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期待のオープンワールドゲーム『鳴潮』はCBT版からさらにパワーアップし、より美しく快適に。倒した敵を「スキル」にできる「音骸」システムなど、ユニークな味付けが光る

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 歯ごたえのあるアクションゲームの醍醐味のひとつとして、「パリィ」「ジャスト回避」といった「瞬時の判断と入力が生死を分ける」瞬間が挙げられるだろう。

 しかし、そうした体験を得られるアクションゲームは、総じて高難度であることが多い。「そういう脳汁の出るような体験は、高難度だからこそ得られるのだ」と言われれば、ぐうの音も出ない。もちろんそんなことはわかっているが、アクション苦手勢でもカッコよくパリィを決めて気持ちよくなりたいのだ。

 しかし、もしアクションが苦手でも、そんな脳汁体験をお手軽に楽しめるとしたら?
 そんな「お得すぎて困ってしまう」ゲームが存在した。
 それが、KURO GAMES が手掛ける新作のアクションRPG『鳴潮(メイチョウ)』なのである。

 本記事では、「東京ゲームショウ2023」(以下、TGS)にプレイアブル出展された『鳴潮』のプレイレポートを会場の様子と共にお届けしよう。

 『鳴潮』はスマホ用のRPG『パニシング:グレイレイヴン』などを手掛けた中国のゲーム会社KURO GAMES が開発する基本料無料のアクションゲームだ。
 日本では4月に最初のクローズドベータテストを実施しており、開発段階ながら参加したユーザーやストリーマーなどから高い評価を受けている。

 今回試遊させて頂いたバージョンは既にクローズドベータテスト以上にクオリティアップが実施されており、天気の変化や、天気と照明の変化に応じたレンダリングの調整、「音骸システム」のパワーアップなどが行われている。

 TGSのブースはスタイリッシュな本作らしいデザインの大型ブースが出展され、コンパニオンや魅力的なプレイアブルキャラクターたちの立て看板、「無冠者」の巨大像などに彩られている。試遊に関しては待機列ができており、本作の高い注目度が改めて伺えた。

 本記事を機に、正式リリースへ向けて更なる進化を続ける『鳴潮』のポテンシャルの高さを感じて頂ければ幸いだ。

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取材・文/りつこ
撮影/松本祐亮

 


※この記事は『鳴潮』の魅力をもっと知ってもらいたいKURO GAMESさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。

「高難度アクション」の醍醐味と「カジュアル」の共存を目指したスタイリッシュアクション

 『鳴潮』の舞台は悲鳴と呼ばれる現象により滅亡の危機に瀕した「ポストアポカリプス」な世界で、プレイヤーは災害の影響により特殊能力を獲得した「共鳴者」となり、世界に蔓延る敵対生物「幻象(ファントム)」や敵対するテロリストのような組織と戦うこととなる。

 広大なオープンワールドのマップ上は中国の伝統的な建築にSF要素をくわえたフィールドも登場するいっぽう、『デス・ストランディング』を彷彿とさせる退廃的な雰囲気のエリアが多い。ビジュアルや会話シーンなど、全体的にダークでシリアスな作風が特徴となっている。

 ゲームを開始すると、プレイヤーは記憶を失った主人公としてチュートリアルをこなし、開始して数分で“かなりつよそうなボス”との戦闘がいきなり開幕する。最初のボス「無冠者」と、灰色に荒んだ大地を舞台に、1対1で戦っていく。

 この光景はまさしく「フロム・ソフトウェアの『ソウル』シリーズで最初に戦うアレ」であり、対峙すれば自然と体の筋肉が強張りはじめる。
 筆者は高難度アクションゲームがさほど得意ではないので、「これは最序盤からリトライを繰り返さなければならないのか?」と身構えて戦闘に臨んだ。

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 しかし、蓋を開ければ“なんとも良い塩梅”でボスを倒すことが出来たのだ。決して「ただボタン連打すれば勝てる」ような難度ではないものの、「バッキバキに心を折られる」ということもない。

