会場は広い。ブースもデカい。人の熱気もすごい。
ヨーロッパ最大級のゲームイベント「gamescom(ゲームズコム)」は、桁違いの規模で開催される「ゲームのお祭り」だった。
「ゲームイベント」と聞いて、日本に住んでいる我々がまずイメージするのが「東京ゲームショウ」であろう。来週(記事公開時で)の9月26日から29日に渡って、千葉県の幕張メッセで開催される日本最大級のゲームイベントだ。
そんな「東京ゲームショウ」より約1ヵ月前の、8月21日から25日にかけてドイツのケルンで開催されたのが「gamescom2024」。『モンスターハンターワイルズ』の最新映像や『ペルソナ3 リロード』の追加コンテンツが発表された「gamescom Opening Night Live 2024」をご覧になった方は少なくないと思う。
ご存じの方はあまり多くないかもしれないが、配信情報をニュースにするだけでなく、現地に取材に向かう日本のゲームメディアもある。ファミ通や4Gamerなどの大手は毎年多くの取材記事を掲載している。
日本から遥か離れたドイツの地へ向かうには、飛行機に乗っている時間だけで13時間オーバー。待ち時間を含めるとほぼ丸1日かかる。過酷な旅路だ。
飛行機でガタイのよすぎる外国人が隣の席になった結果リラックスとはほど遠い態勢を強いられ、しかも2時間に1回ペースでトイレに立つため夢の中に逃げることも許されない。読書、ゲーム、映画、仕事……時間をつぶすために趣向を凝らすが、それでもあまりに長い13時間という現実。首と腰は痛くなるし、脇腹はつる。
そんな長く険しい道のりを経て…………
電ファミ編集部の取材スタッフとして、「gamescom 2024」の現地取材を行うためにドイツにやってきたのだった。
現地で取材を行っていく中で、会場全体を巡ることになるわけだが、生で体験した「gamescom」はなんというか……迫力が違った。冒頭でも触れたが、伝えたいこととしては「会場が広い!」「ブースがデカい!」「人が多い!」の3つに尽きる。
「土地の広さ」という暴力を感じた。百聞は一見に如かず。会場を回りながらパシャパシャ写真を撮影してきたので、紹介していきたいと思う。
取材・文/竹中プレジデント
何度も迷ってしまった「gamescom」会場
「gamescom」会場の全体マップはこれ。
「東京ゲームショウ」の会場である幕張メッセは、1ホールから8ホールまで直線で繋がっており、たとえ慣れていない人だとしても迷うことはないだろう。
しかし、「gamescom」の会場の構造はちょっと複雑。ホールに繋がっている通路が複数あったり、2階構造のホールがあったりでまあ迷う。広いし。
取材当日は、
・恐らくメインエリアの位置づけの6、7、9ホール
・物販エリアの5ホール
・インディーやレトロゲームが集まっている10ホール
このあたりを中心に回った。
2、3、4ホールはビジネスエリアとなっており、仕事ができそうな人たちが商談(?)的なお話をしている雰囲気。8ホールは前日に「オープニングナイトライブ」を開催した会場だ。11ホールはちょっと記憶になく……ビジネス寄りのエリアか、もしくは行く機会がなかったかだと思う。
1日目はそこまで人の多さを感じなかったのだが、2日目、3日目になるにつれて参加者がどんどん増加。とくに3日目になると一気に人の圧が増した。
ただ、ホールや通路は広く、人が多くとも基本的に移動には支障はないレベルの混雑ではあった。ただ、エスカレーター付近だけは話は違う。みっちみち混雑が発生して、スタッフが整理に現れていた。
ホールごとにガラリと変わる雰囲気
個人的に会場内でとくに度肝を抜かれたのは6、7、9ホール。この3つのホールは会場内でもひと際大きい。恐らく、「gamescom」の中でもメインどころのエリアだと思われる。
ホール内に入って、最初に浮かんだ感想は「天井が高い」。そして、それに合わせてなのかブースもデカい。縦にも横にも。めっちゃお金がかかってそう。
また、物販エリアの5ホールでは、フィギュアをはじめとしたグッズが所狭しと陳列されており、その光景は圧巻であった。
