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久々に『崩壊:スターレイル』に復帰したらいきなり「劇場版スターレイル」が始まったんだが? ついに手足の生えたゴミ箱と戦ったり、いい感じの美少女とデートしたり、夢の国「ピノコニー」の新しい物語が全力すぎる

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『崩壊:スターレイル』を遊ぶことになりました。

ファイナルβでヤリーロ-Ⅵ編を遊んで以降、他のゲームに浮気をしていたせいで私とスタレくんの距離感は出会った頃と比べてすっかり遠くなっていた気がしますが、今回ありがたいことに電ファミ編集部が仲人となり、私とスタレくんとの関係をもう一度取り持ってくださったのです。

とはいえ、情報を積極的に収集することもなく横目で追っていただけのスタレくんに今更どのようなアプローチをすれば良いのか……と一人悶々としていましたところ、なんと電ファミニコゲーマーでは既に偉大なる先達が素晴らしい記事を書いているではありませんか。

そこで今回はそんな師に倣い、私もプレイ日記(というよりも性癖暴露大会)というスタイルでこの記事を書かせていただこうと思います。普段とは勝手が違うゆえお見苦しい部分もあるでしょうが、何卒お付き合いいただければと思います。

文/植田亮平


夢のリゾート「ピノコニー」へレッツゴー!

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今回プレイさせていただいたのは「ピノコニー」という宇宙のリゾートを舞台にした物語です。全体のストーリーで言えば第3章とか第4章とかに当たる部分でしょうか。

始める前は「ひえ~ん……ストーリーが1ミリも分からないよ~」となることを覚悟していたのですが、どうやらスタレの物語は章ごとに独立している部分が多く、ほとんど理解していない状態でもすんなり入れるようになっています。ワンピースなどと同じ形態ですね。一貫した物語がありつつも、訪れる星によって個別の物語やキャラクターが展開されていくロードムービー的な構造です。

そんなピノコニー編ですが、私がまず驚いたのは主人公であるプレイヤーと本作のメインヒロイン「三月なのか」ちゃんとの関係性です。ピノコニーへ向かう列車の中やピノコニー到着後に2人が若干絡むシーンがあるんですが、その時私は思いました。

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君ら……なんか距離近くない……?

私(主人公)となのかちゃんの関係はかなりプラトニックなものであったと記憶しています。明るくて天真爛漫ななのかちゃんがクールで無口な主人公をぐいぐい引っ張っていくような、そういうある種一方通行的な関係性を「なんか……いい。」と眺めていたのを覚えているのですが……。

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主人公ちゃん、なんか柔らかくなってない……?

え?主人公、もう普通になのかちゃんのこと「なの」呼びなの? ずっと前からそんな感じだったっけ? 序盤に比べたらかなり縮まってんじゃん、距離が。「なの」にだけ?「なの」にだけそういう感じなの? あっもうそういう関係なんだ、なるほどね、ふぅーん……。

といった具合に、私の顔面はおよそこの世のものとは思えないかたち変形し、口角は留まることを知らぬほど上がってしまいました。スタレを普段から遊んでいるユーザーは、このような光景を日常的に摂取しているということなのでしょうか。
私は動揺のあまりスクリーンショットを撮るのを忘れてしまうほどでした。実際の会話はぜひ本編で確認してみてください。

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そんなこんなでピノコニーへ到着した私たちですが、こちらも圧巻のロケーションとなっています。ピノコニーはきらびやかな看板が立ち並ぶ商業都市であり、街の中は劇場やホテル、飲食店やレジャーでひしめき合っています。

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マスコットもいます。

以前に、先達が「そんなに『FINAL FANTASY Vll』がやりたかったのか、HoYoverse」と記事で述べていましたが、ベロブルグがミッドガルだとすればピノコニーはゴールドソーサーといった立ち位置でしょうか。

夢か現かも分からないほどに激しい電飾の光があらゆるものを照らし、うっすらと黒みがかった紺色の空には人工的な照明と対比するかのように美しい星々が瞬いている。もしかしたら、HoYoverseは本当に『FF7』をやりたがっているのかもしれません。それほどに美しい場所です。

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さて、先ほど「夢か現か分からないほど」と書きましたが、実際にはピノコニーは全て夢です(唐突)。

より厳密に言えば、さっき紹介した美しい街は全て夢の中に存在する都市という設定になっています。巨大なホテルの部屋に設置されたバスタブからアクセスする、文字通り”夢の”リゾートというわけです。

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もちろん夢なので、現実ではかなわないような体験もできます。映画『インセプション』のような世界観ですね。しかしそれもHoYoverseの手にかかれば、

