FUKUSHIMA IBUSHIGIN:インタビュー
──まずはリーグ本節から今日まで、お疲れ様でした。本日のプレイオフを振り返った感想を、おひとりずつお聞かせいただけますでしょうか。
ササモ選手:
そうですね。まずはプレイオフに出られたことがすごく嬉しくて、勝ち負けというよりは全力を出し切る、という方向にフォーカスしていたので、個人的には今の全力を出せたのかなと思います。でも同時に、勝負事で活動していて、負けて嬉しい人なんていないと思うので、いまは悔しい気持ちでいっぱいでもあります。
ただ、ネモさんやひぐち選手といった、自分にとって思い入れの強い人たちと渡り合えたのは嬉しかったですね。内容的にも大差で負けたというほどではなく、食らいついて粘れていたと思うので……。
そして、チームのみんなが自分を信じて試合に送り出してくれたことが、とても嬉しかったです。その分、勝てなかったのは悔しいですが、これからも頑張っていこうとあらためて思える日になりました。
ヤナイ選手:
負けてはしまったのですが、IBUSHIGINとしての初出場でプレイオフまで来られたのはいい結果だと思っています。プレイオフの試合に関しては、自分なりにウメハラさん対策を用意してきたので、悔しさが残るところはありますね……。1勝はできましたが、最後は負けてしまったので。やっぱり、勝ちたかったです。
cosa選手:
SS熊本とプレイオフで当たるのは嬉しかったです。でも、この1ヵ月は苦しかったですね……。自分の練習もして、対戦相手の練習も気にしたりして、対策期間が長いからこそ疑心暗鬼に陥ってしまうような面もありました。
ただ、自分としては対策してきたことは間違っていなかったんだな、という手ごたえもありました。同時に、対戦相手の底知れない強さみたいなところも感じましたし、結果は……悔しい、ですね。悔しいです。
翔選手:
僕個人としては本節が右肩下がりだったというか、どんどん動きが悪くなっていってしまっていたと思うんですね。今回のプレイオフに関しては、その原因を特定して「まずは自分らしい動きをしよう」というような意識で臨みました。その結果もあって、自分の動きとしてはベストだったのかなと思います。
チームのスコアとしては70-20という結構な大差に見えるんですけど、僕もチームのメンバーも、良い内容ではあったのかなと。それぞれがもう一歩届かなかったな……という風に感じますね。ただ、初出場で、このメンバーでプレイオフに来れて、結果は悔しいですが、同時にみんなベストを尽くせたと思っています。
この悔しさをバネに、もし次のSFLに出場させてもらえることがあれば、優勝できたらなと。
──ありがとうございます。では、リーグ全体を通じての感想を聞かせていただけますか?
ササモ選手:
自分は去年、SS熊本さんにレンタルという形で参加させていただいたのですが、自分でも公開の残る期間になってしまって……。それがあっての今年なので、もちろん出られることになったときは嬉しかったんですけど、特にリーグの前半節は去年と似たような流れになってしまって、それはすごく心残りです。
一方で、後半では勝てるようにもなってきて、手ごたえも感じました。自分の練習のスタイルとか、量とか、あらためて考えさせられるいいきっかけにもなりましたね。それはIBUSHIGINというチームでSFLに挑戦できたからこそ得られたものだと思うので、本当にこのチームで出場できてよかったです。
ヤナイ選手:
今回、IBUSHIGINというチーム、このメンバー4人で参加できたのが本当にありがたいというか、よかったな……というのがまずあります。他の3人に助けられていたところはあったんですけど、今現在の取り組みもふくめて、リーグ期間中にかなり実力が伸びたのかなと感じています。最後、少し間に合わなかったな、というのもありますが……。
応援してくれた方にも、チームメンバー3人にも、ありがとうという気持ちでいっぱいです。
cosa選手:
リーグに出ると決まってから、春先くらいに4人で話し合ったことがあるんですよ。お互いがどういう人で、どういう関わり方をするのが一番良いか、というのを考えたくて。チーム内の連帯とか、情報のやり取りみたいなことを気兼ねなくできるようにしておきたかったんですね。その成果は、シーズンを通して出てきたのかなと実感しています。