ちなみに、中にはムフフな抱き枕カバーを販売している一角も(写真は撮ったが掲載は自重)。美少女キャラたちのあられもない姿に惹かれる紳士淑女たち(同士)が日本の外にも存在することが確認できただけでも、ドイツに来た甲斐があったと言える。
他にも、
何秒懸垂し続けられるか挑戦するコーナーがあったり、
アスレチックコーナーみたいなのがあったり、
謎のアトラクションがあったり、
ラジコンカーで遊ぶコースがあったり、
ミニ卓球があったり、
ゲームの試遊に限らない催しでお迎えしてくれる「gamescom」。土地パワーを感じる。日本には真似できない土地の使いかただ。
余談だが、会場を巡るなかで下の画像を見つけて思わずテンションが上がってしまった。
KONAMIの遊戯王カードのコーナーで配られていた、武藤遊戯なりきりセット(勝手に呼称)。この慣れ親しんだフォルムに目を奪われていると、スタッフのお兄さんが声をかけてくれた。そして差し出される遊戯の頭……。
しばらく頭につけて回っていたくらいにはお気に入りだったのだが、いつの間にか落ちていて紛失してしまった……。無念。
※ここまで紹介した写真以外にも何枚か撮影してきたので、ギャラリーでまとめておきます。少しでも会場の雰囲気が伝わったら幸いです。
おまけ:ドイツのご飯とビールはおいしかった
7泊8日のドイツ旅行……ならぬドイツ出張はなかなかに過酷なものだった。
まず移動。日本からドイツのケルン周辺まで向かうまでにほぼ1日持っていかれる。日本からドイツに着いた段階で身体はバキバキで疲労困憊だ。
そして物価。500ミリのペットボトルの水を買おうとしたら2.5ユーロ(400円?)くらいして「ここは世紀末か?」と驚いたが、ケンタッキーフライドチキンでご飯を食べてクレカで支払いをしたら3000円を超えてたので、水が特別高いわけじゃなさそう。普通に飲み食いしているだけで出費がえらいことになる。
あとは文化。電車がめちゃくちゃ遅れる。20分、30分は平気で遅れる。ちなみに飛行機も遅れた。日本と全然違う。細かい部分だが湯船はなくシャワーのみだったのも疲れがとれなくてしんどかった。
とまあ、慣れない土地で驚きの連続ではあったのだが、それでもドイツは最高だった。お金に余裕があれば永住したいくらいだ。
なぜなら…………ご飯とビールがめちゃくちゃうまい!!!
ホテルの朝食はもちろん、お店で食べた料理が美味で、お腹がはちきれるくらい貪り食ってしまった。とくにビールは飲みやすいかつおいしい。気候(ドイツは気温が高くても過ごしやすい)とビールを日本とドイツで交換してほしいとすら思った。
こう料理の写真ばかりを並べると、「(筆者は)食べてばかりで仕事してないのでは……?」と思われる方もいるかもしれないが、
・めっちゃ小さい「アリ」になって、フランスの森を再現した超絶広い森の制覇を目指す『蟻の帝国――Empire of the Ants』のレポート記事
・「斬り合い」したと思ったら「盗み」のミッションが課せられる、リアル過ぎる中世ヨーロッパが舞台のオープンワールドRPG『キングダムカム・デリバランス2』のレポート記事
など、プレイレポート記事を書きつつ、尻の主張が激しすぎるタルコフ系『ダンジョン・ストーカーズ』でしれっとセクシーなキャラデザの意図を聞いたり(逆に筆者はそのインタビューでその質問しかしていない)している。
他にも、電ファミ編集部ではレポート記事やインタビュー記事、オープニングナイトライブで発表された最新情報もまとめているので、もしよかったら覗いてもらえたら幸いだ。
最後になるが、今回のドイツ出張の際、先輩編集者から「カップヌードルを持っていくといい」というアドバイスをもらった。
調子に乗って6個持って行った結果、2個余ってしまったのだが、物価も高い……夜の街に出歩くのも怖い……そんな海外において非常に助かるアイテムだった。カップヌードル、海外旅行時の日本人の必殺技だと思う。
あいにく泊まったホテルにお湯を沸かす手段がなく、水を使って作ったのだが、一番うまく感じたのはレギュラー味だった。水カップヌードル個人的Tier神、レギュラー味。お湯のほうがおいしいので日本にいるうちはお湯で食べよう。