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こうなるんですが。

まあ、だいたいそんな予感はしていましたよ。夢のリゾートとか歓楽街が舞台となったら、脚本家のやりたい放題になるというのはこの世の常です。普段のシナリオがシリアスであればあるほど、こういう「遊べる空間」でははっちゃけるべきだと私も思います。『FF7』でも似たようなことをやっていますしね。しかしそれにしても……。

……やりすぎだろうが。

「あなたにぴったりの夢を見られますよ♡」というような誘い文句につられて、その人に合った夢を見せてくれる「夢ショップ」的なサービスを受けた瞬間これです。

「『スタレ 主人公』と検索したらサジェストにゴミ箱が出る」みたいな話を以前どこかで聞きましたが、そっちもそういう関係になってたんですね。序盤になのかちゃんとの距離感が縮まっていることに気付いた私ですが、どうやらゴミ箱くんとの距離もかなり縮まっているようにお見受けしました。それでいいのか……いいのか。

このような普段とは打って変わったチャレンジングなシナリオが本エピソードの魅力の一部となってるわけですが、翻って、ピノコニーはゲーム的な部分でもかなり気合の入った街に仕上がっています。

まず、何と言っても街やダンジョンに設置されているギミックがかなり豊富です。道にある看板がプレイヤーを追いかけ、街路から街路へはワープ装置を使って移動し、数メートル歩けば次のアクティビティが見つかるよう設計されています。

特にベロブルグと比較した際にその違いはかなり顕著に出ていて、ベロブルグは道を歩きながら「わあ、綺麗だなあ」と眺める街でしたが、ピノコニーは遊びながら歩く街という印象を受けました。コンテンツの量ではダントツ1位の街だと思います(多分)。お菓子の「トッポ」ぐらいぎっしりです。

また、ダンジョンには固有のギミックが存在し、立体的な道を「見方を変えて」平面的なものへ変化させたり、部屋にあるグミのような物質を使って壁や天井を歩いたりと、奇想天外な凝ったギミックが頻出しています。

多分、というか確実に『インセプション』などのSF作品やインディーのパズルゲームから影響を受けているでしょう(実際にパズルゲームも登場しますよ)。プレイヤーの頭を悩ませるような高度なパズルこそ確認できませんでしたが、ゲーム上のシナリオとゲームプレイの間に必然性があるのが好きな私にとって、これらのギミックは非常に楽しいものでした。

シナリオやキャラなどのガワだけにこだわるのではなく、こういったゲーム部分にもしっかりとコンテンツを詰め込めるというのは、やはり『崩壊:スターレイル』の最大の強みだと改めて思わされます。

新旧入り乱れるキャラたちがどれも個性的すぎる。

ここまでほとんどキャラに言及してこなかったのはここで語りたいがためです。ここでは特に気になったキャラを挙げて個別に言及していくスタイルを取ろうかなと考えています。

なので私の恥ずかしい文を読みたい方はひとまずこの見出しから読み進めていくのがよろしいかなと思います。それでは対戦よろしくお願いいたします。

ホタルちゃん

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ピノコニー編におけるゲストヒロイン的な立ち位置の子です。アラバスタでの「ビビ」、ポケモン映画で言うところの「ラティアス」みたいな存在です。スクリーンショットでも分かる通り、出会いのしょっぱなから困り顔なのが良いですね。やっぱりヒロインって何かに追われていたりトラブルに巻き込まれるべきですからね。当然ここの選択肢は一番下を選びました。

ホタルちゃんはおとなしい儚げな少女です。彼女はいろいろあってピノコニーに在住しているらしく、物語ではヒロインであると同時に案内役も務めてくれます。物語の核心に迫るキャラクターでもあるのでおおっぴらに設定を紹介することはできないのですが、とにかくミステリアスなキーパーソンとして描かれています。

はたして彼女は味方なのか、それとも敵なのか………。

(ストーリーを読み進める)

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味方~~~~~~~♡♡♡

そうなんです、ピノコニー編には彼女とのデートイベントが存在しているのです。ゲーム的に言えばこれはピノコニーというマップを覚えるためのチュートリアルなのですが、彼女と楽しくデートをしていくうちにすっかり打ち解け、最後には2ショット写真まで撮る関係になります(ごめん、なのかちゃん)。

どのような会話が行われるのかについては本編でのお楽しみではありますが、ピノコニーで恐らく一番高い建物に昇り、少しずつ白みがかっていく空に降る流星を眺めながら語り合う二人の様子はとてもロマンチックなものでした。こんな素敵な場面が見られるのは新海誠作品かスタレぐらいのものです。これで彼女が敵だったらさすがに泣いてしまう。

そんなこんなでピノコニー編での不動のヒロインポジを獲得したホタルちゃんですが、実はその後とんでもない展開が待っています。もう既にご覧になった方もいるかもしれませんが、くれぐれもネタバレはしないように。私との約束です。

