Oculus Touchを触ってみた!
ドリキン氏:
そういう意味でも、Oculus Touchトークをしましょう(笑)。
mazzo氏:
やっと触れて語れるようになったから(笑)。
ドリキン氏:
そうそう!
西田氏:
ボクも試作機は触ったことはあるから大丈夫ですよ。
ドリキン氏:
Oculus Touchは感動しているんですけど、mazzoさんどうでした?
mazzo氏:
いやぁ、手がね、手が空間にあるのはすごいですよね。
ドリキン氏:
意外と冷静?
mazzo氏:
いや、すごいと思いますよ。すごいけどまだ『Mikulus』使えないし、『VRカノジョ』も使えるわけではないし。
ドリキン氏:
そこかぁ。それしかないのかっていう(笑)。
西田氏:
『Mikulus』はねぇ、たぶんGOROmanさんがスッゴイこと考えているので。言っちゃいけないと思うので言わないです(笑)。楽しみにしておいてください。
ドリキン氏:
ボクはさっきOculus Touchを開封しまして。
mazzo氏:
何やりました?
ドリキン氏:
けっこうやったかな。最初のチュートリアルから始まって。
mazzo氏:
あのチュートリアルがすごいよね、そもそも。
ドリキン氏:
あのチュートリアルはすごい。てか、Oculusは基本的にあそこら辺の見せ方がうまい。最初の見せ方がうまいじゃないですか。
mazzo氏:
そうですね。
ドリキン氏:
で、『Quill』。『Tilt Brush』Oculus版みたいなやつもやったし、『Medium』っていう、今度はそれの粘土こねるようなやつもやったし。
mazzo氏:
スプレーでね。自分の目の前に。
西田氏:
そうなんですよね。各アプリはやったことがあるんだけど、チュートリアルをやったことがない。なぜなら手元にないから(笑)。
ドリキン氏:
『SUPERHOT VR』もやって、『Space Pirate Trainer』もやって、『I Expect You To Die』もやって、『Kingspray Graffiti』もやって、『The Unspoken』もやって、『VR Sports Challenge』もやりましたよ。すごくないですか?(笑)
西田氏:
『Toybox』はやってないんですか?
ドリキン氏:
『Toybox』はまだやってないんですけど。
西田氏:
あー、そうかぁ。
ドリキン氏:
もうね、装着してから2時間ぐらいで。ボク今すごいんですよ。3時間ぐらいVRかぶせてても、翌日、全然何の問題もない(笑)。
mazzo氏:
潜水記録を打ち立てた、『グラン・ブルー』【※】の世界みたいな感じですよね(笑)。
※グラン・ブルー
1988年に公開されたフランスとイタリアの合作映画。フリーダイビングの世界記録に挑む2人のダイバーの友情と軋轢、そして海に生きる男を愛してしまった女性の心の葛藤を描く海洋ロマン。「Grand Bleu Generation」という言葉ができるほど、当時の若者たちから絶大な支持を集めた。
ドリキン氏:
ほんとそうそう(笑)。
西田氏:
VRへの没入記録を突破しました、的な(笑)。
ドリキン氏:
もうね、3時間は余裕ですね。『DRIFT』2時間ぐらい連続でやってますから(笑)。
mazzo氏:
手を自分の空間に置けるから、プレゼンスの剥がれとかもあるけれども、違和感を覚えることがないので、ずっとそこにいられる感じがしますよね。
Oculus Touchは何がすごいのか
ドリキン氏:
なんだろう。今までのVRが1.0なのか2.0なのかわからないけど、2.0と仮にしたら、Oculus Touchが来たせいでいきなり3.0に上がったかなっていう感覚はする。
西田氏:
そうなんですよ。VR関係の本も書かれた、YOMUNECOっていう会社でOculus Touchのローンチタイトルも作っている新清士さんが言っていたことなんですけど、手を使って上半身が動くと、突然プレゼンスが劇的に上がるんですよ。
というのは、人間はどうやら、世の中の動きっていうものを目と耳で判断しているだけじゃなくて、体をどっちにひねったかとか、手を伸ばしたかとか、そういうところも全部繋がって判断しているんだな、と。
なので、VR空間に手が持ち込まれた瞬間に、別物になるんですよ、体験が。実はこれはPSVRとかも大切で、今はゲームがあんまり対応していないのでMOVEを使っていないんですけど、MOVEコントローラーを使った瞬間に別物なんですよ、あれも。ただし、MOVEはテクノロジーがもう4年以上前のもの……。何年前でしたっけあれは。