 そんな絶妙な調整を編み出しているシステムが、本作の「ジャスト回避」「パリィ」システムだ。

 まず、本作では敵の攻撃を「ダッシュ」によりギリギリで回避することで「ジャスト回避」となり、バレットタイムが発生する。このジャスト回避は猶予時間が長く設定されており、初心者でも狙えば簡単に成功させられる。

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▲「ジャスト回避」が成功すると特殊な回避モーションとなり、バレットタイムで追撃ができる。

 また、敵キャラクターの特定の攻撃にあわせて「通常攻撃」を行えば「パリィ」が発生。プレイアブルキャラクターの攻撃は殆ど予備動作が存在しないため、こちらも「なんとなく」で狙えばアクションゲームが得意では無い筆者のようなプレイヤーでも成功させることができた。

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▲二重の金色の円が丁度重なるタイミングで通常攻撃を当てると「パリィ」が成功する

 本作において「パリィ」や「ジャスト回避」は“専用のボタン操作”を行わずに、戦闘中の一般的な行動の延長として発動できる。

 この仕様により、『鳴潮』では人を選ぶ「高難度アクションゲーム」の「瞬時の判断と入力」という醍醐味“誰でも気軽に”楽しめる戦闘が展開されるのだ。

 この「いいとこどり」はまさに『鳴潮』の発明であり、大きな美点となっているだろう。

クローズドベータテストから更にパワーアップ。より美しく快適なオープンワールド

 また、この度プレイしたバージョンは4月に実施されたクローズドベータテストから更なる改善が施されている。

 まず、探索できるエリアは更に拡張され、「ポストアポカリプス」を基調としながらも表情豊かな生態系が導入されている。さらに、「天気システム」が導入されることでプレイヤーが冒険するフィールドでは昼夜のみならず「天候」も変化していく。

 この天候やライティングの動的な変化に伴い、画面のレンダリングも調整が施されており、以前のバージョンと比較しても今まで以上に豊かな色彩の階調、ディテールの表現に進化しているだろう。

 オープンワールドのアクションゲームとして、さまざまな場所を訪れる楽しさはより力強く進化していた。

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進化したグラフィック表現
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※こちらはCBT時のビジュアル。現行バージョンはより豊かな色彩に彩られている。

 また、モバイル端末のセッティングとUIに調整も実施され、キャラクターに関してはデザインを初めとするさまざまな表現が改善されているという。

 本作の大きな見どころのひとつは「バラエティに富んだアニメ調のキャラクター表現」であり、この点は製品版に向けてますます魅力的に仕上げられているだろう。

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※画像はクローズドベータテスト時のキャラクター

そして後ほど紹介する本作のユニークな「音骸システム」に関しては、収集可能なモンスターも増加している。

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 これらの変化により、クローズドベータテストをプレイした方も、改めて『鳴潮』をプレイする価値があるはずだ。正式版に向けた更なるアップデートを引き続きチェックしよう。

見どころは「ボス戦」。ラスボスみたいな最初のボス「無冠者」の巨大像がTGSに登場

 上述のように本作では「ボス戦」にフォーカスした設計となっており、なかでも、このたびプレイしたバージョンで戦えるヴィラン「スカー」は「カード」を駆使した爆撃や防御から派生した攻撃、形態変化など豊富かつクールな攻撃手段を持っており、歯ごたえと充実感のある敵キャラクターとなっていた。

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 戦闘のニュアンスとしては人型キャラクターらしくプレイアブルキャラクターに近いパリィや急激な回避、トリッキーな奇襲、プレイヤーの行動の選択を絞る強力な大技が特徴だ。戦闘の際には「多彩な攻撃手段」にリアルタイムで対応していくことで「得体の知れない強キャラ」を倒す感覚を存分に味わえるだろう。

 ちなみに、前述のとおりTGSの会場では最初のボス「無冠者」の巨大なスタチューが展示されており、来場者の方が一緒に写真を撮ったりと人気を博していた。

 「無冠者」のいかにもな強キャラ感に心奪われた方は、ぜひ実際にゲーム内で刀を交えて頂きたい。

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倒した敵を「スキル」に出来る「音骸」システム。バラエティに富んだ攻撃手段でド派手な戦闘に

