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カプコンから社員を10人も引き連れて独立した男が、なぜ『ロックマン ゼロ』の開発を任されたのか? 焼き鳥トークで入社したカプコン時代、塩ゆでパスタで生き抜いた極貧時代、そして『ロックマン』シリーズ開発までの道のりを聞いてみた

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ゲーム業界の人間とお酒を飲みながら、居酒屋のノリでぶっちゃけ話を聞き出す動画企画ゲーム人生酒場」

第1回の日本ファルコム社長・近藤季洋氏インタビューに続く第2回・前編となる今回は、『ロックマン ゼロ』『ロックマン9』『蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルト』といった2Dアクションゲームの開発で知られるインティ・クリエイツの代表取締役社長・會津 卓也(あいづ・たくや)氏にゲーム業界のぶっちゃけ話を聞いていく。

會津氏は元々はカプコンのスタッフで、1996年に当時のカプコンの同僚を10人ほど引き連れてインティ・クリエイツを立ち上げたのだという。一見するとカプコンに対する離反とも思える行動を起こした會津氏らだが、当時のカプコンは彼らを出禁にしたりはしなかったのか?そして、そんな彼らがなぜ最終的に『ロックマン ゼロ』や『ロックマン9』といったカプコンタイトルの開発を行うことになったのか?

今回は、そんな會津氏がカプコンに入社した経緯から、インティ・クリエイツの立ち上げに至った流れ、そして『ロックマン ゼロ』シリーズなどの開発に至るまでにあった、ぶっちゃけ話を聞きだしていく。

なお今回は動画だけでなく、本稿にてテキスト版も用意させていただいたので、電ファミのインタビュー形式で読みたいという人もこの下に続く記事にぜひ目を通してみてほしい。

聞き手は先日、元ゲーム会社社長という経歴が明かされた謎の小説家・喜多山浪漫と、弊誌編集長・TAITAIが務める。

焼き鳥の話でカプコンに入るも3年で独立、『ロックマン ゼロ』『ガンヴォルト』開発のインティ・クリエイツ社長に奇妙な話が多すぎる_001
喜多山浪漫氏の小説作品『エトランジュオーヴァーロード』はこちら(小説家になろう)
喜多山浪漫氏の小説作品『魔法捜査官』はこちら(小説家になろう)

聞き手/喜多山 浪漫、TAITAI

『ゲーム人生酒場』第2回・前編 オープニングトーク


焼き鳥の話でカプコンに入るも3年で独立、『ロックマン ゼロ』『ガンヴォルト』開発のインティ・クリエイツ社長に奇妙な話が多すぎる_002

喜多山 浪漫氏(以下、喜多山氏):
今日は千葉のインティ・クリエイツさんの本社ビルにお邪魔しています。

會津 卓也 氏(以下、會津氏):
そうですね。……本社ビル?(笑)まぁ、本社テナントです。

喜多山氏:
テナント、ということで(笑)よろしくお願いします。
じゃあ、早速なんですけどまずは一杯、軽く入れていただくということで……。

會津氏:
そうですね。ちょっと……あの、医者にいろいろ言われているので、糖質70%オフ気味のヤツで。はい。

一同:
よろしくお願いします。(乾杯)

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(美味しそうにビールを飲む會津氏)

會津氏:
いただきます!

喜多山氏:
簡単に、まず自己紹介みたいなところからお願いしたほうがいいですかね。

會津氏:
そうですね。インティ・クリエイツで代表取締役をやっております、會津(あいづ)です。

私は昔、カプコンさんという大阪の大手会社でゲーム業界へ初めて就職させていただきまして。
そこには3年しかいなかったんですけど、その後カプコンを退職してインティ・クリエイツを設立したのが、1996年の5月でした。なので今は会社を設立してから27年ぐらい経ってるという形になりますね。

※インティ・クリエイツ
カプコン所属だったスタッフが10人ほどで独立して創業した会社。『ロックマン ゼロ』、『蒼き雷霆ガンヴォルト』、『ぎゃる☆がん』などが代表作で、現在も2Dアクションゲームの開発を主に手がけている。

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カプコンに入社できたのは、父親の焼き鳥屋を手伝っていたからって…どういうこと!?

このパートから視聴する場合はこちらから!