ササモ選手やヤナイ選手は攻略の考え方がすごくシンプルなプレイヤーなので、分からないことがあったらとりあえず聞いてみようと僕は思っていました。翔選手には自分で考えることよりさらにレベルの高いことを言語化してもらったりだとか、たくさん助けられました。
翔選手:
自分個人として初出場というところだと、ぜんぜん緊張とかはなくて、第一節から楽しんで試合に臨めたと思います。ただ、今までのオープン大会とかとは違って、期間も長いですし、同じ相手とホーム・アウェイを入れ替えて2戦目があったりとか、新鮮な部分も多かったです。そういう経験が、すごく自分自身の成長につながったのかなと。
チームとしては、SFL出る前からこのメンバーで練習していたりはしたんですけど、SFLに出るための練習となるとノウハウがなかったんですよね。なので試行錯誤しながらの挑戦で、お互いの人となりも深く知っていくことができました。こういう取り組みはSFLじゃないとなかなかできないことだと思いますし、すごく楽しくて、いい経験になりましたね。
──翔選手にお聞きしたいのですが、リーグ本節の終了後にアップデートがありましたが、プレイオフに向けて調整の影響はありましたか?
翔選手:
調整の影響でオーダーを変えた、みたいなことはないですね。各キャラクターいろいろ調整を受けたと思うんですけど、「まだやっていけるかな」みたいな。当たり前ですが、相手のキャラクターも調整の影響は受けているので、そこはお互い様かなという風に思っています。
調整内容を受けて新キャラクターを使うみたいな、僕で言えばジェイミーをやるか、みたいな話もあったんですけど……出すところはなかったですね(笑)。
──ここまで本節とプレイオフ振り返ってみて、皆さん自分の「ここが良かったな」と思う点があれば教えてください。
ササモ選手:
自分はメンタルが向上したところですね。リーグの序盤の方とか、緊張や焦りで動きが悪くなることがあったんです。でも、今日はピンチに陥ったときも辛抱強くなったというか、前だったらその流れのまま負けていたところで踏ん張れたというか。第一節の自分だったら、大将に2連続で出るなんてできなかったと思うので。そこはすごく成長できたかなと思います。
逆にもう少し変えられたな、と思うのはシンプルに練習量の部分ですね。4人の中ではcosa選手と練習する機会が一番多くて、彼の練習は質もよくて量も多いので、よく発破をかけられていました。いま自分を振り返ってみると、量も増やせるだろうし、もっと質をあげられる部分もあると思うので、来年に向けて仕上げていきたいです。
ヤナイ選手:
良かったところとしては、自分はホーム側で相手のキャラクターに被せる形で出場する機会が多かったんですけれど、そのときに用意してきたことをちゃんと出せていたと思います。
同時に、これは悪かったところの話になっちゃうんですけど、用意してきたものがうまくはまらなかったとき、相手に対応されてしまったときに勝ちきれなくて。今回のプレイオフでもウメハラさんに対応されちゃったのかな、という感触が残っています。
cosa選手:
良かったところは、自分が他の人と少し違う切り口の攻略をしていて、その成果をリーグを通して出せたところですね。あと、格ゲーの深みというか、今までよりもう一歩深いところまで踏み込むことができた、それは自分にとって成長だと思っています。
逆に改善したいところは、練習がちょっとガムシャラになりがちな部分ですね……。ササモ選手も言っていましたが、僕自身も質も量ももっとあげたいなと。そのあたりの分析はもうちょっと必要ですね。
翔選手:
さっきも少し話したんですが、本節の結果が少し尻すぼみだったところから、持ち直して良い内容の試合ができたのは良かったです。
僕は新しいキャラクターが出たらどんどん触ってみるタイプなんですけど、今回のプレイオフに向けては時間もあったので、それの相手キャラバージョンをやってみたんですね。例えば、ガイルを自分で使ってみて対策を考えるとか。それが自分の中ではかなり良い取り組みでした。結果にはつながらなかったですけど、内容を良いものにするうえではすごく役立ったと思います。
反省点は、その対策の取り組み方をはじめるのがちょっと遅かったことですね。みんなと同じような話になってしまいますが、もっと量をやりたかったです。
──それではリーダーの翔選手から、メンバーの皆さんへメッセージをいただいても良いでしょうか?