花火

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私を惑わせるガキ(誉め言葉です)。妖艶な目つき、可愛らしくもどこかエロティックな響きを感じさせる声、ことあるごとに挑発的な文言でこちらを煽るセリフ回しなど、「負けず嫌いな大人」たちに非常に人気が出そうなキャラクターです。

ちなみにこのスクリーンショットは私が敗北したときのものです。そう、すでに一敗しているんですね、私。今のところ彼女には負け越しているのですが。これから明かされる物語の続きでは必ず彼女に勝利することをこの場を借りてお約束します。

ちなみに彼女はストーリー上ではヴィラン的なポジションにあると思われます。まあ、スタレのことなのでここでの推測はほとんど意味がないのですが、現状彼女は「物語の裏で暗躍する敵組織の幹部」みたいな立ち回りを演じています。何か裏がありそうでこちらもドキドキしますが、どうなんでしょうか。

彼女の特殊能力で「姿かたちを別の人物に変化させる」というものがあるんですが、そういった設定もニクいなと思わされます。この能力により彼女はシナリオのスパイスとなって、言い換えれば「こちらを裏切る展開」メーカーとなって非常に良い回し役になっています。

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どう見ても「パワーで押す」みたいなキャラクターではないので、何かしら面白い設定があるなと私もにらんでいたのですが、初見では「まさか”擬態”とはね……」と、強キャラのような言葉を発してしまったのでした。

ブラックスワンと黄泉さん

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ブラックスワンさんはピノコニー編のキーキャラクターの一人で、理知的なおねえさんです。夢の中を行ったり来たりするピノコニーにおいて、夢の中を自由に動ける(っぽい)数少ないキャラクターです。

この章で登場する他のキャラクターと違い戦闘パーティに加えることができるということからも分かる通り、物語上の戦闘にもがっつり参加するタイプです。で、このブラックスワンさん、戦闘キャラなので当然必殺技を撃つわけなんですが……。

某サッカーゲームのキーパーが使ってるあの技にしか見えないんですよね。

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こう、無限のハンドが出てきてボールをキャッチするアレです。当然ブラックスワンさんはゴールキーパーではないのでボールをキャッチするなどということはないんですが、異次元から伸びてきた手が相手を絡めとる様はさながらゴールの守護神です。気になった方は彼女を引きましょう。

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黄泉さんもまた夢と非常に関わりのあるキャラクターです。彼女は物語序盤から主人公の夢に現れて意味深なことをめちゃくちゃに言ってきます。ブラックスワンさんがまったり系のお姉さんだとしたら黄泉さんは鬼上官タイプのおねえさんです。多分ですけど、声優は沢城みゆきさんだと思います(ですよね?)。なので沢城みゆきボイスのかっこいい女性が見たい方はこのゲームをやりましょう。

黄泉さんのもう一つの特徴としては、彼女だけダイアログの文字が赤くなる瞬間があることです。最初は不具合かとも思いましたがどうやらそうではなく、物語上重要な意味を持つような問いかけやセリフは赤くなるようです。
で、そのセリフがまた凄い伏線っぽいんですよね、先の展開を匂わせすぎて主人公もこちらの情緒も破壊してくるキャラクターですよ。主人公ちゃん泣いちゃいますからね。私も泣きそうです。

あるいは、彼女はHoYoverseが私たちに遣わした赤ペン先生的な存在なのかもしれません。「ここ、重要ですよ。覚えておいてね。」というふうに、5秒前まで読んでいたセリフをすっかり忘れてしまう私のような人間を指導してくれているのかもしれません、ありがたや。

アベンチュリン

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「HoYoverseの男キャラ食ってみな、飛ぶぞ」というのは外ならぬ先達の言葉ですが(言ってないです)、こいつは物語序盤からスケベ枠として登場するメイン男性キャラクターです。

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優しい語り口で主人公に取り入ろうとするサイコパスみたいな奴なんですが、物語中ころころ裏の顔を見せるので敵か味方か最後まで判別できなかった珍しいキャラクターでもあります。

顔つきはどう見ても悪役で、序盤から「協力しようね」みたいなことを結構言ってくるので「じゃあ敵じゃん!」と思い冷たくあしらっていたら、本当にピンチになったときに手を貸してくれるので「じゃあ味方じゃん!」とすっかり手の平を返してしまい、だけどその裏には何やら黒い思惑がありそうで……と、オセロみたいに見え方が変わってくるのが本当に魅力的です。全然関係ないんですが、さっきから悪いもん側に結構思いをはせている自分に気がつきました。

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サンポと銀狼ちゃん

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前の章で敵対したり味方になったキャラが新章で登場するというのは人類共通の普遍的な喜びですが、スタレはそこもきっちり抑えています。なかでもサンポは本章でかなりフィーチャーされているキャラクターでしょう。

