──ずっと、見えていた。
──ずっと、聞こえていた。
皆さんの、最後の生き様。
皆さんの、最期のことば。
ひとりだけ消えることを
拒んだ愚かな私のために、
笑って、
一足先に、虚空へと飛んだ、
異世界のまぼろしにして、
最愛の同胞たち。
もし
もし
手遅れでないなら
私は今度こそ
私のすべてを費やして
4つの指さしを 抱き止めたい
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「──遠隔接続、確立。
大丈夫ですよ、ビョルカ氏。
間に合いました。
照準も、火力も、万全です。
これが、巡礼者4人の、
あなたを想う心の結晶。
よろしいですね」
──はい
お願いします
これを見ている皆さん
どうかその目に
焼き付けて
この一瞬を
どうか
永遠に──
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(ビョルカ
おまえは我のあこがれだった
ヴァルメイヤ・コア
おまえの無念をそそぐため
我は神たろうとした
神たることで
身に余る力を正そうとした
間違っていたのだな
なぜならおまえは
我の全てを否定して
全ての過ちを受け止めて
なお美しき
永遠となったのだから)
……さて。
ここからは、蛇足です。
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……
ここは、どこだ?
……牢屋?
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「気付きました?
フレイグさん。
ここは、鍵アカ……もとい、
『護符』の作り出す
小さな結界のなか。
形はあんま選べなかったので、
見た目は気にしないで下さい」
……なんだ?
ここには僕だけじゃなく、
みんなの気配がある……
全部消えるって話だったろ?
ちがったのか……?
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「そのはずだったんですが……
少しばかり、奇跡に余裕が
生じましたので……
巡礼者おのおのがたの
魂のかけらを集め、
こちらへ退避したってわけ。
とはいえ、
あまり時間がないので、
簡単に説明しますね」
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「『戦乙女の冠』は、破壊……
とまではいかなかったものの、
著しく弱体化。
二度と暴走はしないでしょう。
『巡礼』は終わりました。
つまり、あなたがた5人が
この世で苦しむことは
もう二度とない。
レイズル氏の『救い』は、
最高のかたちでなされた、
といえます」
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「ただ、まあ。
さらなる最高、ってのが
もしあり得るなら、
この不肖(ふしょう)アオイトリ、
もうひと肌脱いでもいいかな、
ってわけでして」
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「少しだけ余った
祈祷(プレイ)の力で、
あなた方のうち1人だけ、
人間にしてさしあげる
って言ったら、どうです?」
……
そんなことが、できるのか。
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「できるのです。
びっくり。
その1人は記憶を保ったまま、
オスコレイアではなくなり、
人並みの肉体と寿命を得て、
ヘルドラの地の住人として
生きることができます。
オマケで服もつけちゃいます!」
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「ま、滅びに瀕(ひん)した世界で
一人旅ってオチが、
幸福とは断言できませんけど。
それでも、わたしとしては、
おススメかな。
みなさんはあの時、
永遠を手にし、一つとなった。
その記憶は、
受肉する1人がどんな人生を
辿るにせよ、それを幸せに
照らすはず、ですから」
……なるほど、ね。
こういうつもりがあったから、
あえて悪ぶったんだろ。
打算がまじることで
『儀』を失敗させないために。
お前も、レイズルさんも。
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「な、なんのことですかね?
……不完全で、すみません。
これが今できる、
せいいっぱいで。
あとひとつ、
言いにくいことが……」
気付いてたよ。
選択肢は、4つしかない。
だったら、僕はいい。
みんなに、
チャンスをあげてくれ。
頼めるか、アオイトリ。
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「……
言い出しといてなんですが、
フレイグ氏、あなたってば、
どんだけ人がいいんですか……」
そんなんじゃないよ
僕の 魂の『故郷』……
滅びた異世界を
少し思い出したんだ
人の命は永遠じゃないし
僕は結局 どこまでいっても
ひとでなしだから
みんなのための剣と盾として
使い捨てられるのが
いちばん幸せなんだ
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「……分かりました。
お話は、ここまでです。
あなたと会えてよかった。
ありがとう、フレイグ氏。
さようなら」
ああ。
お前と、祈祷者(プレイヤー)
のみんながいてくれたから、
ここまで来られた。
改めて、ありがとう。
幸運を。
……
えーと。
祈祷者(プレイヤー)、おのおのがた。これから最後の選択肢を出します。
出すんです、が、
よりによって「アオイトリ」に「幸運を」ですって。
気に入らないな~~~~~!!!
このどうしようもないお人よしが、
選択肢ゼロで消滅する!そんな結末、
ど~~~にも気に食わなくなりました!よって不肖アオイトリ、ちと修羅に入ります!
もし、差し支えなければ!
ノッて下さるなら!おのおのがたも、いまひとたび、
無理を乗り越える奇跡の力をお貸しください!!
【ルート分岐:祈祷】
最後の選択です。
選ばれた方は、ヘルドラの住人としての肉体を得るでしょう。