翔選手:
じゃあ、まずはササモに向けてですけど……よぅ伸びたなぁ(笑)。本当に一番伸びたと思ってるんですよ。後半節から伸びてきて、大将を任せられるなって思っていました。
ササモ選手:
ありがとうございます(笑)。
翔選手:
ヤナイは……ヤナイは、良かったよ。マジで(笑)。今日のウメハラさんの2戦も良かったし、プレイオフが決まるときのYHC-餅さん戦も良かった。用意してきたものを出す、っていう力をすごく感じました。なかなか「この組み合わせ行けます」って言える機会が多くはなかったと思うんだけど、そう言ってくれた時の安心感はすごくあった。
あと試合後のインタビューでも言ったけど、本当に最後の試合で出てくれてありがとう。
ヤナイ選手:
……はい、ありがとうございます。
翔選手:
じゃあ、cosa選手……。
cosa選手:
年上だからね(笑)。
翔選手:
(笑)。cosa選手には、すごく刺激を受けました。やっぱり考え方がアスリートで、ササモもヤナイもそういうところにすごく良い影響をもらっていると思います。
さっき、僕自身が本節で尻すぼみになっていったって話をしましたけど、その要因のひとつに、cosa選手のやり方が良いなと思って取り入れようとした結果、あまりうまくいかなかったっていう面もあったんですよね。
でも、そこで影響を受けて経験させてもらうっていうのはひとりじゃ絶対にできない経験だったので。スポーツの人の考え方を、たくさん教えてもらったなと思います。すごい……すごいです(笑)。
──では逆に、リーダーに向けてメンバーの皆さんからひと言ずついただけますか。
ササモ選手:
僕は翔選手との付き合いが長くて、格闘ゲームをはじめて半年くらいのころからずっと教えてもらっているんですよ。だから、かけちゃん(翔選手)がいなかったら、絶対にこの場にいなかったんです。調子に乗っていた自分のお尻を叩いてくれた人でもあるし、あらためて「格ゲーって楽しいな」と思わせてくれた人でもありますね。
『ストリートファイター6』が出てから、彼が一躍遠い人になってしまったような気もしていて、自分はそれを指くわえてみていたんですけど(笑)。でも、そんな人と同じチームになって、いろんな刺激をもらえているのってすごく運がいいなと。本当に頭が上がらないです。ありがとうございます。
翔選手:
……あざっす。
ヤナイ選手:
初出場のチームでリーダーをやっていただいて、他のチームからしても「翔を対策しよう」みたいなところもあったと思っていて。そんな中でも対象で踏ん張ってくれていたりして。逆に、自分は助けになれたのかな……と思うところもあるんですけど。
支えてくれて、ありがとうございました。もっと勝ちたかったです。
cosa選手:
ササモが「付き合いが長い」っていう話をしてましたけど、僕も『ストV』でリュウの配信をしていたころからよく観ていて。うずらリュウ【※】を倒すためだけにリュウ対策を真剣にやっていたくらい、雲の上の存在でした。そんな人が、ちょっと惑わせちゃったところもあるかもしれないんですけど、自分に刺激を受けたと言ってくれてすごく嬉しいです。
あと頭も良いし、気を使える人だから、どんな人かあまり分かっていなかったところもあったんだけど、一緒のチームになって人となりが分かったのも良かったです。今後とも、よろしくお願いします。
※うずら:翔選手の旧プレイヤーネーム。
──ありがとうございます。そういえばプレイオフの試合中、「ポテト」とか「桃」みたいな不思議なかけ声が聞こえてきたんですが、あれはどういう意味だったんでしょう……?
cosa選手:
あれは言えないでしょ(笑)。
翔選手:
トップシークレット……ということで。
cosa選手:
いえないけど、ちゃんと意味はあります。
──承知しました(笑)。本日はお疲れ様でした。