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『DEATH STRANDING 2』を30時間プレイしてわかったこと。昼夜の概念や自然災害(地震、砂嵐、隕石)が加わり、配達任務の過酷さが増す。新アクション「スライディング」や「バックパック降ろし」で戦闘面にも大きな変化が

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スライディングやバックパック降ろし、ステルス要素の強化など戦闘面の変化も大きい

戦闘面も大きく拡張されており、新たに追加されたスライディングや、バックパックを降ろして身軽になれる仕様の追加、そしてステルス(潜入)要素の強化がとても効いている。

スライディングはダッシュ中にR1ボタンを押すと、地面を滑りながら高速移動し、姿勢を低く保てる新アクション。すばやく遮蔽物に身を隠せるのでステルスに有効で、スライディングして直接敵にぶつかることで敵の体勢を崩すことができるなど、戦闘でも役立つアクションだ。

『DEATH STRANDING 2』レビュー・感想・評価:『デススト2』を30時間プレイしてわかったこと_008

次に、バックパックを降ろす新要素について。荷物を大量に背負っていると、どうしても動きが鈍り、大きな荷物が敵に発見されやすくなる。

そこで、一時的にバックパックを置き、身軽になって機動力を高めることが可能だ。大規模な敵拠点を攻める際などは状況に応じて荷物を降ろす判断が生きる。

しかしながら、戦闘に集中するあまりにうっかりバックパックをその場に置き忘れてしまうこともあったため、その点は注意が必要だ。このあたりは、ある意味でリアルなデメリットといえる。

最後に、ステルス要素の強化についてだが、『デススト2』ではステルス向けの武器や道具が多数追加されており、視界が狭まる夜の暗闇はステルスを重視するプレイヤーにとって強い味方となる。

とくに、筆者が発見した中では「静音ハンドガン(麻酔弾)」がステルス向けの武器として非常に強力で、離れた位置から撃てば敵は撃たれたことにすら気づかないまま昏倒する。ストランドによる拘束と合わせて、敵に気づかれることなく拠点を制圧することも十分に可能で、今作においてはステルスによる攻略も有用性が高まったのがうれしい。

『DEATH STRANDING 2』レビュー・感想・評価:『デススト2』を30時間プレイしてわかったこと_009

「他人の痕跡を感じる」マルチプレイから、能動的な助け合いもできるマルチプレイへ

今作で新たに追加された「SSS(ソーシャル・ストランド・サービス)」についても説明しよう。

前作ではメールという形で依頼人や仲間がメッセージを送ってくる形式だったが、『デススト2』ではSNSのタイムラインのような形式になり、投稿に対して「いいね」を送れるなど双方向なシステムとなった。閲覧もしやすい。

ゲーム中で繋がった住民や仲間がSSSで「最近ここに強力な敵が現れるようになった」「誰か手伝ってほしい」などと投稿したり、「とあるプレッパーズの落とし物を見つけた」など、そうした情報をプレイヤーに共有してくれる。

その投稿に対して「いいね」を送れば、投稿者からもお返しの「いいね」がもらえるので、前作のメールよりも情報のやり取りにリアルタイム性とコミュニケーション性が高まり、“繋がっている”実感を強く味わえるわけだ。

『DEATH STRANDING 2』レビュー・感想・評価:『デススト2』を30時間プレイしてわかったこと_010

そして、ほかのプレイヤーとの繋がりについても、今作では新しい要素がある。
ただ他人が作った建設物を利用するだけでなく、自分から「こうしてほしい!」と呼びかけられる仕組みが「オンラインエイド・リクエスト」だ。

前作でも「調達依頼」で他のプレイヤーへ資材提供を要求することはできたが、今作ではリクエスト看板を立て、「復旧を手伝ってほしい」「武器を分けてほしい」といった具体的要望を周囲に発信することができる。

体験会で実際に「国道復旧の資材が足りない」と看板を立てた参加者のもとへ、別の参加者が資材を届けに行き、たくさんのいいねと感謝が飛び交う場面が見られた。

前作のような“偶然の助け合い”だけでなく、“具体的なSOSを出す能動的助け合い”も楽しめるわけだ。これによって、より協力プレイ感が増しているのが大きな特徴と言える。