mazzo氏:
PS3のときのものですよね。
西田氏:
そう。PS3のときのものなので、精度だとか使い勝手があんまりよくないんですよね。それをまったく最新のテクノロジーで作っている、軽くて使いやすいOculus Touchは圧倒的に違いますよね。
ドリキン氏:
なんだろう、没入感がね。やっぱり今まではVR空間に、潜水艦の潜望鏡と一緒ですよね、水中の空間を潜望鏡で覗かせてもらっていたというか、VRの世界をグラスを通じて、中に首を突っ込むところまではできていたんだけど、このOculus Touchが入った瞬間に、完全にその中に自分が入り込んだ世界になったのはすごいなと思って。
西田氏:
そうですね。すごく面白い話があって……レースゲームって、ハンドルコントローラーでやるのと、コントロールパッドでやるのとでは酔いが全然違うんですよ、VR上で。コントローラーでやるとゲロゲロに酔うのに、ハンドルコントローラーでやると酔わなかったりするんですよね。
それはなぜかというと、人間が手で握って、手を動かしているから、自分の体の中にある車の体験に近いわけですよ。それはまさにOculus Touchで手をVRの中に入れたのと同じ考え方なんですよね。
結局、ボクたちがVRで映像と耳を置き換えることによって、リアリティというものを得ていると思っていたものが、本当は人間の体が感じているものにとっては一部でしかなかったというのが、ハンドルコントローラーでわかってくるんですよね。
で、さらに言えば体全体を動かした方が、リアリティは高まるんですけど、今度はどうなってくるかというと、体を使うとリアリティが上がるんだけど、リアリティを上げれば上げるほど、体が疲れる。で、体が疲れるものって毎日使えないんですよね。そのバランスをどうとるかっていうのが、大きな問題なんですよ。
今、VRの中に手を入れたじゃないですか。で、そこで新しいUIを作ろうとなると、『マイノリティ・リポート』みたいなUIになるんですよね。
mazzo氏:
手を上下左右に動かさないと……。
西田氏:
そうそう。もしくは、指である一点を指し示すみたいな動作が増えていくわけですよ。ところが人間の体って、毎回同じ動きをするのに耐えられるように作られていないんですよ。
さらに言うと、自分でやってみればわかるんですけど、目的のところにピタッと指を指すって難しいんですよね。毎回まったく同じに。何となくは大丈夫ですけど、ピタッと、たとえば目の前にある時計の秒針の頭を指せって言って、100%同じ位置に指せる人って、ほとんどいないと思います。
それってスポーツをやって、同じフォームでラケットとかバットを振れるかっていうのと同じ問題なんですよ。でもそれが仮想の世界に入っちゃうと、我々人間って、完璧に動くように見えるんですよね。
ドリキン氏:
補正されるから。
西田氏:
そう。でも、きっちり毎回同じところに指を指せないとか、正確性がないっていうのが、たとえば腕の疲れとか体の疲れにつながって来るので、いかにそこをうまくだましてあげるかっていうのが、次のUIに必要なことになってくるんですよね。
ドリキン氏:
ですよね。
西田氏:
で、GOROmanさんは何を考えているか聞いたんですけど、これは記事で書くので言わないです(笑)。
mazzo氏:
これはまだ続きがあるんですか?
西田氏:
ありますあります。
mazzo氏:
朝日新聞のやつとは別に、これの続きでくるんですか?
西田氏:
そう。朝日新聞では「VROSとはなんですか?」という説明をHoloLensの日本での受注も始まったので書いたんですけど、GOROmanさんとのインタビューって、あれって100分の1ぐらいに薄めた内容しか入ってないです。
ドリキン氏:
GOROmanさん問題ですね、すべてが濃すぎるっていう(笑)。
西田氏:
特濃で、しかもそれをきちっと読んでいくと、ものすごいことを言っている。というインタビューがあって、それの一部がまずVRメディアのPANORAに載って、たぶん3万字ぐらいある全長版が、電ファミニコゲーマーに載ります。で、3万字のやつには全部注釈も入れて。普通の人にも読みやすいようにする予定になっています。
記事はこちら:濃すぎる経歴のVRエバンジェリストがOculus VR社を退社! GOROman氏が初音ミクと歩き出すVRの未来とは?
mazzo氏:
でも、それは書籍化するべきボリュームですよね(笑)。
ドリキン氏:
今からGOROmanさんの伝記みたいなものを、3年ぐらい密着してインタビューしといてもいいんじゃないかっていう(笑)。