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【ひろゆきにゲームおごってみた】『真・三國無双 ORIGINS』をめちゃくちゃ楽しんだひろゆきと、作品プロデューサーを本音で対談させてみた。プロデューサー「Xでひろゆきさんが『ORIGINS』を遊んでるのを見て、開発陣もすごく喜んでいた」

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大陸地図は「後付け」のアイディアだった!? 開発チームの”武芸”が支えたゲームの成功。でも「BLっぽさ」と「駄洒落」はちょっと想定外

ひろゆきが『真・三國無双 ORIGINS』プロデューサーと本音で対談。作品の企画書や次回作の展望なども飛び出す_052

庄氏:
本作の実際のゲームのフローで言うと企画とだいぶ違うところもあって、最初は大陸地図がありませんでした。もともと、宿屋のような拠点と、戦場を行き来するような感じでした。

しかし、どうしてもプレイヤーの感情がうまく乗らず、実現したかったRPG感、自分が物語を歩んでる感が出せないことがずっと開発中の課題になっていました。

開発終盤で、現場から大陸地図を「今からでも入れたい」とアイデアが上がってきて、みんなで勢いで組み立てました。あのタイミングで大陸地図が入ったおかげで、一本のゲームとしてしっかりまとまってくれましたね。

ひろゆきが『真・三國無双 ORIGINS』プロデューサーと本音で対談。作品の企画書や次回作の展望なども飛び出す_053

ひろゆき氏:
地形があったのは良かったですね。やっぱり「『赤壁』って川じゃん」っていうのが感覚的にはないじゃないですか。“レッドウォール”なのに、「川ドーン!」なので「これか」ってなるのが良かった。

庄氏:
そう言っていただけて嬉しいです。大陸地図には「なんでこういう場所で戦ってるんだろう」という理由をわかってもらうという狙いもありました。

──企画でいうと、今回は女性のプレイヤーの方にも受ける内容に進んでいるのかなと感じているのですが、その辺の意識があったのかどうかも気になります。

ひろゆき氏:
確かに、「乳揺れ」みたいなのはあんまりなかった気がしますね。

──どちらかというと、なんというか……作中の雰囲気として「BL」感があり、開発側が意識しているのかどうか気になりました。

庄氏:
BL感に関しては私の想定外というか、「監督が行き届かなくてすみません」っていう感じです。

ひろゆきが『真・三國無双 ORIGINS』プロデューサーと本音で対談。作品の企画書や次回作の展望なども飛び出す_054

ひろゆき氏:
監督がちゃんと見ないと勝手にBLに行っちゃうんですか?(笑)。

庄氏:
現場の子が悪いという話ではもちろんないのですが、リアルな話、そうなってしまいました。ゲームの骨子はプロデューサーの私が考えていたので、世界観や描き方も明確なイメージを持っていましたし、大筋はすり合わせていました。ですが、実際のシナリオに関しては現場の人たちに任せています。

実際に音声収録が終わって音声が入っているバージョンをプレイしてみたら、「え?!」ってなって……私の想定をだいぶ超えるものでした。さすがに音声の撮り直しとなると、そう簡単にはできませんでした。

ひろゆきが『真・三國無双 ORIGINS』プロデューサーと本音で対談。作品の企画書や次回作の展望なども飛び出す_055

もし続編をやるのであれば、テキスト周りは全部チェックしてやろうかなってもう思っています。現場のみんなは嫌がると思いますが(笑)。

──現場の人たちがやりたかった内容ではあったということですね?

庄氏:
現場の人たちの趣味でやったことではなく、直近のシリーズファンの方達に向けて「こういうのが喜んでもらえるよね」と考えてやってくれたことですね。実際に喜んでくださっているシリーズファンの方もいらっしゃいます。

確かにそうだよねという感じですが、私が今回思い描いてた『真・三國無双 ORIGINS』の世界観とかキャラクターの描き方とかとはちょっとずれてたので、次は絶対に軌道修正します。

今回想定外だったのはBL感が出てしまった「絆イベント」と、あと「ダジャレ」ですね。これも『6』以降の文化だったと思いますが、好まれる方が実際にいらっしゃるんですよね。ただ、さすがに割合が高すぎると思いまして、次があれば分量を考えます。

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ひろゆき氏:
街の人のセリフが、韻を踏んだラップ調になっているものとかも英語でありましたね。なので、「すげー凝ってるな」とは思いました。街の人の声になんでこんな頑張ってやってんだろうって、こだわりを感じたんですよね。

ひろゆきが『真・三國無双 ORIGINS』プロデューサーと本音で対談。作品の企画書や次回作の展望なども飛び出す_057

庄氏:
中国語と英語ではできるだけニュアンスを残すように頑張っていて、比較的うまくやれていると思います。ただ、全てで韻を踏むのを上手くはできないですね。ダジャレも日本語がベースなので、ローカライズ泣かせです。

「次は無くすぞ!!!」というほどではないんですが、上手く通じないことも多いので、次は吟味したいと思っています。

ひろゆき氏:
本作はお色気は少なめになったイメージなんですが、それはたまたまですか?