『DEATH STRANDING 2』レビュー・感想・評価:『デススト2』を30時間プレイしてわかったこと_011

このイベント自体が『デススト2』における「繋がり」の一環であると感じたこと

今回のプレビューイベントは、単なる試遊を超えて、参加者同士がリアルで顔を合わせ、情報を交換し合いながらゲームを進める形式となっていた。

困っている人がいれば周囲がアドバイスし、余った資材があれば分け合うなど、“誰かが困っているなら助け合う”という『デススト』の世界観を、そのまま現実に落とし込んだかのような一体感が生まれていた。

個人的には、今回のイベント自体がまるで“サムとして配送任務をこなしている”ような気分だった。

小島秀夫監督がイベント中に語った「リモートではないリアルな繋がりを感じてほしかった」という狙いが、その場で色濃く体感できたと言えるのかもしれない。

最終日には、参加者全員がイベント限定の法被(はっぴ)を着て屋形船に乗り込むというサプライズも用意されており、まるで“長い旅の終わりを祝い合う”かのような締めくくりが印象的だった。これは小島監督とコジマプロダクションの皆さまが、“ゲーム体験の先にある特別な交流”を重視している証だろう。

4日間のイベントを振り返ってみると、まさに現実の場で“プレイヤー同士の連帯”を先取りするような時間だった。これが発売後には、世界中のプレイヤーとオンラインで繋がり、さらに大規模な協力や情報交換が行われるのかと思うと、胸が高鳴る。

本イベントを通じて感じたのは、『デススト2』は正統進化した続編であると同時に、より能動的なコミュニケーションと多様な冒険を両立させたゲームになっているということだ。