TAITAI:
まず、何がきっかけでゲーム業界を目指していたのか、なぜその業界に入ったのか、というところからお聞きできればと思います。

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會津氏:
小学校4年生の時に『ファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)』が発売されまして、うちの父親が「コンピュータゲーム」に理解があるというか、父親本人が遊びたかったんですかね。それでファミコンを買ってくれました。

それで確か5年生の冬か6年生ぐらいの時だと思うんですけど、次に『ファミリーベーシック』(ファミコン用の家庭用プログラミングソフト)というのが発売されまして。

喜多山氏:
ありましたね。

會津氏:

当時の触れ込みだと、「これであなたもゲーム作れますよ」というものが出ましたので、「あ、これだ!」と感じて購入しました。そのあと『MSX』のコンピュータを触ったりもして、プログラムをしてたのがだいたい小学校5、6年生くらいの時でした。

次に中学に入って、学校にあった『PC-8801』に興味を持って。そのあと両親に『PC-8801mkⅡMH』を買ってもらえて、ゲーム作りにどっぷり漬かって行くことになりました。

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會津氏:
なかでも当時は、やっぱり日本ファルコムさんのゲーム、とくに『ザナドゥ』とか『ロマンシア』、そして『イース』でとんでもない衝撃を受けまして……まあ、これゲーム業界の人間として本当は言ってはいけないようなことんですけど、当時、リバースエンジニアリングしまくってですね…(笑)

リバースエンジニアリングとは、製品を解析して技術や構造を調べること。

會津氏:
「どうやって作ってるんだこのゲームは!」ということで、色々と調べて88用のOSを作ったり、音源ドライバーを作ったりしました。色々と、そんなことをしている学生時代でした。当時、パソケットという同人ソフト即売会が名古屋で発祥しているんですけど、そこにサークルで参加させてもらったりもしました。

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會津氏:
先日、Twitter(現X)上に、私がその時サウンドドライバーを提供した同人ソフトのキャプチャー画面を上げて、「SOUND:TAKUYA AIZU」って表示されているけど「これって貴方ですか?」みたいなのがタイムラインに流れてきてドキッとしたんですけど。それ、私なんですよ(笑)

そういった同人ソフトの開発に関わったりとかして、「ゲーム会社を作りたいな」というふうに思ったのが中学3年生の時か 高校1年生の時ですかね。

喜多山氏:
そうだったんですか。

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會津氏:
で、ゲーム会社をずっと作りたくて作りたくて……と言う風にやってたんですけど、高校卒業したらすぐに「私、ウルフ・チームっていうところに入りたくて」と、親に相談したんです。そしたら、めちゃめちゃ怒られまして……「高校卒業でそんなのありえないよ」と言われてしまいました。でも、大学に行く気もなかった。

そこで、親から「それなら情報処理の資格とか取りなさいよ」と言われたので、「じゃあ仕方がないな」と妥協しました。専門学校を2年ぐらい舐めてからゲーム業界に行けばいいだろうと思ったんですよね。

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會津氏:
で、3年生になった時に(3年制の専門学校だった)「どこか就職の案内来てないですか?」って言ったら、ちょうどカプコンさんの案内が来ていたんです。そして面接受けたら、面接官から「いつも何やってんの?」と聞かれました。

私はプログラムのバイトもしてたんですけど、父親が焼き鳥屋をやっていたので、プログラムのバイトを夕方までして、家に帰ると夜1時まで焼き鳥屋のバイトをしてますって答えたんです。

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會津氏:
そしたら、なぜか面接官から「お前、焼き鳥の部位の話わかるか?」と聞かれまして。私は「いやあの、せせり肉って首の肉があって、クニクニにしてておいしいですよ」とか、なぜか焼き鳥の説明を延々と10分ほどしてました。

そして、面接が終わり「これ、カプコン落ちたな…」と思ってたら、受かってたんですよ!「あ、良かった~」と思って……カプコンに就職したというのが、ゲーム業界に入った流れですね。

TAITAI:
なるほど。

會津氏:
カプコンに拾ってもらえたのは親父の焼き鳥屋の手伝いしていたからという(笑)

一同:
(笑)

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喜多山氏:
そうなんですね。でも、中学でもうゲーム会社を作って社長になりたいっていうところまでイメージを固められてたというのも、すごいなと思うんですよね。

會津氏:
それは、親の教育っていうかですね、親戚一同から「この子は社長になるか、乞食になるか、どっちかだ」とずっと言われてたんですよね(笑)

喜多山氏:
両極端(笑)

會津氏:
自分は乞食は嫌だな~と思ったので、「目指すなら社長だ!」と、ずっと小さい頃から思っていたんです。たぶん、物心ついた時からずっとそう言われています。

喜多山氏:
周りからずっとそう言われてたんですね。

會津氏:
ええ(笑)

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ライター
MOTHER2でひらがなを覚えてゲームと共に育つ。 国内外問わず、キャラメイクしたりシナリオが分岐するTRPGのようなゲームが好き。 Divinity: Original Sin 2の有志翻訳に参加。 ゴーストオブツシマの舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23

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