
「良い婿ポイント」、略してIMPを10点差し上げよう。
設営が整うと、レイはなんと手作りの焼き菓子を作って持参してくれたという。
「これから毎日、レイの手作りスイーツが食べられますように」とお願いする主人公だが、レイは「焼肉とスイーツばかり食べていたのだから、食物繊維も摂るべき」と医者らしいまっとうな指摘をしてくる。嫁の身体を気遣える、IMP5追加。
翌朝、ふたりがキャンプ場で談笑を楽しんでいると突如として謎の塔が目の前に出現する。
この世界の空間は度々「異象空間」と呼ばれる謎のエリアが出現することがあり、これもその一種だとニュースで報道される。
放置するわけにもいかず、ふたりは塔の中を探索することに。
塔の中には、氷でできたお城。長いながい階段と、巨大な玉座が待ち構えていた。
中に住民はいないようで、レイはこの建造物を作った者について「誰にも邪魔されたくなかった」目的があったのではないか、と推測する。
これが『ファイナルファンタジー』だったら間違いなくパッケージ画像に使われそうなほどに豪華&ファンタジーな光景だが……これほどの建造物で誰もいない、というのは妙だ。
塔の中には巨大な図書館もあり、そこに並べられた本には、「ジャスミン」の絵がたくさん描かれており、あたりにはジャンミンのツボミが多数見られた。
もし、ふたりで住むとしたら……
しかし、数々の戦場と修羅場を潜り抜けてきたふたりはおかまいなしに塔の中に根城を移すことに。マジかよ……
キャンプをはじめ、塔に根城を移して合計3日目。ふたりは近場の山でハイキングを楽しみつつ、ふたりでカップ麺を食べながら「ふたりでこの異象空間で暮らすとしたら、どうしようか」と相談をし始める。
お父さん的には、ここは二人で住むには広すぎると思うし、色んな意味で管理が大変だと思うからおすすめしないぞ。
娘は、この塔の裏の空き地に家庭菜園を作り、寝室のカーテンをとりかえてキッチンがほしいと言う。『どうぶつの森』みたいな生活をしたいってことか?娘よ。
夢見る娘に対して、レイは寝室に遮光カーテンをかけて、オープンキッチンを設置して娘に「焼きたてのスイーツを食べさせようか」と言う。初日に食べたがっていたスイーツの伏線回収、IMP15追加。
夢のマイホーム談義は続き、レイは「リクライニングチェアを2つ置けば、もう床に座らずにすむな」と、もう生活の様子すらイメージして雄弁に語り始める。
私は娘ではないが、画面の向こう側にいる皆さんに向けて、ここで娘の代弁をさせていただく。「自分の住む家を決める時は、こういう男と家具選びしたい」と。
娘の意見を決して否定せず、より幸せになるプランをどんどん出してくれるような、そういう男だ(もちろん、レイがエリート外科医の収入だからできることなんだろうが)
ここで、娘は「なぜこの塔の持ち主は、内装を飾り付けなかったのだろうか」と不思議がる。レイは、「ここに一人で住んでいたからかもしれない」と推測する。
ちょっとわかるぞ、レイ。
一人暮らしをしていると、自分の食事やら家具の配置やら、あまり考えなくなってしまう時がある。誰かが傍にいるからこそ、飾りがいがあるというものだ。
「家というのは、誰かと暮らすからこそ家になる。一人では、ただの住まいにすぎない。」
ここでクリティカルヒット級の名言を繰り出してくるか、レイよ。
なぜ、そんなアンニュイな表情でその台詞を吐くのか?
気になった娘は「そうやって暮らしていたことがあるの?」と質問する。
レイは「もちろんある」として、大学時代も含めて一人暮らしをしている時、授業後も実験室の掃除をしたり、仕事が終わった後もオフィスでぼんやり過ごしていたという寂しい過去を明かす。
レイ自身、そうなってしまった原因は「自分でもよくわからない。何をするにも分かち合える人がいないと思うと、気分が乗らなかったのかもしれない」と切ない表情を見せる。
過去を振り返ったレイは、あらためて「お前と再会できなければ、自分はどうなっていたのだおる。」と娘に問いかけ、「本当によかった。今、お前は確かに私のそばにいる」と言って娘を抱きしめる。娘のありがたみがその身に沁みている。IMP20点追加。
感動の結婚シーン。衣装も新たに指輪装着
その夜、乱れたエネルギーの波動を感じた主人公とレイ。
……ん?いやいやちょっと待てよ
乱れてるの、エネルギーじゃなくてベッドじゃねーか!!!!!
レイ、貴様……ッ
結婚する前に娘に手ェ出してたらタダじゃすまねぇからな!
父親を不安にさせる意味深なベッド、IMPマイナス2000点!!!
