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PlayStation初の“トリプルA級”ワイヤレスイヤホン「PULSE Explore」の音がファビュラスすぎて「真のゲームの音響」を思い知らされた。「こんな音も鳴っていたのか」と驚く体験が楽しい

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12月6日に発売されたPlayStation初のワイヤレスイヤホン「PULSE Explore」。イヤホンのレビューと言えば“善(よ)い音”を聴かなければならない。

そこで私は、PS5にも対応するSpotifyでポッドキャスト「叶姉妹のファビュラスワールド」を拝聴させて頂いた。

Spotifyで配信されている「叶姉妹のファビュラスワールド」

聞き覚えのある恭子さん美香さんの声も「こんな“お声”をされていたのか」と驚く。

良い。冗談っぽいイントロを書く必要がないレベルでまっすぐに音が良い。

というのも、本商品のサウンドは超低域から高域に至るまで、全ての音を丁寧に表現するものとなっている。音源が持つ帯域の幅の広さを耳で直接的に感じ取ることができ、まさにハイファイな音源が持つ魅力に最適だ。

また、ビデオゲームの音声と言えば音の立体感/分離間の表現が気になるところ。実際に使用すると敵の位置はもちろん、音声から手前や奥の遠近感を読み取ることができる。ゲームにもバッチリだ。

「PULSE Explore」レビュー。トリプルA級ゲームに最適なワイヤレスイヤホン_001

つまり、本商品はハイエンドな音響に最適化された設計になっており、音響に魅力のあるタイプの音楽や、サウンドデザインが作り来れた近年のトリプルAタイトルが持つポテンシャルを存分に引き出すワイヤレスイヤホンとなっているだろう。

本稿では、ラグジュアリー。いや“ファビュラス”な「PULSE Explore」のレビューをお届けする。

あなたも本商品を使用すれば、「ファビュラス」過ぎるサウンドにより恭子さん、美香さんを彷彿とさせる幻覚が見えてくることだろう。

取材・文/りつこ

※株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントから商品の提供を受けています。


もちろん低遅延&高音質な「PULSE Explore」。品質だけじゃなく普通に使いやすい

「PULSE Explore」はPlayStation初のワイヤレスイヤホンで、価格は2万9980円(税込)。12月6日より発売を開始した商品だ。

商品にはかっちょいい充電ケースとイヤホンのほか、接続用のPlayStation Link USBアダプター(以下、ドングル)、耳の穴のサイズにあわせてカスタムできるイヤーピース充電用のケーブルが同梱されている。

同梱されているドングルは低遅延のロスレスオーディオを実現するワイヤレスオーディオ技術「Playstation Link」で接続する際に使用するもので、PS5であればドングルを本体に接続してすぐイヤホンでゲームの音声を聴くことができる。PCのUSBポートに差し込むことでPS5と同じように「Playstation Link」による接続が可能だ。

専用のドングルが用意されることで、低遅延かつ高音質で音声データの通信が可能になっている。

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また、本商品にはプロフェッショナルなサウンドエンジニア向けのヘッドホンと同様の「カスタム仕様のプレーナーマグネティックドライバー」が搭載されている。

このことから音を発生させる振動版を均一で綺麗に動かし、クリアな音の提供を実現しているのだと推測できる。いわば、公式の情報などを参照しても「高音質」であることが伺えるかたちだ。

つまるところ、本商品をざっくり形容すれば低遅延、高音質である点に注力し「お手頃より」「ハイエンドな商品」として制作されたワイヤレスイヤホンと言えるだろう。

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とはいえ、「ワイヤレスイヤホン」であるならば携帯して出先で使用したいし、取り回しの良し悪しも気になるところ。その点、「PULSE Explore」はゲーマーの日常における利便性も優れている。

まず、本商品はPS5(PC)の音声とスマートフォンやタブレットの音声を同時に聴くことができる。

仕組みとしてはドングルを使用してPS5およびPCなどに「Playstation Link」でイヤホンと接続し、スマートフォンやタブレットにはBluetoothで接続する。

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これにより、スマートフォンで音楽を聞いたり、YouTubeの動画の音声を楽しんだり、友達と通話しながらゲームを楽しむことが可能になっている。

現実的な問題としては、やはりゲームをヘッドホンやイヤホンで楽しんでいて、大事な連絡を見逃してしまうこともあるだろう。そういった問題をクリアしてくれる点においても「Bluetooth」と「Playstation Link」の同時接続機能はガチで有難い。

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いっぽう、バッテリーに関しては最大5時間。充電ケースと併用することで最大10時間使用可能だ。充電ケースも意外とコンパクトなため、外出中での仕様も特に問題なく使用できるだろう。

イヤホンは特殊な形状だが充分軽く、装着時も圧迫感が控えめで使いやすい印象だ。

さらに、本商品にはマイクも搭載されており、AI技術を駆使して雑音やノイズを除去してくれる機能も備わっている。お母さんが立てる物音が気になりボイスチャットが使用できないゲーマーや、外出時の通話に適した機能となっているだろう。