 本作のアクションは前述した緊急回避、通常攻撃のほか、キャラクターごとの固有スキル、必殺技、そして倒した敵をスキルとして使用できる「音骸システム」が用意されている。

 特にシンプルながら表情豊かな攻撃手段は、本作の戦闘に華を添える要素になっている。

 「固有スキル」はキャラクターごとに仕様が異なり、「固有のゲージ」を消費して強力な攻撃を繰り出せたり、パーティー全体を回復できたり、自身の体力を消費して大ダメージを与えられたりとバラエティに富んでいる。

 さまざまな「豊富な固有スキル」はキャラクターごとのシナジーを作り出し、パーティー編成の戦略性を高める魅力的な基本システムとなっているだろう。

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▲「熾霞(シカ)」は画面中央下側の波形のようなゲージを消費し連続の射撃を行える。

 前述の通りに本作はトゥーンシェーダーを駆使したアニメ調のキャラクター表現に長けており、各キャラクターのビジュアル、必殺技などのダイナミックな戦闘アニメーションも大いに魅力的である。

 ユニークな性能のキャラクターが多数用意されることで、ゲームのシステム面を楽しみながら自然と「キャラゲー」としてアートワークを堪能することもできそうだ。

 また、特に注目したいのは「音骸」システムだ。

 「音骸」システムは、本作に登場する敵キャラクター・「幻像(ファントム)」を倒した際に、一定の確率で自らのスキルとして獲得できるというもの。

 モンスターは一般的な敵キャラクターだけでなく、ボスキャラクターも自身のスキルとして獲得できる。使用した際にはモンスターを召喚するものと、モンスターに変身するロマン溢れる仕様となっており、便利なだけでなく戦闘を大いに盛り上げてくれるだろう。

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倒したボスキャラクターに変身し、更なる強敵と戦おう

 スキルの効果は基本的に敵キャラクターの性能を再現したものとなっており、プレイヤーにも使用したダイナミックな攻撃のほか、「敵の動きを遅くする空間を出現させる」といった特殊な妨害などもラインアップ。

 さらに、以前公開されたファミ通のインタビューによると、登場する全ての敵キャラクターを自らのスキルにすることができるそうだ。自身が使用するキャラクターとの相性を考えるなど、「音骸」システムはパーティー編成やスキル構成の戦略性を更に高めるものとなっているだろう。

 音骸に関しては強化して性能を上げることも出来るため、RPGとして育成要素の幅を広げる役割も果たしている。

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 このように、『鳴潮』は戦闘の華である「スキル」ひとつ取っても多様な演出とコンテンツが詰め込まれている。あくまでもゲームプレイはカジュアルに楽しめるデザインだが、かといって寂しくならず、白熱の戦闘に仕上がっているはずだ。

掴みどころのないセクシーなお兄さん「アールト」。チャラかっこいい強キャラ感がステキ

 また、本作のユニークなキャラクター陣に関しては、9月20日に「敵か味方か」明確に分からない組織「黒海岸(ブラックショア)」のメンバー・アールトのPVが公開された。

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 アールトは利益第一の「情報商人」とされ、霧を操る共鳴者だ。『鳴潮』の冒頭でも登場するいっぽう、その能力にちなんだ掴みどころがない“胡散臭さ”を放つ人物となっていた。

 アールトは「爽やか」を通り越していわゆる“チャラい”口調のキャラクターだ。しかし、彼は小さな町の噂話から重大な政治機密までを知り尽くす“やり手”であり、真意の読めない立ち振る舞いが返って興味をそそる人物となっている。
 
 アールトは二匹のぬいぐるみのようなクリーチャーを携えた幼い少女のキャラクター「アンコ」とコンビを組んでいる。お茶目で可愛らしい「アンコ」が得体の知れないアールトとコンビを組んでいる点はふたりのユニークなキャラクター性を高めているだろう。