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庄氏:
お色気を少なくするという意図が直接あったわけではなく、今回はゲームの全体像を大事にしていて、合わない表現は基本的に無くすという方針でした。まあ、あの、BL的なのとダジャレは入ってしまいましたが……。

ですが、それ以外のキャラクターの見せ方や性格、セリフはありきたりに言うと「硬派」で、『三国志演義』の魅力を最大限出すという目標がありました。かつ、しっかりと没入できる物語を作ろうとしたので、結果としてお色気的な要素は減ったという感じです。

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ひろゆき氏:
「格ゲー」とかでも女子キャラはそういう要素を付け加えられがちですよね。だから、「あえていかない」のにはちゃんと判断があったんだなと思いましたね。

庄氏:
例えば、孫尚香も、無理にお色気出すのはやっぱり本作には合わないと思いました。あと、貂蝉に関しても、本作の物語ではすごく重要かつ真剣な役所なので方向性はしっかりと決めました。

ひろゆき氏:
貂蝉はめちゃくちゃお色気にしても成立する役柄ですよね?

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庄氏:
本作の貂蝉は、武芸をもともと仕込まれていたなどの特殊な背景があって、現実的にちゃんと戦える格好にしようであるとか、無理にお色気があると戦う時には違和感が出るから極力なくそうといったことを考えて制作しました。

もちろん色気があるのも大事なところなので、現場の人が頑張ってバランスをとってくれました。

とはいえ全体でいえば、私がおっさんキャラとかじいさんキャラが好きので、そっちにだいぶエネルギーを割いてもらった結果、お色気的な要素が減っただけかもしれません(笑)。

ひろゆき氏:
まあ、登場人物はほとんどおっさんですからね(笑)。

庄氏:
今回はいかにおっさんを魅力的に描くかも頑張ってもらいました。数少ない女性キャラも、おっさんたちの中にちゃんと馴染むという落とし所をしっかりと見つけてくれたと思っています。

三国志を知らないからこそニュートラルに評価した国外と、『三國無双』シリーズに親しんでいるからこそ困惑も生じた国内。「期待してた無双じゃない」→「無双はこれだよね」という高評価逆転劇の理由を分析

ひろゆき氏:
『ORIGINS』、海外評価が高かったじゃないですか。僕も『真・三國無双』シリーズは昔はやってたんですけど、「似たようなもんだろうな」と思って、新作も割とスルー気味でした。ただ、海外評価が異常に高いっていうので本作はすごく気になってたんですよね。

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庄氏:
海外でも売れるものをもちろん目指したんですが、想像以上の高い評価をいただいています。北米欧州へ出張したときでも、メディアの方に試遊いただいて意見をいただいたりもしましたが、そこでも想像以上にみなさん夢中になって遊んでくれていました。

「アクションが今までよりも面白い。気持ちがいい」と言っていただけることが多かったですね。バトルに関しても、ちゃんと攻略しないとクリアできないというところも喜んでいただき、手応えを感じました。

ストーリーも「全然三国志は知らないけど、物語がすごく分かりやすいし没入感がある」など、海外の方からも全体的に高い評価をいただいています。

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ひろゆき氏:
テストプレイヤーには海外の人も多めに入れたりしたんですか?

庄氏:
はい。世界でも通用して売れるものを作りたいという思いがあったので、海外のテストプレイヤーにもしっかりと意見をいただいています。

ひろゆき氏:
やっぱり、日本人とは違うフィードバックが返ってくるんですか?

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庄氏:
海外の方からは、『真・三國無双』ではなく、「一本の新しいゲーム」として見ていただける傾向があります。特に、北米欧州ではシリーズがそこまでメジャーではないので、なおのこと純粋な評価や意見をいただけました。

日本の方の場合は、どうしても『真・三國無双』をやったことがある方や、三国志を知っている方が一定の割合でいらっしゃいます。期待しているものと「合っている」「合っていない」で意見をいただくこともあるので、逆に甘めの評価になってしまうこともありました。

ひろゆき氏:
確かに、国内でゲームやってる人は『真・三國無双』は一回は通ってるので、どうしても色眼鏡で見ちゃいますよね。

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庄氏:
色眼鏡にもいい方向と悪い方向がありますね。
一部のシリーズファンの方は今回、発表時にお怒りだったんですよ。固有の見た目を持つ「無双武将」と言われるキャラクターは通常、一切操作ができないじゃないですか。「随行武将」の9人は操作ができますが、この点に対する反応だけでも相当でした。