最近のコンシューマゲームって音響がマジでハイエンド。余すことなくゲームの音を楽しみてぇなら「PULSE Explore」が丁度良さそう

さて、そんな「PULSE Explore」はビデオゲームで遊ぶ上で最適なのだろうか。正直オーバースペックであるように感じる読者もいるかもしれない。

しかし、実際に本商品を使用してゲームをプレイすると「こんなにいろんな音が鳴っていたのか(涙)」と思い知らされた。

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筆者は3月24日に発売された『バイオハザード RE:4』をプレイしたが、冒頭では死体に群がるハエの音、遠くで泣きわめく鳥の声、そしてBGMとして流れるダークアンビエントを綺麗に聞き分けることができた。

さらに、他の部屋をうろつく「村人」の足音も聞こえるし、それぞれの音声が持つ距離感もバッチリ分かる。いわば「小さな音も逃さない」「音の立体感、分離感もバッチリ」である。

結果として「作品の世界に存在する音」が「何の音であるのか」「何を伝える音なのか」が明確に理解でき没入感が高まるし、つまりはゲームの音源に対して「本来あるべき鑑賞」を可能にするワイヤレスイヤホンになっている。

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たとえば、リアリズムを追求する『グランツーリスモ』シリーズでは実際に車のエンジン音を収録するのは勿論のこと、車のエンジン音を物理シミュレーションで再現するシンセサイザーを開発したり、サーキットでの録音作業により「サーキットの音響を再現するリバーブ」を作ったり、壁面からの反響音を再現するといった取組みを音響面で取り組んでいる。

また、カプコンが2017年にリリースした『バイオハザード7』ではNative InstrumentsのKONTAKTをベースに内製で開発した音源を用意し楽曲を制作したり、生のオーケストラによる演奏を収録したり。テクニカルなフォーリーの収録で非現実的なクリーチャーの声を作ったりと、イカつく、ときにユニークな取組みを経て製作されている。

『ポケットモンスター』シリーズにおいては「ポケモンの自然な鳴き声」を求め、スピーカーとマイクを持って山を登ったりしているそうだ。

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画像は『グランツーリスモ7』より

上述した例はこの世のコンシューマーゲームの一部に過ぎない。しかし、音響技術とゲームエンジン、またゲーム用のサウンドに特化したミドルウェアが発展することで、多くの人がプレイするトリプルAタイトルに関しては特に「気合の入ったサウンド」を楽しめる作品が多いだろう。

もちろん、それらを「高いイヤホンじゃないと味わえない」ことは決してない。しかし、それらを高精細に表現できるイヤホンやヘッドホン、スピーカーなどで可視化される新たな魅力や面白さがあるはずだ。

「PULSE Explore」は昨今のビデオゲームが有する“ハイエンドな音響”に関して、繊細な音も逃さずに表現してくれるため、「我こそはビデオゲームの音響を存分に味わいたい!」という方にはかなりマッチしている。

筆者は『VALORANT』といったPC向けFPSでも使用したが、音の分離感や小さな音の聞き取りやすさは充分に力を発揮してくれた。なのでPCゲーマーであっても「良いイヤホンが欲しい」「ゲームに適したイヤホンが欲しい」と感じていれば、購入を検討しても良いだろう。

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実際どんな音?リッチな音楽が好きならバッチリ。「こんな曲だったっけ?」という発見も楽しい

「PULSE Explore」のサウンドはゲームプレイで「繊細な音も逃さない」と形容したように、低音から高音に至るまで、取りこぼしが無くユーザーが認識できるようなものになっている。

結果としてベースやゲーム内のインパクト系FXなど重低音の迫力は控えめだが、かなり低い帯域まで出力し、ユーザーにその存在を感じられるように表現されている。控えめにすることで「再生されているあらゆる音を聞ける」ような設計であるのだろう。

とくにビデオゲームではインパクト系FXが随所で使用され、ヘッドホンでゲームをプレイする筆者は連発される重低音を少しだけ煩わしく感じてしまうことがある。そういった点で「重低音を聞ける」ものの迫力を抑えたチューニングゲームに最適であると感じた。

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なので、本商品を音楽鑑賞で利用する場合は「スカスカでかっこいい」「ベースがアホみたいにデカくてかっこいい」タイプの楽曲よりも、むしろ「プロダクションがリッチ」であったり「なんか音の遠近や立体感が半端ない」いわゆる“音響的”と形容されるタイプの楽曲に適している。

ゲームを遊んでいる時に「些細な細かい音」がちゃんと聞こえて、同時に再生される音の位置や遠近を聞き分けられる分離感。それらは、すでに聴いたことのある楽曲でも「こんな音が鳴っていたのか」と発見しやすいため、音楽鑑賞においても新鮮な楽しさを提供してくれそうだ。

記事冒頭で本商品をラグジュアリー/ファビュラスと形容したが、その根拠は「ハイソな感じの音楽」「ハイエンドなビデオゲームの音響」に最適なサウンドを提供してくれるからである。

ちなみに、SpotifyはPS5向けにも配信されているため、PS5のみでポッドキャストや音楽を聴きながらゲームをプレイすることも可能だ。「PULSE Explore」の優れた音質で「叶姉妹のファビュラスワールド」を聴きながら、エイムの練習格闘ゲームのコンボ練習に勤しむことも出来るだろう。

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ビデオゲームや音楽をリッチに楽しみたい方は、ぜひ「PULSE Explore」でファビュラスな音の世界に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。

編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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