乱れに乱れたベッドをあとにして、ふたりは例の玉座の間から、図書館へと訪れる。
そこでは、氷のジャスミンが満開の状態になっているという幻想的な風景が広がっていた。
あまりにも幻想的……そこで二人は互いの手を繋ぎ、主人公の特殊能力「共鳴」を発動する。すると、ふたりの衣装は煌びやかなウェディングドレスに切り替わった。
レイは「氷」の力を持っており、その場に氷の階段と足場を作り出して娘をダンスに誘う。
「一つの言葉、一度の抱擁、一輪のジャスミン。これだけでは足りない。私と踊ってくれるか?」
お待たせしました、プロポーズのお時間です。
「お前に出会えてたことは、私にとって一番の幸運だ。このジャスミンのように……
長く厳しい冬を経て、お前が春をもたらしてくれた。これよりも素敵な思い出を、この先毎日お前に贈ろう。」
おお……これもう、ガチのやつじゃねーか……
もっと、もっとだレイ。娘をもっと喜ばせるのだ。
その後、レイは自らの願いを吐露する。
「お前が永遠に幸せであること。そして……お前が幸せを感じる時にそばにいる人が、常に私であることだ。これから花が咲くたび、お前と共に見届けたい。その機会を私にくれるか?」
レイの提案を受け入れた娘。娘の薬指に光る指輪。その手を取るレイの、この澄んだ瞳よ……純愛か?純愛なんだな?レイ。
「では、ジャスミンに誓おう。全ての花が咲くのを、必ず二人で見届けると。」
すばらしい!ここまで真剣にプロポーズできるレイなら、きっと娘を幸せにしてくれるはずだ。
補足しておくと、ジャスミンの花言葉は「私はあなたについていく」だったりする。
塔がなくなった後、ふたりは忙しい日々を送っていた。
しかし、互いに連絡しあい、家で落ち合うふたり。まるで、同棲してるかのような距離感だ。
有言実行で、本当にレイは焼きたての手作りスイーツを娘のために作ってくれていた。
娘は、まさか本当に願いが叶うとは思っていなかったのか。レイの貴重な休みを奪っているのではないかと心配する様子を見せる。すると、レイは……
「お前がたくさん食べてくれることが、私にとっては一番の癒しになる。」
はい、50000000000兆点です。
レイ!!!!!そういうとこ─────────!!!!
そういう家庭的なところ!!!!!娘の健康をしっかり守ってくれそうなところ!
もう言うことないです!幸せになれ!
なお、冒頭で説明したとおり本作に登場するメンズは現時点で5人。
それぞれが幻想的な風景と共に、ウェディングな衣装と指輪を用意して、主人公に愛の告白をしてくれる。
星の王子さま系のセイヤと共に、お月さまに乗って天の川をくだるか……
ホムラと海上を歩くか、シンのサプライズに身を任せるか、マヒルの奥底に眠る感情に触れるか。どのメンを選ぶのもプレイヤー次第だ。
ちなみに、本作の撮影機能でも使用できるウェディング衣装は、ガチャ「深空の見届けの下に」を最低75回引くことで一着を選択して獲得できるアイテム「バラ色の宝箱」が入手可能。以降は、125回、175回目、225回目、275回目と合計5回で全員分の衣装が手に入る仕様だ。
さすがに全員分の衣装をゲットしようという猛者はいないだろうと思うが……いや、いるのか?そこに……
添い寝システムも実装。実在感マシマシ
さて、お次はトップ画面で待機してくれているメンズたちとの交流要素として新たに実装された「添い寝機能」について紹介したい。
これは、気になるメンをタップして「付き添って」を選択すれば一緒に添い寝してくれるという、シンプルだが実在感がハンパない機能だ。
これまでも、「仕事」「運動」「勉強」など、さまざまな行為に付き添ってくれる機能であったが、ついには睡眠まで……いったいどこまで交流機能を追加するんだ、『恋と深空』さん。
もちろん、より実在感を増すためのAR機能も実装されている。あなたの部屋に、実際に現れるテイストだ。
みんな、それぞれ台詞とおやすみのキス付きとサービス精神たっぷり。
おやすみモードに入った際には、メンズの心音を聞きながら眠りにつくことができる。
このままだと、俺は『恋と深空』に仕事に運動、睡眠まで管理されちまう。
人生が『恋と深空』になっちまう。次に実装する機能はいったい何だというのか。
父親目線で始めた恋愛シミュレーションゲーム『恋と深空』……
私が電ファミニコゲーマーさんで書いた記事は、ついにこれで7本目に突入する。
振り返ってみれば、激動の1年であった。
メインストーリーを進めるためには怪物とのガチバトルが必須で、主人公の特殊な力を狙う謎の組織を追うスパイ・ドラマのような展開。そして、癖強メンズたちとの豊富な交流要素……
まさか、父親目線でプレイしはじめたら、1年越しに娘の結婚式(厳密に言えばプロポーズシーン)を見ることになるとは想像もしていなかった。
私が娘の婿として選んだ相手はレイだったが、彼は娘想いの本当にいい男で、父親としてこれほど誇りに思うことはない。
おめでとう、娘!おめでとう!レイ!
さて、あえて父親目線を抜きにしてこのゲームを振り返ってみると、この1年追ってきた『恋と深空』は戦闘、恋愛、重厚なシナリオと考察しがいのある世界設定、濃いキャラクター、デート要素、撮影要素、着せ替え、やり込み要素など。凄まじい熱量で作られたタイトルだと感じられた。
今回はレイのストーリーを追ったが、このゲームには5人分のたっぷりとしたストーリーが用意されている。もちろん普通に遊んでもいいし、父親目線で遊んでもいい。その選択はプレイヤーに委ねられている。お好みのキャラクターと仲良くしてほしい。
どんどん新要素とストーリーが追加されていく『恋と深空』の今後の動向に期待したい。
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