「オリジナルの主人公が許せない」などもあって、去年の5月から、新しい情報を出す度に「こいつは無双を潰す」「こいつのせいで無双が死んだ」とか言われていました。

ひろゆき氏:
「趙雲を動かすのが楽しかったのに」みたいなのは、まぁわかりますけど(笑)。

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庄氏:
「特定のキャラクターを動かしたい」という需要は私たちも理解していますし、だからこそ国内のデータや意見については真剣に分析しました。既存の『真・三國無双』プレイヤーにとって「思っているものと違う」と判断されると、どうしても低い評価をされてしまうという傾向があります。

その結果として平均点がガーンと落ちてしまうと、現場でも「このまま作り進めるとヤバイ!」みたいな判断をしてしまいがちです。なので、「これは確かにその通り」「これはでも違うよね」ということを吟味する必要がありました。

ひろゆき氏:
『信長の野望』とか『三國志』とかでも、プレイヤーが作れるエディット武将は昔からあるじゃないですか。「架空のものが入るのはあのシリーズではよくあることでしょ」って、オリジナル主人公に対してもそういう感覚にはならなかったんですか?

庄氏:
なりませんでしたね。先ほどひろゆきさんに褒めていただいた、三国志の物語を邪魔しない主人公という点でも、「そんなもん作れないでしょ」と懸念されていたんだと思います。

あと、「買った後で知らなかったよ」ってならないように、発売まで「このゲームは赤壁の戦いまでなんです」ってプロモーションで熱心に伝えていたことも、「ありえねえだろ」とか、「ボリュームが足りるわけがない」とぼろくそに叩かれました。

ひろゆき氏:
そうなんですね。ボリュームについては満足してるんですけど、今回どこで終わるっていうのは知らなかったんで、「あっ、ここで終わるんだ」とは感じましたね。

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庄氏:
『真・三國無双』の予備知識をお持ちの方からは、実際ひろゆきさんと同じような反応をいただいていますね。一方で、「赤壁までだよ」ということを事前にお伝えしてた方々からは「いい意味で期待を裏切られた」という感想も頂いているので、みなさんにご満足いただけていると思います。

ただ、今までは五丈原や、さらにその後を描いていることもあったので、発表時には足りないと思われてしまったのだと思います。

ひろゆき氏:
日本はゲームをする前に評価を決めちゃうけど、外国はそもそも知らないから、やってみて「おもろいじゃん」って高評価になるみたいな感じですか?

庄氏:
そうですね。PC版のプラットフォームであるSteamの評価では、「このゲームをおすすめできるか」という質問にみなさん「はい」か「いいえ」で答えると思うんですが、体験版を配信した時の反応では国内だけが「賛否両論」でした。

国内のみ約半分のユーザーが「このゲームをオススメしない」と評価していて、一方で海外の人たちのほとんどが「はい」と答えてくれていて、「非常に好評」の状態でした。

海外で評価されたのは嬉しいんですが、これはこれでちょっと悲しい気持ちになりました(笑)。

ひろゆき氏:
多分日本の評価だけだったら僕はスルーしてたと思うんで、曇りのない目を持った人たちの意見も結構大事ですね。

庄氏:
そうですね。海外の皆さんが評価をしてくださったので、元気というか、自信をすごくいただけました。これがその後の結果にもつながったのかな、と思っています。

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ひろゆき氏:
クリアまで行った人だとそこまで低い評価はしないと思いますね。

庄氏:
ありがたいことに、発売後は国内も含めて高い評価をいただいていると受け取っています。実際にエゴサをしたり、アンケートなども色々見させていただくと、発売した後は“手のひら返し”ではないですけど……国内の評価も良くなりました。

「無双はこれだよね」と言ってくださる方が増えて、ほっとしています。

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編集長
電ファミニコゲーマー編集長、「第四境界」プロデューサー。 ゲーム情報サイト「4Gamer.net」の副編集長を経て、KADOKAWA&ドワンゴにて「電ファミニコゲーマー」を立ち上げ、ゲーム業界を中心にした記事の執筆や、サイトの設計など運営全般に携わる。2019年に株式会社マレを創業し独立。 独立以降は、編集業務のかたわら、ゲームの企画&プロデュースなどにも従事しており、SNSミステリー企画『Project;COLD』ではプロデューサーを務める。また近年では、ARG(代替現実ゲーム)専門の制作スタジオ「第四境界」を立ちあげ、「人の財布」「かがみの特殊少年更生施設」の企画/宣伝などにも関わっている。
Twitter:@TAITAI999
編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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