「美形な三枚目」というのが彼の最大の魅力であり、その点においてはここピノコニーでも変わりません。明るい場には明るい人物を、ということなのでしょうか。奇想天外なピノコニーにおいて、サンポの登場はむしろ予定調和的な安心感さえあります。

しかし、物語上の彼の立ち位置はヤリーロ‐Ⅵとは若干異なり、少しだけシリアスな路線になっている気がします。特にストーリーのある場面では展開上サンポのかなりセクシーな表情を見ることができます。「そんな顔できんだ……お前」と驚いたのはおそらく私だけではないでしょう。強めの幻覚も見ているせいで虚実入り乱れた限界スレスレのものとなっているこの記事ではありますが、これだけはハッキリと事実です。

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スタレきっての人気キャラ銀狼ちゃんも少しですが出てきます。「ワルモノなんだけど主人公とそんなに敵対してない関係性」が好きな私にはドストライクなキャラクターです。このスクリーンショットで分かる通り今回は現地ではなく遠くから参加してくれるようです。

唐突に自分語りをさせてもらいますが、こういう遠隔でほんのり協力してくれるキャラクターが自分はかなり好きです。なおかつ銀狼ちゃんはワルモノなので、それも相まって私の中では銀狼ちゃんはとても素晴らしいポジションを担っているなと感じるキャラクターです。私以外にもこのタイプが好きな人は多いんじゃないかと思われるのですがどうでしょうか(何が?)。

劇場版『崩壊:スターレイル』みたいになってる

ここまで書いてみて思ったことを今回のまとめとしたいのですが、ピノコニー編は「『崩壊:スターレイル』が映画化したらこんな感じになるのかな」という印象を大いに受けた章です。

ここで言う映画化というのはアニメの映画化プロセスと同じ話で、まずアニメシリーズがあり、そのうえでの映画化したかのような、そんな感触がプレイ中にずっとあったような気がします(純粋にムービーの量が増加しているというのもありますが)。

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シリアスとはほど遠い豪華で平和な場所に遊びに来た主人公たちが、ひょんなことからそこで起こる事件に巻き込まれて……というのはアニメ映画的にはありがちな設定ですが、これはピノコニー編序盤のプロットにも若干共通している部分ですし、その中で展開されるコメディー(この場合だとゴミ箱の件)は単なる内輪ノリというよりも、これまで作品を愛してくれたファンへの感謝を込めたサプライズのように私には映りました。ファンが見たら喜ぶだろうなという制作側の思いが伝わったからです。

また、冒頭にも書きましたがスタレのシナリオ自体がロードムービー的な構造を持っているため、そこで登場するキャラクターや物語は基本的に本編からやや独立したものとなっているのも映画っぽさを引き立てているように思います。

既存のキャラを登場させるにしてもあまり核心部分には絡めず、今回のサンポや銀狼のように「新たな一面を見せてくれるキャラクター」「ちょっとだけサポートしてくれるキャラクター」あたりにとどめられているのは(これからどうなるかは分かりませんが)、純粋にスタレ制作チームのキャラクターの扱いの上手さが垣間見えて感動しました。

今回私はいわゆる「復帰勢」としてこの作品に触れたわけですが、そのような私でもすんなり楽しむことが出来たのは、多分にこの「劇場版」的要素が感じられた点が大きかったのかなと思います。
これまでのファンにはさらなる楽しみを与えられて、尚且つ新規プレイヤーや復帰勢でも上手くゲームの軌道に乗ってもらうことができる。この2つの目標はサービス型ゲームにおいて宿命的な難題ですが、それをシナリオ展開の手法や舞台の特異性で解決しているのはこの「ピノコニー編」に見られる優れた点だと思いました。

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何が言いたいのかというと、今「最近全然触れてないな」とか「マンネリ気味だな」と感じているプレイヤーにこそ、今回のアップデートは楽しめるものになっているということです。私が楽しめたのですからこの点に関しては保証しましょう。舞台やシナリオはファンも復帰勢も喜べるものに仕上がっていますし、基本的なバトルシステムは始めから完成度が高いのでほとんど仕様を変えることなく引き継がれています(あえてバトル部分に触れなかったのはそのためです)。

新章であると同時に感謝祭でもあるピノコニーの物語。そんな全力投球を続けていたらいつか体を壊してしまわないかと心配ですが、『崩壊:スターレイル』はおそらくこれからも全力で私たちを楽しませてくれることでしょう。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。どうか開拓者の皆さんに良き旅がありますように。

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ライター
大阪在住のゲーマー。ゲームに限らずアニメ、映画など気になったものは何でも取り込む雑食系。オープンワールドのゲームやウォーキングシミュレーターなどが大好き。最近はオンラインゲーム『League of Legends』にドハマりしているが、プレイの腕はイマイチ。

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