 このたび公開されたトレーラーは、捉えられたアールトが実に“らしい”挑発の後、霧の能力を駆使した脱出と撃退を披露している。

 戦闘シーンでは軽快なトークと鮮やかな銃撃で多人数の敵を殲滅しており、見事に「チャラカッコいい」強キャラ感を楽しめる。

 正式版ではゲームを進めて「頼りない凸凹コンビ」の“フリ”をしたアールトとアンコの本心や真の目的も見どころになりそうだ。

半自動のパルクールが作るノンストレスのオ―プンワールド探索

 本作をプレイするとまず「とにかくキャラクターの機動力が高い」ことに気づかされる。

 用意されている移動用アクションは緊急回避とジャンプ、グライダーによる滑空を主体としており、崖を登ったりダッシュを行うことでスタミナを消費する。

 とはいえ、各アクションによるスタミナの消費量はかなり少なく、切り立った崖なども「壁走り」でスイスイと走ることができる。いわば殆どのアクションはパルクールのようなニュアンスと機動力を兼ね備えており、戦闘以外で「スタミナ管理」を行う必要はない。

 これにより「広大な世界」を探索するストレスはかなり抑えられており、「見えた場所へ行ってみる」というオープンワールドの探索をかなり軽快なテンポで楽しむことができるだろう。移動時のアクションのスタイリッシュさは視覚的にも操作していても心地よい仕上がりだ。

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▲垂直の壁面もゴリゴリ走り抜けよう

 また、探索においては『モンスターハンターライズ』における「翔虫」のようなグラップリングフック風のアクションや『デス・ストランディング』センサーのようにマップをスキャンする機能、マップ上に存在するオブジェクトを浮かせるアクションなどもラインナップ。随所でギミックを活用したパズル要素も用意されている。

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 マップはインダストリアルな高山に灼熱の大地、アイスランドのような無骨な大自然、中国SFな拠点、かつて人類が住んでいた廃墟などバラエティに富んでおり、同時に家庭用ゲームのオープンワールド並みに広大だ。

 つまるところ本作は「オープンワールドを楽しんでみたい」という需要に充分に答えながら、かなりテンポの良い探索を楽しめる点も大きな魅力となっているだろう。

TGSに際した生放送も実施。「秧秧(ヤンヤン)」役の石川由依さん「アールト」役の岩崎諒太さんも出演

 TGS2023にあわせて『鳴潮』の生放送が実施され、同作の新情報も公開された。

 出演者は視界として百花繚乱さん、石川由依さん、岩崎諒太さん、しろさんが出演。番組では「秧秧(ヤンヤン)」の声優を石川由依さんが、「アールト」の声優を岩崎諒太さんが担当することや、天気システム、アールトとアンコが所属する謎の組織「黒海岸(ブラックショア)」をはじめとする各種設定の紹介などが実施された。

 また、TGS2023のブースの出展情報なども紹介されており、出展される「無冠者」の巨大像のビジュアルや制作過程の一部も公開。ブースに出演する公式コスプレイヤーの情報も紹介された。

 このほかに、『鳴潮』のグッズや「Amazonギフト券」があたるキャンペーンもX(旧Twitter)にて開催。いずれも9月27日まで実施されるため、プレゼントが欲しい方は応募条件にしたがって参加してみてはいかがだろうか。

 


 『鳴潮』にはカジュアルさと歯ごたえの両立を目指したアクション、末世世界を舞台にしたポストアポカリプス調の世界設定、キャラクター表現をはじめとする美麗なアートワーク、そして近年のトリプルAタイトルを彷彿とさせるさまざまなギミックが用意されている。

 これらの要素はすでに大ヒットしている類似ゲームを踏襲しつつ、本作独自の魅力を生み出すものであり、正式リリースに向けて牙を磨く本作の大きなポテンシャルとして解釈できる。

 日本語ボイスの実装も予告されているため、『鳴潮』に興味を持った読者は、正式リリースに向けて進化していく本作の情報を引き続きチェックしよう。

編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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