孤独な配達の最中、どこかで誰かが助けてくれる──その心強さと感動は前作以上のスケールで実現されるだろう。

そして、「我々は繋ぐべきではなかった」という衝撃的な言葉の真意も、作中の物語が進むにつれて明らかになるはずだ。その瞬間が、今から待ち遠しくて仕方がない。

最後に、今回の体験を通して筆者が確認できたことを50個まとめてみたので、そちらにも目を通していただきたい。

配達人が『デススト2』を触って気づいた50のこと

1.細かい操作の変更点として、R1がしゃがみ、立ち操作とスライディング(ダッシュ中R1)になり、オドラデグセンサーはL1に変更された
2.マップで設定したルートは、移動中でもルートの各ポイントが光の柱が立つようになり、視認性が大きく向上
3.会話の中で新たな用語が出た時などに、すぐにコーパスで詳細を確認できるようになった
4.人物や施設、組織、敵などの情報を確認できるコーパスというシステムが追加
5.ゲームの進行に応じて内容が追加されていき、中には作中の世界観や登場人物の心境について言及されているものも
6.デススト2の会話パートでは、方向キーの十字でそれぞれ会話内容を選べるようになった
7.サムの能力は「サムの熟練度」というシステムになり、悪路踏破力、積載力、疲労耐性、気絶耐性、息止めスキル、ストランドスキル、武器マスタリースキルなどに分かれて、ゲーム中でとった行動(経験)によって上昇する
8.能力はセーフエリア(拠点)に到達した時点で反映され、経験に応じて上昇する
9.ストランドスキルはストランドで敵を拘束すると上達し、拘束できる距離がのびる
10.ハンドガンマスタリー、アサルトライフルマスタリーなど武器、攻撃手段ごとにマスタリーがあり、使用すればするほど上達する
11.他の配達人からいいねをもらった時に、こちらからもお返しのいいねが送れる
12.ポストで機材作成なども可能になった。ロープ用パイル、梯子などを緊急時に作成できる
13.未発見時ならポストに隠れて敵をやり過ごすことも可能
14.ウォッチャーという視覚で探知するタイプのBTもいる
15.時雨シェルターにBTを退ける新機能、BTに追われている時はシェルターへ避難できるように
16.「APASエンハンスメント」という新たな強化要素。メモリーを割り振って、エイムアシスト、天気予報、センサー有効範囲拡張などの要素が開放される
17.エンハンスメントの種類は配達人グレードの各項目が一定以上になると追加される
18.メモリーはQpidで通信網を拡大した際、依頼人の親密度を上げたときに増加
19.エンハンスメントは自由にオン・オフ可能、メモリーの振り直しも自由
20.「クール便」指定の配送は気温が低い夜の方が都合がいい
21.敵拠点前でバックパックを降ろしていったん身軽になるのはとても有効
22.ジップラインは機能が強化され、建設時に接続ラインを少し曲げることによって障害物を避けられるようになった
23.静音ハンドガン(麻酔弾)はステルス行動の超強力な武器。離れた位置から打てば敵は撃たれたことにすら気づかず昏睡する
24.もしボスに勝てなかったとしても、敵を倒したことにして戦闘をスキップすることも可能
25.エイド・リクエストは受注しなくても遂行できるもので、解決すると依頼者との親密度が上がり、いいねがもらえる
26.オンラインエイドリクエスト看板を立てて、「武器を持ってきて欲しい」「復旧を手伝って欲しい」など協力をお願いできる
27.立てた梯子に捕まるとき、両手と両足を固定して上まで一気に昇る機能が追加された
28.ブラッドブーメランというBTに有効な投擲武器がある。血液を充填させて投げることで威力上昇、頭部に当てると大きく威力が上がる
29.スタンロッドやゴーストブレードなどの敵武器はサムも使用可能で、投擲攻撃もできる
30.国道のほかにモノレールを復旧することで、さらに交通を快適にできる
31.モノレールには資材のほか、車両も積める。モノレールで移動中はジップラインのように途中で降りることもできる
32.DHVマゼランのプライベートルームでは読書ができる
33.VR訓練でも熟練度は向上する
34.SSSの住民リストやコープス(辞典)から、その住民と親密度を上げると次にどんなものを提供してくれるのか確認できる
35.「採掘場」を復旧すると、カイラル結晶を投入することで資材を大量に獲得できる
36.敵拠点は制圧せずに時間が経つと戦力が強化されていく
37.依頼検索から全域のオーダーをすばやく検索できるようになった。未クリアのオーダーを探す際に非常に便利
38.武器や道具(水筒、ストランドなども含む)は方向キー右を長押ししたときのメニューに統合されて、右スティックでカテゴリを選択、L1、R1ボタンでアイテムを選択する形式になった
39.方向キー上を長押しすると荷物管理や荷物の最適化へのショートカット、バックパックを降ろすコマンドなどにすばやくアクセスできる
40.バトルスケルトンは積載量増加、ブースト時に走行速度上昇のほか被弾時のダメージ軽減効果。バトルスケルトンはダメージ軽減効果が大きい
41.予備アモローダーでバックパックカスタマイズすると装備弾数が増加するので多数の敵を相手にしやすくなる
42.アイテムのお気に入り登録が可能に。登録するとメニューを開いた時に最初に自動で選択されるようになる
43.炎は「タールキャノン」によって消火することができる
44.プライベートルームでドールマンに話しかけると、さまざまな話が聞ける
45.ピックアップオフローダーとスティッキーキャノンの組み合わせで落とし物の配送がかなり捗る
46.簡易監視塔では配達人が敵に発見されたエリアを表示する「ヒートエリア」という機能が追加され、ルート選びの参考にできる
47.夜間は視界が狭まるが、同時に敵から探知されにくくなる
48.日中のステルス行動は難しい。交戦を避ける依頼ではプライベートルームで夜にしてから出動するのがいい
49.地震の影響で建造物が損傷、耐久値がなくなると全壊する
50.ハートマンは今作でもたくさん「いいね」してくれる

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ライター
4Gamer、ファミ通、電撃、そして電ファミなど、いくつものゲームメディアで記事を書いてきたライター。自身の体験を踏まえて書いた「うつ病の自分が『DEATH STRANDING』を遊んで、“実感”を取り戻した話」をきっかけに、フィクションを自分事として捉えて糧にするということについて、改めて考えるようになる。
編集者
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
Twitter:@takepresident

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