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『DEATH STRANDING 2』を30時間プレイしてわかったこと。昼夜の概念や自然災害(地震、砂嵐、隕石)が加わり、配達任務の過酷さが増す。新アクション「スライディング」や「バックパック降ろし」で戦闘面にも大きな変化が

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小島秀夫監督の最新作『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』(以下、デススト2)が、2025年6月26日に発売される。

それに先駆けて、4月22日〜25日の4日間にかけて、世界中のゲームメディアを集めたプレビューイベントが開催された。

場所は、東京都港区にあるコジマプロダクション本社内。

英語、日本語、韓国語、中国語……さまざまな言語が飛び交う国際色豊かな空気の中で、朝から晩までほぼ缶詰状態でゲームをプレイするという、かなり珍しいイベントだ。……というか、ここまで“本気の体験会”というのは、なかなか類を見ないものだろう。

『DEATH STRANDING 2』レビュー・感想・評価:『デススト2』を30時間プレイしてわかったこと_001

体験会では、およそ30時間にわたって『デススト2』を触ることができた。今回は、そんなイベント4日間を通じて、実際にプレイしてわかった内容をベースに、ゲームのレポートをまとめてみたいと思う。

おもに、「進化した会話パート」「さらに雄大かつ過酷になった配達」「サムの成長や戦闘システムの拡張」「能動的な助け合いもできるマルチプレイ要素」、そして最後に「本イベントが体現していた“リアルな繋がり”」という5つの視点でまとめてみた。

今作が、前作『DEATH STRANDING』からどのように進化し、そしてどんな新しい体験をもたらすのか──4日間にわたる体験会を通じて得た印象を、できるだけ詳細に綴ってみたい。

※開発中のゲームデータを使用しているため、内容は変更される場合があります。

文/Leyvan
編集/竹中プレジデント


“接触恐怖症”を乗り越えたサムは、会話パートで選択肢による双方向のやり取りができるようになった

前作『デススト』といえば、“接触恐怖症”を患う主人公サムの姿が強烈な印象を残している。人との関わりを極端に嫌い、握手すらも拒絶するところから物語が始まった。

しかし、今作『デススト2』では、サムがその症状を克服していることがうかがえる。それを象徴しているのが、“会話パートで会話内容を選択肢から選べる”という新システムだ。

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前作でも、荷物を届けた先の住民や仲間と通信を交わす場面は多くあったが、プレイヤーとして「サムがどう返答するか」を決められるわけではなかった。

今作では方向キーに対応した選択肢が用意され、浮かび上がった疑問や話題について、サムがどう応じるかを能動的に選べる。このことによって、サムとキャラクターのやり取りが一方通行ではなくなったのが大きい。

サムは前作の物語的展開を経て接触恐怖症を乗り越えたが、プレイヤーもまた、会話の内容を自ら選びながらコミュニケーションを楽しめるようになったわけだ。

さらに、会話中に気になった用語をすぐ「コーパス」で確認できる点も魅力的である。

前作では世界観への理解を深めるために、メールやドキュメントを読み漁る必要があったが、今作は“その場で辞書を引く”ような感覚で疑問を解消できるため、ストーリーや設定をよりスムーズに把握できるだろう。

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自然の美しさと脅威が配達任務に大きな刺激をもたらす

『デススト』といえば、やはり“荷物を運ぶ”という行為がプレイの大きな柱だが、『デススト2』ではこの配達がさらに進化している。

前作でも時雨が降る座礁地帯や雪山のように過酷なエリアが登場したが、今作では昼夜の概念と多様な自然災害が加わったことで、より一層“雄大でありながら過酷な大自然を相手取る”感覚が強まっている

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日中は遠くまで見通せる分、敵にも見つかりやすい。夜間は暗く足元を確かめにくいが、逆に敵に発見されにくく、ステルスには向いている。

荷物の中にはクール便(温度管理が必要)のように夜の涼しい時間帯のほうが好都合なものもあるなど、昼夜の概念は単なる明暗だけでなく、配達戦略にも影響を与える要素となっているのだ。

自然災害として主な例は、「ゲート・クエイク」(地震)で地形が崩落し、落石に巻き込まれる危険があったり、時雨が降り続けることで川が増水して横断が難しくなるシーンが何度もあった。

その他にも、空から「カイラル噴石」という隕石が落下して一帯が火の海になるなど、まさに予測不能な出来事が頻発する。

さらには、砂嵐が移動してきて視界がゼロになる状況にもなり得るため、計画性がものを言う一方でアドリブ対応が求められる展開も多い。

これらの要素は配達任務には困難や脅威となって襲いかかるものの、昼夜と天候の変化による景観は、前作とは比べ物にならないほどに美しく、思わず息を呑むような風景に圧倒されてしまう。

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サムの成長要素はより自然に、そして拡張性のあるかたちへ進化

前作では、配達人としての評価が上がるほどにサムの能力が伸びていく仕組みだったが、『デススト2』では、「サムの熟練度」と「APASエンハンスメント」というふたつのシステムが追加され、成長の自由度が大きく増している。

ゲーム中でとった行動(経験)に応じて、悪路踏破力、積載力、疲労耐性、気絶耐性、息止めスキル、ストランドスキル、マスタリースキル(格闘、ハンドガン、アサルトライフル、ショットガンなど)が上昇していく。

ストランドで敵を拘束しまくればストランドスキルが上がり、敵を拘束できるようになる距離が延長される。

アサルトライフルを使い続ければアサルトライフルマスタリーが上がって射撃のブレ抑制やリロード時間が短縮されるといった具合に、プレイヤーのプレイスタイルがそのままサムの能力強化に反映される。

これはまさに「使えば使うほど上達する」RPGライクな要素で、自然と自分のプレイスタイルにあったサムへと成長していくのがポイントだ。

各種スキルはLv1からLv5まであり、あくまでも筆者の場合はだが、ゲーム中盤に到達する頃には一部の項目がLv5になり、もっとも使用していたアサルトライフルのマスタリーはLv3になるという具合の成長速度だったので、あまりシビアに意識せずとも適度なバランスで成長を感じられる印象だ。

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もうひとつの「APASエンハンスメント」は、エイムアシストや地形センサーの範囲拡張などの能力拡張要素をオン/オフする強化システム。

配達人グレードを上げることで選択できる項目が増えていき、カイラル通信の通信網を拡げたり、依頼人との親密度を高めたりすると使用できる「メモリー」が拡張されて、そのメモリーをどこに割り振るかによってサムの能力が変化する。

エンハンスメント効果には車両のバッテリー消費を抑えるものや、コンパスを表示しながら上空を見上げることで簡易的に天気予測ができるものなど配送向けのものもあれば、エイムアシストの強化、逆位相の音を発してサムの足音を消すなど戦闘、ステルスに役立つものもある。

APASエンハンスメントは振り直しも自由なので、依頼やエリアに合わせていつでも最適化できる柔軟さが魅力だ。

序盤はメモリー不足で苦労する場面もあったが、「今は戦闘を重視したいからエイムアシストをオンにしよう」「配達効率を上げたいから地形センサー範囲を拡張しよう」といった試行錯誤が楽しく、割り振りによってプレイフィールが意外なほど変わるところは、前作からの大きな変化だ。

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ライター
4Gamer、ファミ通、電撃、そして電ファミなど、いくつものゲームメディアで記事を書いてきたライター。自身の体験を踏まえて書いた「うつ病の自分が『DEATH STRANDING』を遊んで、“実感”を取り戻した話」をきっかけに、フィクションを自分事として捉えて糧にするということについて、改めて考えるようになる。
編集者
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
Twitter:@takepresident

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