米国・マイクロソフトでゲーミング部門の責任者を務めるフィル・スペンサー氏は日本時間1月18日(火)夜、自社の公式ブログ「Xbox Wire」にて、マイクロソフトがアクティビジョン・ブリザード社の買収に合意したと明らかにした。買収の規模は687億ドル(約7兆8700万円相当)で、2023年度に取引を完了する予定だ。
なお、買収の完了まではアクティビジョン・ブリザード社とマイクロソフトのゲーミング部門でそれぞれ独立して事業を継続するとしている。
【更新 2022/1/18 23:35】マイクロソフトから正式なプレスリリースが発表されたため、買収金額をはじめとした情報の追記を実施しました。
今回の買収が成立すれば『コール・オブ・デューティ』シリーズに携わってきたInfinity WardやSledgehammer GamesおよびTreyarch、パズルゲーム『キャンディークラッシュ』などの作品で知られるモバイルゲーム大手・Kingなどのスタジオがマイクロソフトの傘下へ加入。プレスリリースによるとアクティビジョン・ブリザード社は約1万人の従業員を擁しており、買収後は中国のテンセントとソニー・インタラクティブエンタテインメントに次ぐ世界第3位の売上高を持つゲーム会社になるという。
アクティビジョン・ブリザード社においては、セクシャル・ハラスメントなどの不適切行為を原因として2021年7月以降に37人の従業員を退社させ、別で44人の社員へ懲戒処分を言い渡していた件がロイター通信によって新たに報じられていた。
Xbox Wireでの発表にて、スペンサー氏は買収の完了後、定額制ゲームサービス「Xbox Game Pass」へアクティビジョン・ブリザード社のタイトルを可能な限り追加する方針を示した。さらに、本発表ではXbox Game Passの加入者数が2500万人を超えたこともあわせて発表している。
また、スペンサー氏はアクティビジョン・ブリザード社によるフランチャイズ事業の活用にも触れており、「どの場所で遊ぶか」を主軸にした考えへ重点を置いたクラウドゲーミングの計画を加速させ、より多くの地域や多様なデバイスで「Xboxのコミュニティへ参加できるようにする」との考えを示した。