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【今日は何の日?】『モンスターハンターワールド』が発売された日(1月26日)。シームレス化したフィールドが特徴で、カプコン製タイトルとして史上最高の販売本数を記録した

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 1月26日は『モンスターハンターワールド』が発売された日だ。

 『モンスターハンターワールド』は2018年にPS4とXbox One向けに発売され、同年の8月9日にPC(Steam)版もリリースされた『モンスターハンター』シリーズの一作。タイトルにナンバリングの数字は当てられていないものの、スピンオフではない『モンスターハンター』シリーズ直系の作品と位置づけられている。

 2022年7月時点で販売本数は2100万本を突破しており、カプコン公式サイトの「ミリオンセールスタイトル」によれば同社のタイトルとして史上最高の記録を達成している。なお、こちらのページでは『モンスターハンターワールド:アイスボーン マスターエディション』の販売本数が合算されていないため、1850万本と記載されていることには留意されたい。

 基本的なゲームプレイは従来の作品を踏襲しており、プレイヤーは「ハンター」となってさまざまな環境に生息するモンスターたちを狩猟する。狩りを成功させることで入手できる素材を集め、より強力な武器や防具を制作し、さらに強力なモンスターに挑んでいく……というサイクルがゲームの基本的な構造だ。

『モンスターハンターワールド』1
(画像はSteam『モンスターハンターワールド』販売ページより)

 “オンライン協力プレイ”というシリーズが確立してきた魅力を継承し、最大4人でのマルチプレイで巨大なモンスターに立ち向かうことができる。「調査拠点」に用意された集会エリアにはネットワークを通じて最大16人のプレイヤーが集まることができ、一緒にクエストに出発することはもちろん、腕相撲などに興じることも可能である。

 またクエスト途中でも「救難信号」を出せば、オンラインでほかのプレイヤーに助けを求め、複数人で狩りに望めるようになる。メンバーを集めてからクエストをはじめる、という従来の手続きを省略するとともに、救援に向かう側もモンスターを選んで狩猟におもむけるため、素材集めなどに活用できるシステムとなっている。

 武器種にはおなじみの「大剣」、「片手剣」、「ランス」、「弓」など14種類が登場。もちろん行えるアクションはそれぞれ異なるため、1種を極めるか、複数の武器を狩猟対象にあわせて使い分けるか、その選択はプレイヤー次第だ。近距離武器と遠距離武器で防具が異なる仕様は本作から廃止された。

 また新たな装備として、左腕に装備する小型の弩「スリンガー」が登場し、「閃光弾」や「音爆弾」といったアイテムを高い精度で発射することができるようになった。メイン武器が近接装備のハンターも遠距離での攻撃手段を獲得するとともに、石ころや木の実などフィールド中に落ちたさまざまなものを弾として扱えるため汎用性も高い。

『モンスターハンターワールド』2
(画像はSteam『モンスターハンターワールド』販売ページより)

 本作における大きな変化としては、何よりもフィールドのシームレス化が挙げられるだろう。従来のシリーズ作品では区切られたエリア間を移動する際に画面が切り替わる仕様が一般的だったが、『モンスターハンター:ワールド』ではひとつの大きなマップとしてデザインされている。さらにエリアによっては上下での大きな移動をはさむ階層構造が採り入れられており、トータルしたマップのスケールは過去作から大きく拡大した。

 ボリュームアップしたマップの中で狩猟対象のモンスターを見つけるための手段が「導蟲」だ。フィールド上にはモンスターの足跡や爪跡といった痕跡が点在し、これらから導蟲に対象のにおいを覚えさせることで光の筋となってナビゲートを行ってくれる。

 くわえてフィールド中にはモンスターの動きを止められるツタや、使用すると体力を回復できる虫や草など、狩猟の助けとなる自然物が多数用意されている。一部の生物については、捕獲して拠点の「マイハウス」に配置して鑑賞するという楽しみもある。

 発売後にはThe Game Awards 2018にて「Best RPG Game」を、Golden Joystick Awards 2018にて「Best Co-operative Game」をそれぞれ受賞。日本ゲーム大賞2018でも大賞に輝くなど、国内、海外を問わず高い評価を獲得してきた。

『モンスターハンターワールド』3
(画像はSteam『モンスターハンターワールド』販売ページより)

 2019年9月6日には超大型拡張コンテンツ『モンスターハンターワールド:アイスボーン』(以下、アイスボーン)が発売。ゲーム本編のエンディング後から始まるさらなるストーリーを描いた追加ダウンロードコンテンツで、前人未到の寒冷地「渡りの凍て地」を舞台とした物語がつづられる。

 「冰龍 イヴェルカーナ」「雷狼竜 ジンオウガ」「溟龍 ネロミェール」といったモンスターが登場し、フィールド中でもトウガラシを採取してホットドリンクとして運用するなど新たな戦略が求められるようになった。
 
 さらに新アクションとしてスリンガーの拡張機能「クラッチクロー」が実装。こちらは鋭い爪状のクローを発射してモンスターにしがみつき、その動きを制御するといった新しい立ち回りを可能にしている。しがみついた状態では武器による特殊な攻撃を繰り出したり、スリンガーの弾を全弾発射してモンスターを吹き飛ばすといったアクションも行える。

 くわえて『アイスボーン』からは全武器種で抜刀中にスリンガーが使用可能となり、武器種ごとの新要素も用意されたことでアクションの幅が拡張されている。移動面でも小型モンスターに騎乗する「モンスターライド」が追加され、場所を指定して移動しながら採集やアイテムの使用など戦闘の準備をすることができるようになった。

 2023年1月時点で『アイスボーン』の売上本数は1000万本を突破するなど、拡張コンテンツながらミリオンセールスランキングの5位に入賞する高い人気を誇る。

 『アイスボーン』のみならず『モンスターハンター:ワールド』では多数のアップデートが行われ、非常に豊富なコンテンツが追加されてきた。その中には『モンスターハンター』の枠組みを超えたコラボ要素も数多くみられる。

 カプコン製タイトルからは『ロックマン』『デビル メイ クライ』『ストリートファイターV』、そして『アイスボーン』配信後には『バイオハザード RE:2』とのコラボが行われた。『デビル メイ クライ』では「ダンテシリーズ」、『ストリートファイターV』では「リュウ装備」など、各作品を代表するキャラクターの装備品やコラボクエストが展開された形である。

 さらには『ウィッチャー3 ワイルドハント』『Horizon Zero Dawn』『アサシンクリード』『ファイナルファンタジーXIV』など著名な他社タイトルとのコラボも開催されている。珍しい例としては「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」とのコラボや、2021年公開の『映画 モンスターハンター』とのコラボも挙げられる。

 2023年1月現在、『モンスターハンター』シリーズの主軸は2021年に発売された『モンスターハンターライズ』を経て、同作の超大型拡張コンテンツ「サンブレイク」へと移り変わっている。当初はNintendo Switch向けに発売された『モンスターハンターライズ』だったが、その後PC(Steam)版を経て、PS4とPS5、Xbox OneとXbox Series X|S、PC(Windows)版も発売された。

 『アイスボーン』に行われた最新のタイトルアップデートは2021年1月と、いったんは落ち着きを見せた『モンスターハンター:ワールド』だが、その売り上げをはじめとした記録は、本作がシリーズの中でも特に大きな成功を収めたタイトルであることを証明していると言えるだろう。引き続き『モンスターハンター』シリーズの展開にも注目していきたいところだ。

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。

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